1億4960万㎞先の光で料理!
ソーラークッカーを作ろう
所要時間 約15分
「ソーラークッカーは太陽光を熱に変える調理器具。簡易なものは家庭にあるもので作れます」
そう話すのはソーラークッカーに携わって25年の西川豊子さん。1年のうちで150日(!)ほどは、太陽光で作った料理を食べているという。
「火を使わないソーラークッカーは、別の作業をしているうちに調理ができるすぐれもの。パネルが大きなものなら、ご飯だって炊けるんですよ」
まずは簡単に作れるクッカーで挑戦して、と教えてくれたのは段ボール製クッカーの作り方。
製作時間はわずか15分。作ったばかりのクッカーにサケの切り身を置き、1時間後にホイルを開くと、そこには蒸しあがったおいしそうなサケが!
「活動を無理なく続けられたのは、ソーラークッカーで作る料理がおいしかったから。みなさんもぜひ試してください!」
左から
ご飯も炊ける!
ソーラークッカー かるぴか
大型凹面鏡が太陽光を一点に集中。晴天時の火力はガスコンロの弱火程度。2合の米を約30分で炊ける。
問い合わせ先 工房あまね 0267(51)5430
簡単に作れる!
段ボールクッカー
段ボールと接着剤、アルミホイルだけで作れる簡易なクッカー。焦点がアバウトなぶん、調節に手間がかからず置きっぱなしで調理ができる。
軽くて高効率!
ソーラークッカー ひまわり
6枚の紙製パネルを展開、固定するだけで集光するクッカー。ゆで卵やプリンなどを作れる。
問い合わせ先 住環境工房 http://www.jyukankyo.com/
発泡スチロールで蓄熱
西川式ソーラークッカー
発泡スチロールの箱を蓄熱箱にし、アルミホイルで集光。晴天時には1時間程度で80度Cを超え2時間程度でチーズケーキやふかしイモなどが作れる。
煮込みで活躍!
サンオーブン
4つのパネルで集光して断熱された蓄熱箱を加温。付属する鍋に食材を入れると晴天時には150度C以上で加温できる。煮込み料理向き。
材料
本体の材料は70×70㎝の段ボール、木工用接着剤、アルミホイルだけ。このほかに蓄熱用の片面が黒いアルミホイルと耐熱性の高いOPP袋、集光部に食材を置くためのスペーサー、ガラスの密閉ボトル、茶筒、耐熱容器などがあれば調理ができる。紺色の袋は完成したクッカーの収納袋。
便宜上1枚の段ボールを使う図面だが、小さい段ボールを切り貼りして作ってもよい。赤線を切り青線を谷折りに。(単位㎝)
作り方
STEP1
のりを塗る
水で2倍に薄めた木工用接着剤を段ボールに塗る。一度に全体に塗らず、ホイルの幅のぶんだけ塗っていく。
STEP2
アルミホイルを貼る
段ボールの端とアルミホイルの端をそろえてシワが入らないように貼り合わせる。2人でやると失敗しづらい。
STEP3
折り目をつける
3つのパネルの継ぎ目に折り癖をつける。机の角などを使って、アルミホイルを貼った側へと谷折りにする。
STEP4
丸みをつける
いちばん上側にくるパネルに丸みをつける。ホイルの芯を使って巻き込むと自然なカーブをつけられる。
STEP5
各部を固定
上部のパネルと、下部の谷折りにした集光パネルの端を重ね、錐で穴を開ける。針金か紐を通して固定。
完成!
クッカーの焦点は中央部のやや上方。使用時は鍋敷きなどをスペーサーにして食材を置く。
太陽の光を受ける
クッカーは太陽に正対させる。「クッカーを離れる場合は太陽の動きを予測して設置します。1時間かけて調理する場合は30分後に太陽に正対する角度で設置すると効率が高まります」
食材を焼いてみよう
所要時間 約60分
食材は黒いアルミホイルで包み、さらに外側を保温用のOPP袋で包む。
集光部のスペーサーの上に食材を置けば夏場は1時間ほどで火が通る。
西川豊子さん
日本ソーラークッキング協会事務局長。1994年からソーラークッカーの普及に努める。神奈川県茅ヶ崎市で定期的に講習会も実施する。
※2020年11月23日(月)に千葉県我孫子市手賀沼親木広場にて「第6回 ソーラークッカー全国大会」が開催!
詳細は日本ソーラークッキング協会 0467(51)4536へ。
(BE-PAL 2020年8月号より)