キャンプで寝るとき、焚き火はどうするか?
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    2020.11.16

    キャンプで寝るとき、焚き火はどうするか?

    私が書きました!
    自然派ライター/セルフビルダー
    和田義弥
    1973年生まれ。旅、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで活躍するフリーライター。これまで延べ3年3カ月かけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com

    庭のモミジが赤く色づき始めた。カツラの葉はキャラメルのような甘い香りをほのかに漂わせて黄葉する。冬至に向かってどんどん日が沈む時間が早くなり、11月に入ると夕方5時過ぎにはもう闇が迫って、野外活動ができなくなった。

    キャンプも今年はもうおしまい。冬は家で薪ストーブ焚いて暖かく過ごすことにしているのだ。10月に古い友人と那珂川でアユを突いて、焚き火で焼いて食べたのが、今年最後のキャンプになった。

    初夏はその同じ川をカヤックで下ってキャンピングしたし、夏は佐渡島の海岸にテント張って数日過ごした。オートバイでキャンプツーリングにも行った。本当は四国か北海道の川にも行こうと思っていて、春先に新しいファルトボートを手に入れたのだけれど、突然のコロナ騒ぎでそれはできなかった。それでも9年前にカントリーライフ始めて、庭で自由に焚き火できるようになってから、今年はまずまず遊びに出かけたほうだ。

    寝るときに、片付けをしないとどうなるか?

    野山や河原でテント張って、焚き火して、シンプルに過ごすキャンプは楽しい。もう30年近くそうやって遊んでいる。でも、キャンプしていて毎回ひとつだけ億劫に感じることがある。寝るときの後片付けだ。それをどうするか、というのが今回の主題だ。

    一人で山歩いたり、自転車でキャンプツーリングしたり、そういうときのキャンプで後片付けが億劫になることはない。荷物が少ないので散らかりようがないし、クッキングもワンバーナーで済むようなものなので、簡単に片付けられるからだ。クッキングギアもランタンもフライシートの前室にまとめて入れるだけなので1分もかからない。ファミリーキャンプでは多少荷物が増えるけれど、それでも片付けが億劫になるほどではない。

    やっかいなのは、旧知の友人らとキャンプしたときだ。なぜなら、楽しくてちょっとお酒を飲み過ぎてしまう。クッキングもはりきってお皿がたくさん並んじゃう。焚き火も盛大だ。10月の那珂川のキャンプがそうだった。ハンターをやってる友人がシシ鍋を仕込んできて、魚突きのうまいやつが人数分のアユをその場で仕留め、山暮らししている木こりは、ピックアップトラックの荷台に薪を満載にしてやってきた。我々以外誰もいない河原なので、多少騒いでも大丈夫。薪を燃やし、シシ鍋をグツグツさせて、大いに盛り上がったのだが、みんな五十路を目の前にしたオッサンで、普段は早寝早起きの田園生活者だから、お腹がいっぱいになると眠くなるのも早い。焚き火にはどんどん薪をくべちゃって、シシ鍋も食べきれていないのに、まぶたが重くなってきて、後片付けなんてもうどうでもよくなってしまう。

    でも、そういうわけにはいかない。テーブルの上の皿や余った食材をそのままにすると、翌朝どうなるか。カラス、トンビ、アナグマ、タヌキ、ハクビシン、などなど、野山やキャンプ場にはいつもお腹を空かせた野生動物がいる。

    山が迫るキャンプ場。夜になると野生動物が活動を始める。

    私たちが、焚き火してビール飲んでいる間、やつらは森の中で賑やかなパーティーが終わるのを静かに待っている。地域によってはサルやクマも出る。野犬もいる。キャンプの後片付けを怠って、そんな野生動物に人間の食べ物の味を教えてしまえば、双方にとってよくないことになる。だから寝るときに最後の力を振り絞って後片付けを完璧にやるんだ。

    食材やクッキングギアは車の中へ

    あまった食材はすべて車の中。鍋や食器は油汚れをボロ布でふき取ってから水でサッと流してやはり車の中。ゴミもそう。本当のことをいえば、ゴミなんかひとつも出したくないのだけれど、ビールの缶などなにかしらどうしても出てしまう。キャンピングテーブルはタオルでさっとひと吹きする。チェアは夜露で濡れないようにタープの下に入れるか、たたんで車の中に放り込む。

    ほろ酔いでもこういうことがサッとできるように、車のラゲッジスペースは焚き火が始まる前に整理しておくこと。車がない場合は、できるだけテントの前室にまとめる。食材はクーラーボックスなどに入れて臭いが外に漏れないようにしておこう。

    焚き火は自然消化が理想だが……

    焚き火は終わりを考えて、すべて燃え尽きるように薪をくべるのが理想だが、なかなかそうもいかない。でも、熾火になってしまえば、そのままにしておいても夜の間に自然消化する。ただし、風が吹く心配がなく、周りに燃えるものがなく、テントから十分離れていること。

    人間が火を使い始めてから、焚き火の終わりはずっとそう。生活に火を使っている人は水をかけて強制的に消したりはしないのだ。

    でも、混雑したキャンプ場じゃそういうわけにはいかない。あまり美しくはないけれど水をかけるか、ふたができる金属のペール缶などに入れて酸欠にするかなどして、完全に消化したほうが安心できる。

    寝るときに焚き火を早く終わらせたいときは薪を立ててやる。熾火になったら、薪を寄せて熱を集中させてやると燃え尽きるのも早い。逆に薪を広げておけば熱が冷めやすく、薪は形を保ったまま黒くなって燃え残る。焚き火は燃え尽きてからも灰はしばらく熱を持っている。朝まで火種が残っていることもある。

    実は、それが理想なんだ。なぜなら、翌朝、サッと火を付けられるから。朝、小さな火種に乾いた枯葉や小枝を載せ、息を吹きかけて火を起こすのは楽しい。それからコーヒーをいれてみんながテントから這い出して来るまで静かな一人の焚き火を楽しむのだ。

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