日産のハイブリッド技術「e-POWER」を搭載した初のSUVが登場。乗り心地と使い勝手を試してきました!
モーターだけで走るから、軽快! 経済的!
ジャストサイズの新SUVは小さくても力持ち
日産/キックス X ツートーンインテリアエディション ¥2,609,000
高:日産のSUVといえばアウトドア派に人気の『エクストレイル』がありますが、この夏新たに登場した『キックス』はひと回り以上小さいですね。
櫻:うん。『エクストレイル』よりも全長が40㎝短く、全高は13㎝も低い。
高:それなのに、乗ってみると窮屈さを感じないのが不思議だな〜。
櫻:座り心地の快適さは保ちつつも、前後のシートを薄く設計するなどした結果、コンパクトSUVとしてはクラストップの室内空間を実現しているんだ。
高:大人が4人乗っても窮屈さを感じないでしょうね。
櫻:ラゲッジも奥行きが長いので、家族3人でのキャンプは問題ないレベル。
高:ところで試乗する前から気になっていたのが、搭載された「e-POWER」というシステムです。電気で走るという意味だそうですが、走行中はフツーにエンジン音が聞こえますよ。
櫻:まず知ってほしいのは、『キックス』には小排気量のエンジンが搭載されていて、それで発電した電気を使ってモーターを回し、走っているということ。
高:要するにハイブリッド車なんですよね?
櫻:そうなんだけど、「e-POWER」はエンジンを発電用のみに使っているのが特徴。同じシステムをいち早く搭載したコンパクトカー『ノート』よりもモーターが力強くなっている。走行中、充電が足りないとクルマが判断したときにはエンジンがかかるけど、極力作動させない味付けだ。
高:エンジン音がすることはあるものの、滑らかで力強い電気自動車のメリットを味わえるということ?
櫻:そうそう。しかもアクセルペダルを戻すだけでたちまち減速する走行モードが付いていて、渋滞のノロノロ走行やカーブの多い山道で、アクセルとブレーキペダルの踏み替え回数を減らすこともできるんだ。
高:へ〜。慣れれば快適に走れそうですね。
櫻:ドライブで子供が酔う主な原因は、ドライバーの雑なペダル操作にあるんだけど、ワンペダルで走れる領域の多い『キックス』なら、そういう心配はかなりなくなる。運転が苦手な人にもおすすめのクルマです。
高:小さいから軽快に走れるし、経済的。フィールドで見かける機会が増えそう!
見た目は"ミニ・エクストレイル"
『エクストレイル』を小さくしたような、たくましいスタイリング。最低地上高は170㎜とまずまず。駆動方式は今のところ2WDのみ(前輪駆動)の設定。4WDの登場にも期待!
ラゲッジは奥行きをしっかり確保!
ラゲッジの奥行きは90㎝を確保。オプションで、床にぴったりフィットする防水トレイが用意されている。
深さを優先した結果、6:4分割可倒式の後席をたたむと床に段差ができる。
大人4人が快適に座れる!
シートは骨盤をしっかりと支え、疲れにくい設計。
後席は3人掛けだが、大人なら2人掛けがちょうどいい広さ。頭上と足元の空間を広くとっている。
操作系や表示をすっきりとまとめたコクピット。見晴らしの良さはSUVならでは!
エンジンで発電してモーターで走る!
エンジンだけでなく、モーターや制御機器がぎっしり。
電気の残量が減っても減速時や停車時にエンジンがかかることは少なく、とても快適。
SPECIFICATIONS
【ボディー寸法】
全長 4,290㎜
全幅 1,760㎜
全高 1,610㎜(ルーフレール含む)
最低地上高 170㎜
最小回転半径 5.1m
ホイールベース 2,620㎜
トレッド 前1,520㎜/後1,535㎜
車両重量 1,350kg
乗車定員 5名
【エンジン・燃料】
形式 直列3気筒DOHC+モーター
排気量 1,198cc
モーター最高出力
95kW(129PS)/4,000~8,992rpm
モーター最大トルク
260N・m/500~3,008rpm
燃料タンク容量 41ℓ
燃料種類 無鉛レギュラーガソリン
燃費(WLTCモード) 21.6㎞/ℓ
【トランスミッション】 電気式無段変速機
問い合わせ先 日産自動車 0120-315-232 https://www.nissan.co.jp/
モーターだけで100㎞近く走る!
外部充電できる「ハイブリッドRAV4」
SUVの電動化が目立つ中、トヨタ『RAV4』にも外部充電できる「PHV(プラグインハイブリッド)」が登場。モーターだけで最大95㎞走り、満タン・満充電時の最長航続距離は1,3
00㎞以上(共にカタログ値)。ガソリン車と同じ感覚で操作でき、大容量バッテリーが搭載されてもラゲッジは広いまま。快適に、経済的に遠出が楽しめる。¥4,263,637~
問い合わせ先 トヨタ 0800-700-7700
※構成/櫻井 香 撮影/小倉雄一郎(キックス)、見城 了(RAV4)
(BE-PAL 2020年10月号より)