自転車専用のバッグを手にするということ
お気に入りの自転車に乗って、どこかへ出かける。サイクリングは場所や季節を選ばず、自分にあったアクティビティができる屋外遊びのひとつとして定着している。
特に機材を使った遊びということもあって、新しいアイテムを探して買い揃えるのもひとつの楽しみだ。タイヤ、ハンドル、サドル、バーテープ、選べる範囲はとても幅広いが、意外と人気が高いのがバッグだ。ハンドルやサドルの後ろに取り付けるタイプから、フレームチューブの中に収まるものなど種類は様々。いろいろなブランドから商品が登場している。
私もライドの内容に合わせて選べるよう複数のバッグを見つけてきたが、尖ったシチュエーションに沿うようなアイテムというのは多くないように思う。自分の場合1〜2時間で少し強度の高いトレーニング的なライドをすることが多く、必要最低限の携行品を入れるポーチが欲しかった。サイクリングウェアの背面ポケットでも良いのだが、汗で濡れてしまうこともあり、使い勝手と見た目を兼ね揃えたアイテムを長い間探していたのだった。
神戸のハンドメイドバッグブランド、AGHARTA(アガルタ)に相談してみた
そんな最中、旧友が自転車用にオーダーメイドのカバンを作っていることを思い出し、相談をしてみることにした。お願いをしたのは神戸のハンドメイドバッグブランド「AGHARTA(アガルタ)」。テントやアウトドアウェア等の耐久性が求められる「CORDURA(コーデュラ®)」ナイロンを使用した製品を中心に、オーダーメイドで作業を行なっている。
お願いをしたいアイテムについては、私の中でイメージが固まっていたので、図を手書きして送らせてもらうことにした。再現が可能か検討いただいたところ、しばらくしてラフが届き、一緒に使用する生地の写真も送られてきた。トップチューブに携帯と小さな財布が入れば十分、軽量で防水が良いという話から、X-Pac Liteskin(軽量で耐摩耗性に優れた防水生地)でお願いをすることにした。
AGHARTAとしても過去にトップチューブバッグは手がけたことがあるということで、防水のジッパーや中に仕込むパッドなど備えておいた方が良い箇所もいくつか提案いただいた。予算なども確認し、そのままメールで注文させてもらった。
細かいオーダーにも対応
ウェブの方には”1ヶ月ほどで完成”とあるが、今回は2週間強で完成の連絡をいただいた。さっそく商品を引き取りに行かせてもらい、作ってくれたご本人から使い方などを説明してもらった。
実を言えば今回せっかくのオーダーということで、少しマニアックなお願いもしていた。取り付けるのが金属製の丸いパイプになるので、そこを少し覆うような形で取り付くようにお願いをしていたのだ。完成品を見ると自転車と本体を留めるバンド以外に、細めのバンドが先に縫い付けられており、そのバンドを強めに締めることでバッグをフレームの形状に沿わすようになっていた。細かいディテールへのこだわりにもアイデアで応えてくれて、大変満足。
オーダー製品の魅力を味わうことができた
サイズに関しても、わざわざ私の携帯サイズにモックを用意して、実際に出し入れが可能かを試してくれていたそうで、自転車に取り付けても乗ったまま出し入れができる丁度良いサイズ感に収まっていた。既製品を購入するのと違い、自分が強くイメージしていた製品が、ある日目の前に現れる。そんな素敵な体験ができるオーダーメイド商品に大変強く感動を覚えた。
過去に彼が手がけた作品も、彼自身のインスタグラムアカウントで覗くことができる。ミニマルなのに遊び心の効いた手作りバッグをぜひチェックしてみていただきたい。
AGHARTA(アガルタ)
ウェブサイト:「AGHARTA バッグ」で検索
インスタグラム:https://www.instagram.com/87e28/