キャンプで映える「木」の器とは?
グルメサイクリングガイドという職業柄、キャンプで最も重視しているのは食事であり、器やカトラリーだ。今回はアウトドア専用ではないものの、私がサイクリングツアーやファミリーキャンプの際に使っている「富山の器」を紹介しよう。
富山市八尾にある高台から細道を少し下った場所にある工房「shimoo design」。ここに住む下尾和彦さん、さおりさん夫妻は、二人で一つの作品を生み出すデザインユニットである。
shimoo designの器との出会いは、富山の某フレンチレストラン。リニューアル直後だったそのお店は「富山のもので埋め尽くしたい」という新しいコンセプトのもと、一般的な洋食器は使用せず、店内には富山で活躍する作家の器のみに統一されていた。その中で一際目に付いた「木」の器に、私は瞬時に心を奪われてしまったのだ。
私が以前から知っている「木」の器は、スベスベしていて光沢があり、そのせいか見た目も触った感じも木目が感じ取りにくいものばかり。しかし、目の前に置かれた器は「木」を存分に感じ取れるほど木目が脈々と浮かび上がり、更には何十年も外に放置されたような「朽ちた木」の姿が表現されていたのだ。
「浮様」とは?
これはshimoo design独自の技術である「浮様」が施されていて、新しく削り出された広葉樹の器に木目を浮かび上がらせる「浮造り」を施したあと、着色→研ぎ出し→色の塗り重ねを繰り返し、最後にコーティングとしてガラス塗料を塗ったものである。
器にある傷は、後からわざと彫刻して味を出しているそう。「浮様リム皿280 銀の鎹」には、割れ部分に鎹(かすがい)が打ってあり、アクセントになって更にかっこいい。もともと古材感を表現しているため、あとから多少傷が付いても気にならならず味になっていくのも◎。
下尾さん自身がお寺からいただいてきたという、太陽と雨風にさらされた木の板からインスピレーションを受け、グレイッシュでシャビーシックなものを造りたいと考えたのが制作のきっかけだそうだ。
余計な説明不用の”ひたすらにカッコイイ”shimoo designの器には、スタンダードのグレイッシュな器の他に、グレイッシュブラックのような黒色の器もあり、渋好みにはたまらないアイテムではないだろうか。
私のお気に入りの皿。料理を映えさせ、単体で飾ってあっても絵になる「浮様リム皿240」。黒い皿は、ほかにもたくさんあるが、木目まで同時に堪能できる品はなかなか無い。男心を刺激する一皿だ。
「浮様歪[ibitsu]」の内側は手彫り感があり、手彫りマニアの私にはたまらない一品。発売して即買いしてしまったほどだ。浮様は、どの器も着色&ガラス塗料がぬってあるため、水分が内部に入っていかずしっかりと弾く。
美しく愛らしいサンタ
こちらは「とんがりサンタ」shimoo designの人気商品のひとつ。スマートで手彫り感満載の心くすぐられるサンタは、すべてが一点もので某有名芸能人も所有するほど。クリスマスが終わると、来年のサンタを彫るという作業が待っている。月30本しか制作できないサンタは今年も即完売の可能性が高い。要チェックだ!
カッコイイギアでまとめたいキャンパーや、カップルキャンプの雰囲気作りに一役買うこと間違いなし。ぜひ、あなたも「圧倒的なカッコ良さ」に、直にふれてみて欲しい。
shimoo design
〒939-2367
住所:富山県富山市八尾町松原251-5
TEL:076-455-3191
https://www.shimoo-design.com/
撮影:徳光典子
調理デザイン:田中真紀子 instagram:@gbpmmy
キャンプ道具:島田敏彦 facebook:Toshihiko Shimada