天然の流木は、人の手が加わった木材とは違い、ひとつとして同じものがありません。曲がりくねっていたり、穴が開いていたりと、一つ一つに味わいがあります。天然の流木の味わいをそのまま生かした、額縁の作り方をご紹介したいと思います。
流木はどこで拾える?
流木は海岸で拾えます。大雨で川が増水した後は、上流から流木が流れつくので、河口付近でよく発見できます。台風が去ったあと、海岸に大量に打ち上げられることもあります。
また、ダムや湖でも拾えます。その場合は水位が下がっているダムや湖がねらい目です。水位が下がっていれば、普段は底の部分に溜まっていた流木を拾えます。
国定公園や国立公園内では流木を拾うことが禁止されています。拾う場所にはご注意くださいね。
必要な道具と材料
材料
・額縁(フレームが木製のもの)
・流木(額縁のフチを覆うことができる量)
・ブライワックス
・ビス(極細)
今回のDIYでは、額縁のフレームがプラスチック製のものは使用できません。フレームに穴を開けて流木を固定するので、しっかりした木製の額縁を用意してください。ビスが目立つと、見栄えが悪くなります。ビスは頭が小さく、細いものを用意してください。
ブライワックスとは天然の蜜蝋(みつろう)と着色剤を混合したワックスです。凹凸や傷のある古材に塗りこめば、その味わいが際立ちます。流木の着色にピッタリです!着色するだけでなく、木材の表面を保護し劣化を防ぐ役割があります。ブライワックスが無くてもDIYはできますが、使用すれば木材の見た目が圧倒的によくなりますよ。
道具
・のこぎり
・棒やすり
・電動ドリル
・使用するビスよりも、直径が小さいドリルビット
作り方
拾ってきた流木の下処理
拾ってきた流木はDIYの材料として使うまえに、下処理が必要です。
流木の裂け目には砂や泥が入り込んでいます。流水で流しながら、ブラシでこすって砂や泥を取りのぞいてください。
流木によっては表面が腐食しており、手で触るだけでボロボロと崩れてしまうものもあります。そういった流木は、やすりがけが必要になります。流水で流しながら、粗めの棒やすりで表面をこすって、腐食部分を取りのぞきます。
水分を含んだ流木は、天日で1日以上干して、よく乾燥させてください。
流木を並べて配置を決める
下処理が終わり、天日でよく乾かした流木を、フレームの上に並べて配置を決めます。
曲がりくねっている流木や、表面がデコボコな、味のある流木を選んでください。既製品にはない、天然の味を生かした額縁に仕上がります。多少フレームからはみ出してしまっても問題ありません。感性のおもむくままに並べてください。
流木にブライワックスを塗りこむ
流木の配置が決まったら、次はブライワックスを流木に塗りこみます。
ウエスを手のひら大にカットして、ブライワックスをつけ、表面に塗りこんでください。
ブライワックスを塗りこむ前の流木です。木目がぼんやりしています。
ブライワックスを塗りこめば、凹凸がある部分にワックスが溜まり、流木の深みが増します。木目がきれいに出ているのがわかりますか?
ワックスを塗りおえたら、新しいウエスで全体を良くこすり、余分なワックスを拭きとってください。すると、光沢が出て滑らかな仕上がりになります。塗れば塗るほど色味が増すので、お好みで2度塗りしてもかまいません。
流木を額縁に固定する
ワックスを塗りおえたら、ふたたび、フレームの上に流木を配置します。フレームと流木が接している部分にビスを打ちこみます。
ビスを直接打ちこんだ場合、フレームや流木が割れてしまうことがあります。ビスで固定する前に、使用するビスよりも直径が小さいドリルで穴を開けてください。その後、慎重にビスを打ち込んでください。
ビスが見えてしまうと、見栄えが悪くなります。できる限りフレームの裏側からビスで固定してください。
額縁と流木が接している場所を狙って、ビスで固定します。ひとつの流木を固定するのに2か所以上はビスを打ち込むように心がけましょう。
流木とフレームの間には、どうしてもすき間ができてしまうことがあります。
すき間が広い場合は、適当な材をはさみます。材をはさむことによって、ビスで固定できるようになります。
材をのこぎりでカットし、すき間に入るサイズに調整します。
すき間に入れた材と流木をビスで固定したあとに、流木とフレームをビスで固定します。流木から、はさんだ材がはみ出ると、見栄えが悪くなります。フレームを表にして、確認しながら作業してくださいね。
流木と流木が重なり合っている部分も、補強のためにビスで固定してください。
できあがり
完成です!天然の流木の味を生かした、個性的な額縁ができあがりました!フレームと流木は2カ所以上ビスで固定してあります。隣り合う流木もビスで固定してあるので、ぐらつきがなく、全体がしっかりと固定されています。
おわりに
天然の流木は一つ一つ形が違います。できあがった額縁は、世界にひとつとして同じものはありません!存在感があるので、お部屋のアクセントになりますよ。個性的な流木を集めて、皆様もぜひチャレンジしてくださいね。