夫婦二人、日本一周旅をするために選んだ愛車
人気YouTuber『winpy-jijii』さんの愛車を拝見した。winpy-jijiiさんは、2018年にホンダ/N-BOXを購入。車中泊仕様に改造している最中に、商用車仕様の新型N-VANが発売された。
「バン仕様が出るんちゃうかなと思いつつも、乗り心地の良いワゴンを買うたんです。そしたら、出たじゃないですか。しかも数か月後に。車中泊するには、あきらかにバンのほうが使いやすくて、室内も広い。シートの乗り心地や、スライドドアが自動じゃないなど、家族からは反対されましたが、なんとか説得して、N-VANを注文したんです」
新車で購入したN-BOXをわずか1年ちょっとでN-VANに乗り換えた。winpy-jijiiさんは、納車までの2か月の間に、ネットを駆使して室内を車中泊仕様にカスタムするためのアイデアを構築したという。
フロアをベッドにすると同時に、床下を収納庫にする
「最初は、ホームセンターで買えるイレクターパイプやコンパネを使ってベッドを自作しようかと思ったんですわ。でも調べるうちに、市販のキットを買うた方が安くて、取り外しも簡単ていうことがわかったんです。そこで、調べて調べて『MGRカスタム/フルベッド』というキットに決めました」
このキットは、N-VAN専用に作られたフロア上にセットしてベッドスペースを確保するための車中泊キット。スチール製のアームを床面にセットし、その上にボードを置くだけで、フルフラットのベッドスペースが作り出せる。同時に、床下には大容量の収納スペースが確保でき、しかも、必要に応じてフロアの高さを調整することもできる。
「説明書を見ながら1時間半ぐらいでできたんちゃいますか。上に乗った時に重量がかかっても、自動車の部品が壊れないようなクッションが入っていたり、見えないところまでよく考えられています。自分で作ったら2~3日かかるところを数時間でセットできる。だから朝から取り付けて、午後からキャンプに行くなんてこともできるんです」
床下には、大型バッテリーやキャンプチェアなどを常備。すぐにキャンプに出かけられるのはもちろん、災害時に避難する際の備蓄庫としての役割も果たしている。
車内外でいろいろ使える可変式テーブルも自作
「N-VANの内装には、壁にネジ穴がたくさんあいてるんです。そのネジ穴を利用して、『矢崎/イレクター』のジョイントやパイプで、アームや台座を作ったんですわ。テーブルは、そのアームを利用して、荷物を積むための台にしたり、一人で車中泊するときの室内テーブルにしたり、リアバンパーのうしろにセットすればキャンプーブルとしても使えるように工夫してます」
使わなくなったタープのポールを再利用
屋外で使うときには、テーブルの片側に脚を取り付ける。その脚も自作したもの。使わなくなった古いタープ用のポールの下に、マイクスタンドの台座を取り付け、安定させている。一見すると市販品にしか見えないこんな小物に、winpy-jijiiさんのこだわりを感じる。
winpy-jijiiさんの愛車はアイデアの宝庫だ
その他、車内を見れば見るほど、市販品か自作かの違いが判別できない工夫があるはあるは。そんなアイデアの一部を写真で紹介する。
「冬場の車中泊では室内が寒いやないですか。コタツがあったら温まるやろうなと思って、バッテリーを探したんです。そんで、ネットで評判が良かった『Jackery』を使ってみたんです。これが調子よくて、今じゃ3個も積んでいきますよ。車内で湯を沸かすにも、炊飯器で米を炊いたり、外で調理するのもオール電化にしたんですわ。真冬になったらコタツや電気毛布も使います。このバッテリーは大容量なんで、2泊程度のキャンプは余裕です」
まずは、近場のキャンプや旅行から
2020年1月に納車されたN-VAN。短期間で車中泊仕様に改造し、春からは、奥様と二人で日本一周の車中泊旅に出る予定だったという。
「新型コロナの影響で、日本一周は先になっちゃったけど、カブを積んでしまなみ海道に行ったり、身近な旅からやってみたいですね」
軽自動車をベースにした車中泊仕様車。低予算でも、自分の手を動かすことで、スタイリッシュかつ使いやすくカスタムできることを知った。winpy-jijiiさんのあくなき探求心と実行力は、まだまだパワーアップしていくに違いない。
取材協力/マイアミ浜オートキャンプ場 http://maiami.info/
構成/山本修二