海・山・川と、三拍子そろった豊かな自然を体験できる高知県。昨年11月、高知家エクストリームトラベル社が主催し、好評を博した「狩りガール」ツアーの第二弾、「目指せ狩りガール! 大自然のなかで野生動物を知り、食す。」に参加。集まったのは市内在住の狩りガール予備軍や地元の男性など10名ほど。1泊2日の日程で行なわれた。
1日目の最初は高知の狩猟や野生動物について、地元猟師・杉本民雄さんの講義を受講。
高知県ではイノシシやシカなどの野生鳥獣による農林業への被害が年々深刻化。被害額は年間約3億円!! なかでもシカによる被害は大きい。高知県ではかつて、シカは一部にしか生息していなかったが、昭和のはじめごろから乱獲され激減した。そのため、昭和51年から10年間、狩猟を禁止して手厚く保護した結果、生息数は次第に増え、平成10年の生息数の推計は1万2,400頭だったのが、平成25年には7万4,000頭まで爆発的に増加した。このままでは、10万頭を超えるのも時間の問題だと思われた。そのため、高知県では年間3万頭を目標にした駆除事業を行なっている。
講師の杉本さんはいう。
「今の狩猟には、趣味やスポーツを目的としたものと、農林業への被害をなくすための駆除を目的に行なうものとがあるんです。昔はうり坊を捕まえたら、肉も少ないし、かわいいし、“大きくなって帰ってらっしゃい”と、逃がしていたけど、被害軽減のための駆除では、小さいものも獲らなければならないんです」
全国的にイノシシやシカが激増している状況のいま、駆除目的で捕らえた野生動物も商品として食用に有効活用できるよう、食肉処理施設の整備等も進んでいる。
そんななかで注目を集めているのが、みなさんもご存知の狩りガールたちだ。ジビエのおいしさを知り、ファンが増えれば、イノシシ肉やシカ肉の消費が高まる。さらに、女性も男性同様に狩猟に参加し、狩猟について理解を進めることで、行き詰った日本の狩猟の現場が変わるのではないか―――。狩りガールに対する期待は大きいのだ。
座学のあとは、捕獲したシカの止め刺しと解体を見学!