鹿角でキーホルダーを作ってみよう
鹿といえば立派な角のイメージですよね。あの角、年に1度生え変わるってご存知でしたか?
秋の繁殖期になると、雄鹿は雌をめぐり、他の雄と角で激しく争います。そして繁殖期が終わった春先、役目を終えた角は鹿の頭からぽろりと落ちてしまいます。そして春から夏にかけ、また新しい角がにょきにょき生えてくるのです。
今回はそんな鹿の落とし物、「落ち角」を使って簡単なキーホルダーを作ってみたいと思います。
鹿は泳ぎが達者なことから、鹿にまつわる物には「水難よけ」のご利益があるとされています。カヤックなど海や川のアクティビティが好きな方へのプレゼントにもいいかもしれませんね。
材料・道具
- 鹿の角
- 革紐(40cm程度)
- キーホルダー用のリング
- のこぎり
- ミニルーターセット(ない場合はドリルとやすり)
- クランプ
鹿の角は春先、エゾシカやニホンジカが生息している山中を歩いていると、落ちていることがあります。工作用にも販売されています。
ミニルーターセットは、小さなペンタイプの電動ドリルのような工具です。いわゆる「歯医者さんの道具」としておなじみの工具で、先のアタッチメントに小さなドリルやヤスリをセットして使います。お持ちでない場合は、棒ヤスリや耐水ペーパーなどのヤスリを使ってください。
今回使った鹿角
今回は知床の土産物屋で購入した鹿角を使いました。野生のエゾシカの落ち角と思われます。
よく見ると角の先にちょっと削れている部分があります。
これは野生のエゾリスやノネズミがかじった跡。伸びすぎた前歯を削るためや、カルシウム補給のためにかじるようです。味もどうやら美味しいようで、犬におもちゃとしてあげても喜びます。あげる前には、きれいに洗ってあげてくださいね。
作り方
1.角をクランプで固定し、キーホルダーにする角の先端をノコギリで切り落とします。角はしっかり固定し、怪我に注意しながら作業するようにしてください。
鹿角の内部はスカスカのスポンジ状になっています。今回は先端でキーホルダーを作るので関係ありませんが、釣り針などの細工物を作りたいときは要注意。
2.ドリルで革紐を通すための穴を開けます。角は滑らないよう固定し、怪我に注意して作業してください。
硬さは木と同程度。すぐに穴が開きますが、においが酷いので穴を開けるときは窓を開けておくのをおすすめします。髪の毛を燃やしたときのような、タンパク質を燃やしたとき独特の嫌なにおいがします。
3.ルーターまたはヤスリを使って全体を磨きます。
ルーターがあると素早く細かな場所まで仕上げられますが、棒ヤスリや耐水ペーパーでも十分きれいに磨けます。
4.全体がツルツルになったら、完成です。
5.革紐で角とキーホルダー用のリングを繋ぎます。
革紐の先端を角に開けた穴へ通し、固結びをします。
6.革紐をひねり、輪を作ります。
今回はリングを「もやい結び」でつなぎます。もやい結びはロープの先端に輪を作るロープワークで、汎用性の高さや強度の高さから「キング・オブ・ノット」とも称される結び方です。
7.革紐の先端にリングを通します。
8.工程6で作った輪に革紐の先端を通します。
9.紐の端を一度角の裏側から前へ回し、もう一度工程6で作った輪に入れます。
ギュッと紐を引き絞り、形を整えたら完成です。
鹿角細工は意外と簡単!挑戦してみよう!
難しそうに見えて、意外と簡単な鹿角細工。難易度は木工とさほど変わらないので、お子さんと一緒の工作にもおすすめです。
もし鹿角が手に入るチャンスがあったら、試してみてくださいね。