自然の中を歩くとき、つい裸足になりたくなる瞬間ってありませんか?
でも尖った石があったりすると危険ですし、靴を履くのに慣れた現代人の足裏は柔らかく傷つきやすいもの。
そんなときにおすすめしたいのが、超薄底のサンダル「ワラーチ」です。何十キロもの険しい山道を日常的に走るメキシコの先住民族タラウマラの履き物で、脚本来の力を引き出して膝や腰の故障を予防できると、世界中のランナーに愛されています。
ビーチサンダルより薄い、「裸足とサンダルの間」の履き物ワラーチ。本来は古タイヤと革紐だけで作られるワラーチを、現代日本でも日常的に使えるようなかっこいいデザインで再現しました。
これを履いて歩けば、木の根っこのゴツゴツや苔のふんわりした感触を足裏で感じることができますよ。足首までしっかり固定されるので、安定感も抜群。
今回はそんなワラーチをDIYします。工程は多いですが、ぜひ挑戦してみてください。
材料
- ビブラムスポンジ(7mm厚)(自分の両足が乗る大きさ)
- 革(2mm厚)(自分の両足が乗る大きさ)
- 革(1mm厚)(3cm×6cm)
- 革紐(1.5m×2本)
ビブラムスポンジは東急ハンズの大型店や革靴の修理道具を扱う店、オンラインショップなどで購入できます。
道具
- 革包丁
- たちバサミ
- ボンド(ゴム系の強力なもの。今回はDIABONDを使用)
- 手打ちポンチ(6mmの穴が開けられるもの)
- へり落とし
- 2本菱目
- 木槌または金槌
- 革用の針(1本)
- 麻糸
- 型紙用の厚紙
- 銀ペン(ボールペンで代用可)
- ペン(型紙作りのためのボールペン、サインペンなど)
- サンドペーパー
作り方
1.型紙をとります。厚紙の上に立ち、できるだけペンを垂直に立てた状態で足型を取ります。ペンを寝かせると形が変わってしまうので、足の甲より上の位置でペンを持ち、寝かさないよう気をつけながら形をとってください。
2.指のラインを滑らかな曲線で繋ぎます。鼻緒の位置、土踏まず、小指とかかとの間の少し浮いているところに印をつけます。
3.型紙をカットし、ビブラムスポンジを型紙通りにカットします。
4.革をカットし、印をつけたところにポンチで穴を開けます。
5.鼻緒を作ります。1mm厚さの革で直径3cmの円を作り、中央にポンチで穴を開け、穴の両隣に2本菱目で穴を開けます。本体を作った革の端切れで8cm×0.5cmの短冊状の部品を2つ作ります。
6.工程5で作った短冊状の部品の両端から1.5cmを革包丁で斜めに削ぎ落とし、厚みを薄くします。へり落としで角をすべて面取りしておきます。
7.工程6の部品の両端に二本菱目で穴を開け、工程5で作った丸い部品と縫い合わせて鼻緒の形にします。
8.本体の革と鼻緒をボンドで貼り合わせます。さらに革とビブラムスポンジを貼り合わせ、よくこすって圧着させます。
9.革の穴に合わせてビブラムスポンジにポンチで穴を開け、側面のガタガタや革とビブラムスポンジの段差をサンドペーパーで滑らかにしたら、本体は完成です。
履き方
1.鼻緒に革紐の端を結びます。
2.小指側の穴に上から通し、外からからませます。土踏まずの穴に下から入り、内側からからませます。
3.足を入れ、紐を引き締めます。足首を半周させ、かかとの紐にからませます。
4.足の甲の紐に結べば完成です。紐が長すぎる場合は足首を2周させたり、ちょうどいい長さでカットするといいでしょう。
紐の結び方はビーチサンダルのような形になるもの、足の甲の上で蝶々結びをするものなど、様々な種類があります。お気に入りを見つけてください。
紐を革紐ではなく、パラコードにしてもかわいいですよ。簡単に紐を取り替えられるので、着せ替えも楽しんでくださいね。
ワラーチを履いて足裏で大地を感じよう!
ワラーチはキャンプ場や山道はもちろん、普段の道で履いてみても面白い感触が味わえます。点字ブロックの凹凸や、側溝の金属の蓋などを踏みながら歩いてみると、足裏の感覚の繊細さに気づかされます。
走っても大丈夫な強度ですが、クッションがほぼないため、慣れない方が急に走ると足を痛める恐れがあります。まずは歩くところからゆっくり慣らし、徐々に強度をあげるようにしてください。
使い込むと、足に合わせて徐々に変形してくるのも面白いところ。ぜひお気に入りの1足を作ってみてくださいね。