まずは檜原村の玄関口で「森のパン」を頬張る
森の風°(もりのぷう)
アドベンチャー体験ができる神の通り道
20分ほど歩くと、岩を後ろから見られる場所へたどり着く。ここまでは、トンネルを通っていくこともできるので、スリリングな体験に不安がある人は、そちらから行くのもアリだ。
神戸岩
【住所】東京都西多摩郡檜原村神戸
【アクセス】車の場合は中央道 八王子IC第二出口下車 約50分。電車の場合はJR五日市線 武蔵五日市駅下車し、「藤倉」行きバスで「神戸岩入口」下車。そこから徒歩約20分。
駐車場完備(7台程度)。トイレもある。そこから神戸岩を眺められる場所までは、徒歩3分ほど。神戸岩の後ろ側まで行く場合には、渓谷を歩くか、トンネルを越える。
日本の滝百選に入るダイナミックな名瀑
続いてやってきたのは、檜原村を代表する名瀑「払沢(ほっさわ)の滝」。東京都で唯一、日本の滝百選にも選ばれており、その落差は4段で約60mもある。
駐車場から払沢の滝までは、歩いて約15分。ゆるやかな傾斜の遊歩道になっていて、ハイキング気分で歩けるのもいい。途中には、村の陶芸作家の作品を展示するギャラリー喫茶や、昔の郵便局の建物を利用した土産物店があり、観光も楽しめる。
滝が近づいてくるにつれ、一気に体感温度が下がったのを感じた。さらに滝の近くまでいくと隣の人の声が聞こえないほど勢いよく滝が流れていて、そこに風が巻き起こり、エアコンがきいた部屋にいるような涼しさが感じられる。あまりにも気持ちよすぎて、しばしそこを離れられない!
ちなみに最下段(落差約26m)の落ち込みにある深い淵には、古くから大蛇が住むと伝えられている。なんとも神秘的な場所だ。
払沢の滝
【住所】東京都檜原村5545-2
【アクセス】車の場合は
滝の入り口には駐車場(25台程度)、トイレがある。ハイシーズンには混雑する可能性あり。
濃厚大豆のあっさり豆腐ソフトクリームで休憩
払沢の滝に行ったならば、必ず立ち寄りたいのが「檜原とうふ ちとせ屋」だ。神戸岩と払沢の滝までの往復ですっかりお腹を減らした私達が真っ先に頼んだのは、ソフトクリームと豆腐ドーナツ!
国産の大豆を使用した昔ながらの豆腐屋で、創業して25年。檜原村の源流を使っているのがおいしさの秘訣だとか。
檜原とうふ ちとせ屋
【住所】東京都西多摩郡檜原村本宿5557
【電話番号】042-598-0056
【営業時間】9:30〜17:00(火曜定休。祝日の場合は翌日)
モチモチ生地がたまらない天然酵母のピザでランチ
ソフトクリームとドーナツでは到底お腹が満たされない私達が選んだランチのお店は、自家製天然酵母のパン屋「たなごころ」。こちらでは今年から、薪窯で焼くピザの提供を開始! マルゲリータと自家製有機野菜とサラミなどをトッピングした「たなごころミックス」の2種類が食べられるのだ。
檜原村では酒まんじゅうを作る風習があり、それをオーナーである井上佳洋さんの奥さんが酒種酵母に変換。牛乳とタマゴを使わないパン生地を完成させた。モチモチの生地は、トマトソースや野菜との相性もよく、1人で1枚ペロリといけちゃうおいしさだ。
たなごころ
【住所】東京都西多摩郡檜原村人里2100−1
【電話番号】042-598-6307
【営業時間】11:00〜18:00(月、火曜定休)
https://www.tanagokoro.biz/
木のぬくもりが感じられるツリーハウスに宿泊
たなごころの隣にあるのが2020年7月に新しくオープンしたツリーハウス「ちゃめハウス」。ここが今日の私達の宿泊地だ。1日1組限定で、宿泊人数は最大で5名(2段ベッド以外に布団がある)。なんと愛犬(小型、中型犬限定)も一緒に宿泊ができる。
ツリーハウスの木は、地元のスギ、ヒノキ、サワラが使われている。部屋に入ると木のいい香りが漂い、窓から見えるのは大自然のみ。森に包まれているような気持ちになれる。宿泊者は私達しかいないから、この景色を独占できるという贅沢感もいい。
食事は1階にあるデッキでバーベキューが楽しめる。プロも使っているというハースグリラーのコンロがあるほか、冷蔵庫、炊飯器、オーブントースター、電子レンジも完備。食器やカトラリー、包丁などもあるので、食材さえ買ってくれば、それ以外の準備は必要ない。
外からデッキ内は見えないので、開放感があるのに完全にプライベートな空間なのがうれしい。この日は気温もかなり上がった日だったが、南秋川から心地いい風が吹き込んできて、少し涼しいぐらい。「もう都心に戻りたくないよー!」と言い合いながら、ビール片手にデッキでくつろぐ。
聞こえてくるのは、川の流れと木の葉が擦れる音ぐらい。これだけプライベートな空間が守られているから、ついついはしゃぎがちな私達も安心して楽しめる。もちろんお子さんがいるファミリーも、周りを気にすることなく自由に過ごせるのがいい。
日が暮れてくるとさらに静けさは深まり、自分たちしかこの場所にいないことをより感じる。デッキの前にあるケヤキがライトアップされて、ぼんやり私達を照らしている。いつもなら話がつきない私達なのに、フッとその余韻に浸りながら何をするでもなく各々の時間を過ごした。
ちゃめハウス
【住所】東京都西多摩郡檜原村人里2100−1
【電話番号】042-598-6307
■料金(最大5名)50,000円(愛犬と一緒の場合52,000円)
https://www.chamehouse.com/
都内とは思えない大自然に感動しっぱなしの私達は、その場を離れがたくて遅くまでデッキで過ごした。部屋に戻ると木の香りが私達を包み、また心が浄化されていく。どんなラグジュアリーホテルにもかなわない癒やしの空間がここにはあった。
撮影/高橋郁子
~NATURE TOKYO EXPERIENCEとは~
豊かな山々に囲まれた多摩、青空と海が広がる島々。日本の中心都市の顔とはちがった、“東京の自然”という今までにない魅力を感じることができる多摩・島しょエリアに着目し、体験型・交流型の新たなツーリズムを開発する事業を応援するプロジェクト。https://www.naturetokyoexperience.com/
協力/公益財団法人東京観光財団