アルコールストーブの代名詞といわれる「トランギア」。昨年、ブランド創立90周年を迎え、特別記念モデルのストームクッカーも登場している。まっ赤なコッフェルとシルバーの風防のコントラストがオシャレなのだ。
トランギア/ストームクッカー レッドレッドアルコールストーブは故障の少なさ(なんといっても可動部品がひとつもない)と燃料調達の容易さ(世界中のどんな僻地でも手に入る)から、放浪系バックパッカーに愛用されている。その反面火力が弱く、寒冷地や強風下では心もとなかった。それを克服したのがストームクッカー・システムなのである。
最大の特徴は鍋をすっぽり覆う筒型の風防だ。フライパン兼用の蓋で上部を覆うと鍋は完全に隠れ、ヒートロスを最小限に食い止められる。
またベースには96個の空気孔が開けられていて、風防のチムニー(煙突)効果によりこの空気孔からどんどん新鮮な空気が引き込まれ、バーナーの燃焼効率を最大化してくれる。とても単純な構造だが、その効果は絶大。
何十年経とうともまったく色褪せることのないこんなテクノロジーに、僕はアウトドアギアの真髄を見てしまうのだ。
トランギア/ストームクッカー レッド
TRANGIA/STORMCOOKER RED EDITION
トランギアは1925年にスウェーデンで創立された老舗ブランド。この90周年記念モデルは直径22㎝のLサイズ(写真。TR25-SUL-LE)と直径18㎝のSサイズ(TR27-SUL-LE)が用意されている。
¥18,500
問い合わせ先/イワタニ・プリムス TEL03(3555)5605
ホーボージュン
大海原から6000m峰まで世界中の大自然を旅する全天候型アウトドアライター。
Twitterアカウントは「@hobojun」。
撮影/中村文隆