「炊きたてごはん」も「アレンジごはん」も一つでOK!
自然に囲まれたフィールドで味わう、ほかほかのごはんは格別ですよね。でも、一人の一食分をいちいち炊くのはちょっと面倒……。手軽な麺料理やパンメニューを選ぶ、という声も。
「そんな人にこそ試してほしいのが、シェラカップでの炊飯です。ソロサイズなら一人の一食分に最適ですよ」というのは、料理家の蓮池陽子さんです。日頃から、キャンプや登山に親しむ蓮池さんは、この10月に出版された、シェラカップ一つでつくれるレシピブック『簡単 シェラカップレシピ』(山と渓谷社)の著者でもあります。
「ソロサイズは、容量およそ300mlです。これは、90g(1/2合)のお米を炊飯するのにぴったり。挑戦した方から『焦げついちゃう』『べちゃっとする』などというお悩みも聞きますが、コツさえおさえればおいしく炊けますよ」
というわけでここからは、ソロサイズのシェラカップ一つでほかほかごはんが堪能できる「基本の炊飯」をご紹介します!
「基本の炊飯」をマスターしよう
シンプルに白いごはんを炊くために、用意するのはこちら。
【用意するもの】
・シェラカップ
・加熱する道具や環境
・ふた(もしくは同じ径のシェラカップ)
・お箸などカトラリー
・ジッパー付きビニール袋 ※お米の持ち歩き用。家庭で炊く場合は不要です
・お米 90g(1/2合)
・水 適量
炊飯する前に、コツが2つあるそうです。
コツ(1)お米を浸水させておく
炊く1時間ほど前に、お米を浸水させておきます。これにより、ふっくらとした炊き上がりになると、蓮池さん。
「少々手間に感じるかもしれませんが、この行程は忘れずに。たとえば登山なら、昼食の1時間前を予め逆算しておきましょう。バックパックをおろしてリフレッシュついでに、お米を入れてきたジッパー付きビニール袋に、お米がひたひたになるぐらいの水を注ぎます。炊飯するときは、水ごとシェラカップへ入れて、そのまま炊けばOKです」
コツ(2)お米はそのまま持ち歩く
それならフィールドへ行くときは、自宅で研いでいけばいいのでは? と思ったのは、私だけではないはず!
「お米は、研いだ状態でフィールドへ持って行くと、傷む原因になります。だから、ぬかのついたまま持ち運びましょう。ただ、今どきのお米は研がなくてもきれい。どうしてもぬかの風味が気になるなら、無洗米を活用するのも手ですね」
レシピ|基本の炊飯
「状況にもよりますが、7分ほどで炊きあがります。目を離さないように、お世話しながら炊いてくださいね。ちなみに標高の高い場所では沸点が低いので、お米に芯が残る場合も。そういう場合は、汁気や具を加えて雑炊のように仕上げて食べるのもいいでしょう」
【炊き方】
(1)水は、お米の高さの倍を入れる。半合で、目盛り付きなら200ccまで。なければ上から1/3か、人差し指の爪が隠れるぐらい。
(2)沸騰してきたら、箸などでぐるぐると米をかき混ぜながら炊いていく。全体を満遍なく、シェラカップの中を滞留させるイメージ。
3.粘り気が出てきたら、箸などで底のほうに水分を送る。水気がある程度なくなったら、ふたをして、10分蒸らしたら炊きあがり。
お手軽な即席ごはんのお供でもっと広がる
ほかほかの炊きたてごはんは、そのままでも十分おいしい! ですが、キャンプや登山などでは、ごはんのお供やおかずに、コンビニなどで買っていったお惣菜を選ぶという人も少なくないのでは? もちろんそれも、手軽でいいですよね。でも、蓮池さんのおすすめは「定番の調味料を好きなだけ合わせる、即席ごはんのお供」です。
「味噌やオリーブオイル、黒こしょうなど、アウトドア料理でよく使う調味料を、好きな量で混ぜ合わせるだけ。組み合わせ次第で、意外なおいしさが発見されて、おいしくて楽しいですよ」
蓮池さんのレシピブックでは「味噌+オリーブオイル」など、身近な調味料を活用したお供が紹介されています。中でも、ライター・ニイミの一押しは「梅干し+黒こしょう」! これ、意外や意外、食がすすみます(あと、お酒のつまみにもいい!)。
さて、ここまでは、シェラカップレシピの中でも基本の「炊きたてごはん」の炊飯方法についてお届けしました。次回は、炊飯をマスターしたらトライしたい「アレンジごはん」のおすすめレシピをご紹介します。
写真=山本 智