――2009年のフジロック以来、5年ぶりに出演するBasement Jaxx。今回はDJセットだけでなく、22人のスタッフを迎えたバンドセットのライブを披露する予定だ。海外のフェスにも数多く参加している彼らが見るフジロックは「ハッピーなイメージ」なんだそう。
フィリックス 海外より日本のフェスのほうがピースフルな雰囲気だね。日本人の特性だと思うけれど、思いやりやアーティストに対する敬意も感じる。初めてでも参加しやすいフェスなんじゃないかな。
サイモン フジロックは子どもを連れて行きたいフェスだね。ぼくは7才の娘がいるんだけど、危ない人もいないし、フレンドリーな雰囲気が漂っているから、子どもも絶対楽しめそう。キッズランドもあるみたいだし、親子で参加するのにもピッタリなフェスだよね。
――ライブハウスとは違って、フェスならではの楽しみ方ってありますか?
フィリックス 日常から一歩外に出て、普段とは違う環境に身を置く。その切り替えにすごく意味があると思います。外で過ごす時間は、心を浄化してくれるしね。フェスは、その環境で好きな音楽が聞けるんだから、最高だよ!
サイモン そうだね。日常と違う環境に出てみるっていうのは、自分の知らない部分に触れることでもあると思うんだ。未知なる自分に出会えるいい機会だよね。知らない人といっしょに踊ったり、雨宿りしたりさ。そういう人と人との繋がりが生まれるのもフェスならでは。
フィリックス 公園の隣に住んでいるっていうのもあるけれど、毎日必ず30分間、自然のなかに行く時間を作っているんだよね。精神統一するためにも、その時間はとっても大切なんだ。
――ダンスミュージックというと、夜の室内のイメージが強かったですが、意外とアウトドアなことも好きなんですね。
フィリックス 僕はいつも自由時間があれば、自然のなかに身を置くようにしてるよ。田舎で育ったからかもしれないけど、すごく落ち着くんだ。地べたの上に座るだけだって気持ちいいし、気持ちがほぐれるよね。
――そういう点からも「Back 2 The Wild」という曲ができたんですか?
フィリックス ハイテンションなパーティーチューンのこの曲は、韓国人シンガーのミス・エマ・リーとベイビー・チャイをボーカルに迎えています。とにかく開放的になれる曲。自然に帰るっていうのは、自分をさらけ出すことだと思うんだ。社会が必要っていうものは、実は人間にはいらないんものが多い気がしてる。身ひとつで外に出る。そして、踊ったり笑ったりする。人間に必要なことってそういうことだよね。
サイモン どうせフェス会場では濡れて壊れちゃうんだから、携帯電話もゲーム機も置いて、身ひとつで来ちゃいなよ。それが自然に帰るってことだよね。そんなライブを見せられたらいいな。
――最後にフジロックへの意気込みを教えて下さい!
フィリックス ぼくらは今回、バンドセットでとにかく”躍らせるライブ”をする予定。日本人のバレエダンサーが踊ったりね。ロックバンドなんだけれど、ダンスDJだってある。ダンサーが出てくるところなて、舞台のようだよ。体も心も動かして、全身で感動してもらえたらいいですね。
(プロフィール)
フィーリックス・バトンとサイモン・ラトクリフによるダンス系プロダクション・ユニット。2004年のフジロックではホワイトステージのトリを飾り、2009年には最終日のクロージングアクトとして出演。2014年の出演で3回目となる。http://www.basementjaxx.com/
(アルバム)
2014年8月20日に最新アルバム「JUNTO」をリリース。陽気でアッパーな曲が詰まった魅力的な1枚に仕上がっている。