夜の観察は、昼間、明るいうちの聞き込みやフィールドサイン探しが重要だ。木々の合間に高層ビルが垣間見える、新宿区高田馬場を歩きながら、タヌキがよく遊びに来る、という薬王院の周りを調査する。
夜の動物を見てみたい!@薬王院(新宿区)
所要時間 約120分〜
ま「本当にタヌキがこんな都会にいるんですか?」
佐「タヌキは江戸時代以前からいるんですよ。東京23区、どこにでもいるといってもいい」
たしかに、お寺の裏の雑木林に獣道が(!?)。足跡やため糞(タヌキは仲間で同じ場所に糞をする習性がある)が見つかれば、高確率でタヌキが存在する。
佐「ほかに、大田区にはニホンアナグマ、葛飾区の水元公園ではマスクラットというネズミの仲間がいたり、ハクビシンは至る所で見られているんですよ」
ニホンアナグマ
ホンドタヌキ
そういった夜行性の生き物は、日没後30分ぐらいが出会える可能性が高いとも。アブラコウモリもそのうちの一種。探すのには秘密兵器があるのだとか。
アブラコウモリの音を聞こう
所要時間 約40分
佐「コレコレ、コウモリ探知機。コウモリが出す超音波を人間の耳に聞こえるように変換する装置なんですよ」
ま「コウモリの音が聞こえる?」
佐「そう。ピチピチっていう音が聞こえたら、コウモリが近づいてきた合図」
ま「面白〜い! 貸してっ」
本日いちばん、テンションが上がったまみちゃんでした。
プロ・ナチュラリスト
佐々木 洋さん
全国の小学校や幼稚園で自然解説を行ない、独特の表現と口調で自然の魅力を伝える。NHK教育番組やラジオなどで活躍。著書多数。
※生き物の観察は、各公園などのルールに従って下さい。
※構成/大石裕美 撮影/田川哲也 写真協力/佐々木洋、あらいひろし
(BE-PAL 2020年8月号より)