月額定額制で月に何度でも利用できる、サブスクリプション型のキャンプスペースが注目を集めている。その誕生の背景や運営方法などを聞いてみました。
CSD2.0発起人
河西 誠さん
外資系アパレル企業を退職し、理想のキャンプ場作りを開始。『利益よりコミュニティーの成熟』がモットー。
音楽や動画ではサブスクリプションは主流だが、なぜキャンプ場?その背景を日本のさきがけとなった『CSD2.0』の河西誠さんに聞いた。
「土地を借りて開拓していく過程で、理想のキャンプ場とは?をツイッターで投げかけたら、100件以上のコメントをもらいました。隣のサイトがうるさい、トイレが汚い、イン&アウトが早い……。誰もが抱える問題を解決する方法として思い至ったのが、会員制でした。僕は自分のキャンプ場を作りたかっただけなので、ベーシックインカムがキープできればOK。また、メンバーに何度でも来てもらえればいいと、サブスクリプション制にしたんです」
メンバーはフェイスブックでつながっていて、利用日や時間、備品や消耗品などの在庫状況もオンライン上で共有している。
「ルールではなく、共通の価値観や配慮を基準に運営しています。メンバー全員が管理人。キャンプ場というより、ちょっとした村みたいな感じかな(笑)」
2020年夏、CSD2.0のようなサブスクキャンプ場が各地に誕生。メンバー同士や地域の人たちとの交流が楽しめる場所としても注目されている。
2019年5月OPEN
サブスク型の草わけ
CSD2.0(山梨県道志村)
2018年9月に1,000坪の土地を開拓しはじめ、翌年5月に運営を開始。本登録会員は150組で、60組待ちの状態。多拠点化を目指していて、茨木県笠間エリアにも拠点を作っている。ソロ:3,000円、ファミリー:4,000円。
https://csd20.site/
メンバーで荒れ地を開拓したりもしている。みんなの遊び場、全員が管理人という感覚で利用。
2020年6月OPEN
地域の魅力も発信!
WOODs LAND Mio(三重県津市)
三重大学の教員だった織田 拓さんが、地域創生の場として発案。フリーサイトから山の上のサイトまで、サイト環境は多彩。地域文化発信のイベントも開催。定員50組は埋まっている。ソロ:3,000円、ファミリー:4,000円。
https://www.tsukanko.jp/reserve/1298/
2020年9月OPEN
アート体験ができるみんなの遊び場
FREE ART FIELD(新潟県燕市)
アート製作や防災体験ができる場を作りたいと、ソーラー発電などを利用し、オフグリッドで運営中。サイトは森の中で広さは380坪ほど。通年利用できるよう、海の見える場所にも拠点を作る予定。ソロ:3,000円、ファミリー:4,000円。
http://free-art-field.com
2020年8月START
既存キャンプ場グループ型
南信州キャンプセッション(長野県)
ローカルの立場からキャンプ文化を発信したいと、伊那谷・木曽谷エリアを中心に8つのキャンプ場が連携。会員制平日サブスクサービス"CAMP LIFER"を開始(1stシーズン募集終了)。
平日ソロキャンで月額4,500円。リモートワークの利用者も多かったそう。次回の募集は、2021年 4月〜6月を予定している。
https://www.nagano-camp.life/
※構成/松村由美子 キャンプ場の料金はすべて税込みです。
(BE-PAL 2020年12月号より)