市販のスモーカーを使って、さまざまな食材をスモークしてみましたよー。天にも昇る極上レシピから激変地獄味食材まで、取材班が体を張って実験した結果をご報告しま~す。
温燻
燻製器内の温度を約30~80度Cに保ち、数十分〜数時間燻す方法。
熱燻
燻製器内の温度を約80~120度Cに保ち、数十分~数時間燻す方法。
外ごはんスタイリスト 風森美絵さん
プライベートで作っていた外ごはんが評判になり、フードスタイリストに。元調理師ならではの知識と経験を活かし、簡単かつ美味しいレシピを提供。
焚き火とキャンプをこよなく愛する風森美絵さん。「今までにはないスモーク料理を!」というリクエストに応え、目からウロコのレシピを提案してくれた。「スモークに適しているのは水分の少ないもの。とくに温燻は水分があると煙をまといづらくなるので、燻製前に乾かしておくことが大切です」
とはいえ、今回は燻製ラボ。実験的に、水分そのものともいえる、溶き卵を燻製してみると、これが想像以上のおいしさ!「深みが増して、ワンランクアップしてる!」と、ラボチームの面々も大絶賛だった。
また、生の肉などの燻製はハードルが高そうと思っていたが、意外に手軽なことも知った。「ポット型など、蓋で密閉できるタイプのスモーカーなら、ステーキ肉なども短時間で熱燻しつつ蒸し焼きできるんです」
調味料も燻しておくと、いつでもスモーク風料理が楽しめる。スモークをするときは、ついでにアレコレと実験を。意外な発見があって楽しいですよ~。
実験1
食材をスモークし、薫り高い一品料理を作ろう!
食材をスモークしたあと、少しだけ手を加えてメイン料理にアレンジ。ちょっとした工夫で、新しい味の世界が広がりますよ~。
温燻✕溶き卵
朝から贅沢!スモーキーTKG
溶き卵を40~50分燻し、熱々ごはんにかけるだけ。左ページで紹介する燻製しょう油をかければ、うまさ倍増。
温燻✕辛子明太子
薫香が口中に広がる 明太子パスタ
辛子明太子は温燻で40~50分燻し、皮と卵に分ける。卵にバターを適量加えて混ぜ、パスタとあえる。細かく切った皮、海苔、青ネギを散らして完成。皮に薫香がうつり、大人味に!
熱燻✕冷凍シーフードミックス
魚介の旨味が炸裂!絶品アヒージョ
冷凍シーフードを解凍して水気を切り、約20分熱燻。オリーブオイルを加えて火にかける。パンと食べれば、いうことなし!
熱燻✕サラダチキン
おつまみにもぴったり!簡単スモークチキンサラダ
キッチンペーパーでチキンの水気を取り、ウイスキーオークのチップで20分ほど熱燻するだけ。深い味わいに変身!
実験2
調味料をスモークすると風味がアップ?
スモークした調味料を使えば、簡単に燻製風料理ができる。30分ほど温燻するだけなので、ついでに作っておくと何かと重宝する。
サクラのスモークウッドで温燻。ほっておくだけなので失敗知らず。しょう油や白ゴマは、早めに使い切ろう。
ニンニクチップス
オリーブオイルと相性抜群。魚介のペペロンチーノやアヒージョに。砕いてサラダに使うのもいい。
粗びきコショウ
肉類などの後がけが断然オススメ。ピリッとした刺激とともに燻製の香りが広がり味わい深くなる。
白ごま
アクセントとして使うと美味しい。お浸しなど燻製しょう油とともに。温泉卵などにかるのも◎。
塩
カツオのたたきやステーキ肉など、塩で食べる食材に使うと確実にワンランクアップした風味に!
しょう油
白身魚の刺身や豆腐、軽く湯がいた肉類とも相性がよい。しょう油の風味が活きる料理に使おう。
実験3
下味をつけて燻製すると、うまさ倍増♥
たれに漬け込んだり、スパイスで味付けをしたり、スモーク前に下味をつけると、より美味しく仕上がる!
味付き半熟ゆで卵
半熟ゆで卵をめんつゆ(3倍濃縮)にひと晩漬けこむ。卵の水気を拭き、温燻で約30分燻す。間違いない美味しさ。
ステーキ肉
肉にハーブソルトを多めにまぶして30分ほど置き、水気を拭き取る。ヒッコリーのチップで20分ほど熱燻。香ばしい蒸し焼き状のステーキは柔らかくて美味。
実験4
市販の加工食品は燻しでグレードアップする!?
ご飯のおともからおやつまで、とりあえず燻製してみた! 失敗作も多かったが、なかには驚くほど美味しく味変するものも!
紅茶の葉で熱燻
美味しかったのは、紅茶の葉で熱燻したカントリーマアム(クッキー)、ドライフルーツ類。温燻したツナ缶、チーズたら、おやつカルパス(サラミ)も美味。シュウマイや羊羹もオススメだ。NGなのはラムネ菓子、酢こんぶ、梅干し、カットよっちゃん。納豆は微妙だったが、燻製しょう油と合わせると意外とイケた。
温燻
上から時計回りにシュウマイ、干し芋、ツナ缶、柿の種、チーズたら、甘栗、羊羹、さきイカ
温燻
上から時計回りに酢こんぶ、ラムネ菓子、納豆、梅干し、おやつカルパス、カットよっちゃん
※構成/松村由美子 撮影/富貴塚悠太
(BE-PAL 2020年10月号より)