第一回日本サウナ祭りで出会った「走るサウナ室」
ついに日本初となるサウナカーが公開された!!
なんて聞いても、たいていの人は「なんだよ、サウナカーって?」ってなもんでしょう。
ま、簡単に説明するとサウナの載った車です。トレーラー式、自走式と種類はあっても、ようするにどこにでも移動可能なサウナ室のことですよ。
サウナの本場・フィンランドでは、そんなサウナーを自作した人の集まる祭があるくらいでしてね。と、こんな説明を聞いてもまだ、
「あっ、そ」
なんつう反応の薄い人もいるだろう。しかし! そんなフィンランドでサウナといえば、体を暖めた後、冷たい湖の水に浸かり、そして森林から吹きつける風を体に浴びながら、肉体と自然を一体化させる極めてナチュラルな体験。
そんな本場さながらのナチュラルサウナが、このサウナカーの登場によって日本でも可能になるってことなんですよ! なにしろ湖畔に海辺に、このサウナカーがやってくれば、そこが大自然サウナになっちゃうんだから。
と、ここまで説明すれば、賢明な『ビーパル』読者ならば、「なになに?」と興味を持ってくれるはずだ。
ということで前書きが長くなった! これが日本初のサウナカーだ!!
キャンピングカーの王者・エアストリームを彷彿とさせるラウンドなフォルム。
そこから突き出た煙突が醸しだす朴訥な表情。
ルックスだけでグッとくるものがあるこのサウナカー、その名も…。
『サウナトースター』だ!
人件費抜きで制作費で約500万円(!)を費やしたといわれるこのサウナトースターが公開されたのは、さる2016年3月7日に長野県小海町のフィンランドビレッジで行われた『第1回サウナ祭り』において!
サウナ祭りとは、冒頭で書いた“サウナとは自然と一体化するナチュラルな体験”ということを広く知らしめるために、サウナ業界関係者とサウナマニア、いわゆるサウナーの有志が協力して行われた一大イベント。
ってことは“ナチュラルな体験”と体験という言葉が入っているように、このサウナトースターも単なる公開だけではなく、当然のように体験できたワケだ!
ってことでその内部はこちらじゃあああ!
自然と一体化するエクスタシーを味わえ!!
パイン材の内壁。そして薪で炊くストーブ。内部もまた自然派なのだ!
三畳ほどの室内は、狭い分、その熱気も壮絶!
ストーブ上のサウナストーンにヒシャクから水を掛けるロウリュを施せば、
「ジュチョオオオオオォ~!」
という心震えるような音とともに、蒸気が一気に充満、そして体を包み込み、天にも昇るような灼熱天国がやってくる。
そしてこれが重要なんだが、サウナ祭りのおこなわれたフィンランドビレッジという施設が鎮座するのは、3月といえどいまだ氷結している湖畔!!
体をサウナトースターで暖めに暖めまくった後は、その氷結した湖に流れ込む冷えた小川にさらすのがナチュラルサウナっていうヤツなのだ!
一瞬にして引き締まる身体!
しかし、この冷水で体を締めることによって、逆に体温の放熱は止まり、水から上がった後に風に当たっていると、その風の冷気と体内の熱が拮抗するかのように、体がポカポカになってくる!
その時の「人間って熱を生みながら生きてるんだなァ~」ということが如実にわかる不思議な体感!
そして圧倒的な自然との一体感! 一言でいおう。それはもう快感に近い!
自然の生む快感。ナチュラルエクスタシーだ! サウナトースターがあれば、ついに日本でもそんなナチュラルエクスタシーをどこでも味わえるようになったのだ!
サウナトースターの内部でなにが!?
その快感にイキそうになりながら、さっきまで入っていたサウナトースターをふと見ると、なにやら窓越しに内部を覗き、撮影している人々。
そこでもまた日本初となるエクスタシーな行為が行なわれていた!!
その話は『第一回日本サウナ祭りレポート2』で!!
(つづく)
●この記事は2016年3月7日に行なわれた『第一回日本サウナ祭り』の取材記事です。
構成・文/カーツさとう