ウッドデッキにタープを張り、自慢のオープンサッシを全開に。すると心地良い風がリビングを吹き抜けた。薪ストーブには、料理を楽しむための火が灯されている。
愛知県一宮市在住の野崎慎也さんは、6年前に憧れのログハウスを手に入れた。この日は、住み慣れたリビングの家具を外に出し、代わりにキャンプ用のチェアやキッチンテーブルを並べた。手作りのランタンスタンドには、ヴィンテージのランタンを吊るし、窓辺には木製のガーランドが揺れている。おうちキャンプのスタートだ。
薪ストーブを焚き火に見立てて
じっくり作るパンとスープ
キッチンでは妻の理佳さんが、丁寧にパン生地をこねている。
「夏でもパンを焼いたりスープを作るために薪ストーブは欠かせません。炎を見るだけで、キャンプ気分になりますよ」
遅めのランチは、理佳さんが薪ストーブの火力を使って丁寧に焼いた2種類のパンと、慎也さんがじっくりと仕込んだトマトスープだ。
「キャンプ道具を並べて、キャンプ用の食器を使うことで、リアルにテントサイトにいる気分になりますね。こうやって食べると、ほんと旨いです」
仲のいいふたりの話題は、次のキャンプのこと。どこに行くか、どんな仲間と行くか? 近い未来への夢が膨らむ。
「次のキャンプで使う道具を作ってみようかな」
キャンプで使うことをイメージして
道具を作ればおうち時間も充実
ゆっくりと流れるおうちキャンプの時間。食事を終えた慎也さんは、薪を使った食器作りに取りかかった。
「ある程度の大きさに薪を切ったら、あとはひたすら彫刻刀で彫るんです。ようやく、うちで過ごす時間ができたんで、このチャンスに仕上げたいですね」
建築関係の仕事をする慎也さんは、自宅の棚やキャンプ用のキッチンテーブルなども自らの手を動かして作っている。
「キッチンテーブルに使っているアイアンは、友人が作ってくれたものです。自分で作った天板と交換して、お互いに理想のテーブルを手に入れたんです。東海地方には、モノ作りが得意な人が多く、キャンプや趣味を通して、そんな仲間が増えていくのも楽しいです」
キャンプ場でも自宅でも、手作りの道具を加えることで、より自分らしい、居心地のいい空間を演出できるそうだ。
木製ガーランドの作り方
木の香りと風を感じる
ハンモックでひとり時間
野崎慎也さん(48)理佳さん(48)
愛知県内で建築関係の仕事に従事する慎也さん。「いつかログハウスに住みたい」という夢を6年前に実現した。キャンプ歴は約4年。ふたりの出会いは、中学生のとき。
※構成/山本修二 撮影/谷瀬 弘 協力/Field Style、bagus field
(BE-PAL 2020年7月号より)