「広い庭があればいいけど、うちはマンションだからぁ」と嘆くことなかれ。風通しも良く見晴らしも良い、そして道具も持ち出しやすいベランダこそ、「おうちキャンプ」の絶好の場所なのです!
ギア揃いのバルコニーキャンプで一日中、家族は大はしゃぎ!
近くに着いた時点ですでに良いにおいがあたりに漂っている。今回お邪魔するのはSANZOさん一家のお宅。ご主人は週に1回はフィールドに行くという生粋のキャンパーでインスタフォロワー数は2万人オーバー。
時間がかかる料理にも挑戦!
特製バームクーヘン作り
そんなSANZO邸には、驚くほど広いバルコニーがある。この家に決めた理由のひとつにもなっているそのバルコニーは、もはやキャンプ場の1区画くらいの広さ。なんとも羨ましいオープンエア空間だ。そこにテントを2張と、いつもキャンプで使っているギア類を配置したら、フィールドとほぼ同じキャンプエリアの完成だ。 SANZOさんが火の上で鉄の棒に巻いて、何やらクルクルと回している。塊肉かと思いきや、実はバームクーヘン。これが甘くて良いにおいの元だったのだ。さすがにバルコニーで焚き火をおこすわけにはいかないので、焚き火台に炭をセットして、家族で楽しめる料理を作っているという。
「キャンプでは手間がかかりすぎるこんな料理に挑戦できるのも、バルコニーキャンプの良さですよね。ほかにもキャンプで作ってみたい新メニューを試したり。家でなら仮に失敗しちゃっても、ほかのものを食べればすむわけですからね」
六角形のヘキサテーブルで団らんスペースをより快適に
SANZOさんがバームクーヘンを焼くかたわらでは、息子の大河くんと奥様、そして2匹の愛犬たちが思い思いのキャンプタイムを楽しんでいる。いい感じに日陰に立てられたテント内は、愛犬たちの昼寝スポットとしても優秀だし、そのまま家族みんなでテントで寝ることもあるという。
「キャンプギアをメンテナンスする場としても、おうちキャンプはいいんですよ。ここでテントを張ったり、ランタンやストーブなどの使い方や不具合などを確認しておけば、キャンプ場に行ったときに、困るリスクもかなり減らせますからね」
大容量バッテリーでガジェットをフル稼動
テント2張はふかふかマットで、お昼寝&休憩スペースに
夜はプロジェクターで
エンタメ時間スタート!
あたりが夕闇に包まれると、SANZOさん愛用のたくさんのビンテージランタンが灯り、おうちキャンプはエンタメモードに。プロジェクターを使い、動画やゲームを家族みんなで大画面で楽しむのだ。この日は大河くんのリクエストで大人気中のゲーム『どうぶつの森』をプレイ。屋外という臨場感もあって、「家の中より盛り上がれる!」と大河くんは大はしゃぎ。
「深夜になったら大人だけで、お酒を飲みながらホラー映画を観たりもしますよ。室内で観るよりも怖さが桁違いですね(笑)」
ボードゲームでじっくり
親子コミュニケーション
ランタンやストーブを用意して
片っ端から火を付ける
焚き火台と炭火の組み合わせで
手間いらず煮込み系料理
夕飯はダッチオーブンでじっくり煮込んだビーフシチュー。六角テーブルを囲みながらみんなでワイワイと食べる。
「普段だったら、家族ってそれぞれの居場所に分かれて生活することが多いですよね。例えば僕はリビングで寛ぎ、息子は自室でゲーム。奥さんはキッチンで料理する、みたいに。でも、このバルコニーでのキャンプだったら、ひとつの場所で一日中家族みんなが一緒に過ごすから、コミュニケーションも自然にとれることに気付いたんです」
蔵庫完備のバー・スペースで
夜空を見ながら大人の時間へ
作る、食べる、遊ぶをみんなで分かち合う。理想的な家族団らんの場が、ここにはあるのだ。
SANZOさんファミリー
ご主人のSANZOさん(45)は無骨なギアが大好きで、豚の丸焼きなど豪快な料理も得意。奥様のゆうこさん、9歳の大河くんに愛犬2匹の仲良しファミリー。人気のインスタアカウント名はSANZOKOUMUTEN。
※構成/櫻井 卓 撮影/見城 了
(BE-PAL 2020年7月号より)