キャンパーなら一度は「干し肉」という言葉に憧れたこともあるのでは?マンガやアニメの登場人物が干し肉をかじる姿に、「食べてみたいなぁ」と思われた方も多いのではないでしょうか。
そんな「干し肉」、ご家庭でも意外と簡単に作れるのです。
今回は、保存性はさほど高くありませんが、手軽に作れる「鶏肉の一夜干し」の作り方を、生タイプ・加熱タイプの2種類ご紹介します!
材料
- 鶏胸肉
- ささみ
今回は鶏胸肉とささみを使います。干し肉は脂が少ない肉が適しています。干し肉は脂が多いと白っぽく固まってしまい、美味しくなりません。
牛肉などで作る場合は、もも肉など脂身の少ない部位を選ぶといいですよ。
天候・場所
- よく晴れて空気が乾燥した日
- 気温20度以下
- 直射日光が当たらない風通しの良い場所
天候は秋の終わりから冬場の、空気がよく乾燥している日を選びましょう。
空気が湿っていたり、気温が高かったりすると肉が腐敗する場合があります。
場所選びも重要です。ベランダでも十分作れますが、直射日光が当たる場所は肉の温度が上がってしまうため、腐敗する可能性があります。直射日光が当たる場合は日陰を作るなどの対策をしてください。
前日準備
肉の下ごしらえをします。
ささみの中央付近に包丁で切れ目を入れ、白い筋を除きます。
両面にしっかりと塩、胡椒をふります。
今回は塩抜きをしないレシピなので、表面が真っ白になるほどを塩をまぶす必要はありませんが、塩には余分な水分を除き、殺菌する効果があります。写真を参考に、必ず多めに塩を使ってください。
鶏胸肉も同様に塩・胡椒をふります。
今回は塩をまぶした後、ハーブとカレー粉をまぶしたものも作りました。料理の幅が広がります。
肉をラップに包み、ジップロックに入れて、一晩寝かせます。
作り方
今回は加熱して食べることを前提とした「生タイプ」と、先に加熱するため乾燥後はそのまま食べられる「加熱タイプ」の2種類を作ります。お好みの方で作ってみてください。
干し方
野菜や果物を干すネットや、カゴなどを使って肉を干していきます。
風通しのいいものならなんでもいいですが、肉を干していると、どこからともなくハエが寄ってくる場合が多いです。全体を覆えるものをおすすめします。
肉をさわる時は腐敗を防ぐため、ビニール手袋を使うなど衛生面に気をつけてくださいね。
生タイプ
生タイプは、ネットの中にキッチンペーパーなどを敷き、下ごしらえをした肉をそのまま干します。
ときどき上下を返しながら5〜6時間ほど干します。今回は10時〜16時の6時間干しました。
肉が乾き、生ハムのような質感になったら完成です。
生タイプはこのまま食べるのは避け、必ず加熱して食べてくださいね。
加熱タイプ
加熱タイプは干す前に110度Cのオーブンで1時間焼きます。
焼き上がった肉を5〜6時間乾燥させたら、完成です。先に加熱してあるタイプはこのまま食べられますよ。
活用レシピ
今回作った干し肉は生タイプ・加熱タイプともに水分が残った状態のため、あまり保存性が高くありません。塩の量や水分の量にもよりますが、作った後は3〜4日以内に食べ切ることをおすすめします。
ですが干した後の肉には旨味が凝縮し、生肉にはない美味しさがあります!
生タイプは魚の一夜干しと同様にさっと炙ってマヨネーズと七味をふったり、煮物の具材としても美味しく食べられます。加熱タイプはそのままかじっても美味しいですし、チャーハンやスープの具としても使えますよ。
ほかにも美味しい使い方がまだまだあります。活用レシピをご紹介します。
炊き込みごはん
生タイプ・加熱タイプどちらも使えますが、今回は生タイプで作りました。
ご飯を炊く時に、小さく切った鶏肉の一夜干し・にんじん・しいたけ・油揚げ、醤油と酒を一緒に入れるだけ。
ぱさつきがちな鶏胸肉ですが、旨味が閉じ込められてジューシーに仕上がります。
竜田揚げ
生タイプの表面に片栗粉をつけ、油でさっと揚げます。肉にしっかり味がついているため、味つけはいりません。
カレーやハーブなどをまぶしたタイプにもよく合います。
秋晴れの日に干し肉作りを楽しもう
からっとした秋晴れの日は、干し肉作りに最適です。安い鶏胸肉も、旨味がぎゅっと濃縮されてとても美味しくなりますよ。
必要な道具も少なく、手軽に作れるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。