季節を問わずに海辺を楽しむアクティビティとして、ビーチコーミングがオススメです。
ビーチコーミングとは海岸に打ちあがった漂着物を採取し、観察して楽しむこと。特別な道具は必要ありません。子供だけでなく大人も夢中になる遊びです。家族で気軽にはじめることができます。
海岸には様々な物が打ちあがります。貝殻や流木、シーグラス、外国から来た漂着物などが発見できます。
ビーチコーミングにおすすめの時期や時間帯
最もオススメの時期は台風が来る秋です。台風のあおりで海が荒れ、落ち着いた後には海岸にたくさんの漂着物が集まります。
貝殻を狙うならば冬~春がオススメです。海中の気温が下がるので、環境の変化に対応できなかった貝が打ちあがります。傷が少ない、状態の良い貝殻がみつかります。
時間帯としては早朝がオススメです。ライバルが少ないので、いいものを発見できる確率がアップします。
干潮の時間帯に出かければ、砂浜が広くなり、探す場所も広がります。中でも大潮の前後の数日間はオススメです。
漂着物ごとのみつけやすい場所や条件
二枚貝やウニの殻
二枚貝は主に砂浜に生息しているので、砂浜でよく見つかります。ウニは岩浜にも生息していますが、砕けていない綺麗なものは砂浜でみつかります。
巻貝やタカラガイ
貝殻の中でも人気の高いタカラガイ。大昔は通貨として使われていたそうです。漢字の「貝」の由来にもなっています。タカラガイや巻貝は岩棚(棚のように平らに張り出している岩場)や石の下に生息しているものが多いので、岩浜で少しだけ砂浜があるような場所で良くみつかります。
木の実や流木、人工物等
木の実や人工物、流木などは台風の後、海岸に大量に打ち上げられます。
流木は浜が埋まってしまうほど打ちあがることもあります。長い間波にもまれて、人間の手では出せない味があるものを発見することが出来ます。
シーグラス
シーグラスは砂浜でも岩浜でも見つけることができますが、角がとれて丸くなったものは、砂利の浜で良く見つかります。
持っていくと便利な道具
波打ち際を歩き、場合によっては水の中に入るので、夏場はサンダル、冬場は長靴がオススメです。採取した漂着物を入れるのにバケツやビニール袋が必要です。写真中央のハードケースは、壊れやすい貝殻を入れるのに便利です。網は海面に浮かぶ漂着物や、海中に沈んだ貝殻の採取に役立ちます。個人的にですが、ビーチコーミングには必ずのこぎりを持参します。自分一人では運べないような流木の一部をカットし、持ち帰るのに役立つからです。のこぎりを持ち運びの際、使用の際は十分注意してくださいね。
どんな場所で漂着物が見つかるのか?
タカラガイを狙って岩浜に出かけてみました。岩と岩の間には貝がたまっている「貝だまり」があります。
岩浜では砕けた貝殻も多いですが、根気よく探せば状態の良い貝殻を見つけることができます。
注意して下を見ながら、浜を何度か往復します。不思議なことに、初めに見た時には気に入ったものがなくても、同じ場所を歩いているうちに、いい物に出会うことがあります。「貝だまり」を掘って観察してみるのもオススメです。
砂浜にも出かけてみました。
岩浜と違い、砂浜には漂着物が帯状になっている場所があります。帯には、同じくらいの重さと大きさの漂着物が固まっています。
流木は河口付近で良く発見できます。上流から流れてきたものがたまるからです。
拾ってきた漂着物を綺麗にする
採取してきたものは砂まみれなので、流水で良く流します。流木は裂けめに砂が溜まっているので、流水で流しながらブラシでこすります。
ウニの殻やタカラガイ、巻貝は内側に大量の砂が入っているので、念入りに水で流します。ヤドカリが入っていることもあるので注意してください。
洗い終わったら天日で1日程、良く乾燥させてください。乾燥後、貝殻を手の中で良く転がしてください。流水では流しきれなかった砂がサラサラと出てきます。
注意点
ビーチコーミングの最中に中身が入ったままのゴミを発見することがあります。化学薬品などの有害なものである可能性もあるので、中身を開けないようにしてください。
死んだ生物を触るのも危険です。エイやゴンズイなどの毒魚やクラゲは、死んでいても毒針の効果はなくなっていません!
クジラやイルカ、ウミガメなどの海洋生物の死骸が打ち上げられることもあります。細菌の宝庫なので、不用意に触らないでください。
国立公園、国定公園では漂着物の採取が禁止されているのでご注意ください。
さいごに
ビーチコーミングは自然を身近に感じることができるアクティビティです。漂着物を観察することで、海の生き物の暮らしを知り、そこに流れ着いた経緯についてのイマジネーションを広げることができます。
持ち帰ったものは棚に飾ったり、クラフトの材料にもなりますよ。ぜひ自分だけの宝物を見つけにでかけてくださいね!