「針・糸いらずの布用接着剤」がコンセプトのすぐれもの
キャンプを好む人のなかには、何かを作るのが好きな方や、自分だけのものが欲しいという方、もしくは「こんなものがあったらいいな」というアイディアを持っている方も大勢いることでしょう。
そういった方におすすめしたい画期的な製品があります。木工用ボンドでおなじみのコニシ株式会社が販売している、「ボンド 裁ほう上手」です。
ひとことでいうと布用の接着剤なのですが、接着力が凄まじく、糸で縫合することなくオリジナルの作品が作れてしまうというすぐれもの。
どれくらいの接着力があるかというと、接着したところを引きはがそうとすると、先に布自体が裂けてしまうくらい強力です。
今回は裁ほう上手と100均で手に入る素材を使用し、3つのキャンプグッズを作ってみます。
メキシカンドビーを使用したメスティンケース
メキシカンドビーは民族衣装などに使われていそうな、綺麗な模様が描かれている織物です。
模様は何種類も用意されており、この生地を使用するだけで非常に個性的なオリジナルキャンプグッズを作ることができます。
まずはこのメキシカンドビーをメインの素材とし、カラーひも・コードストッパーの合計3商品を使用してメスティンケースを作ります。
最初に縦35cm×横34cmの型紙を作り、型紙どおりに生地をカット。ただの長方形なので、型紙を作らずにそのまま生地をカットしても問題ありません。
生地をカットし終わったら、早くも裁ほう上手の出番です。まずはメスティンケースの横の部分に塗っていきます。
接着する場所と順番を間違えないように注意しながら、付属のヘラで塗り広げていきます。
裁ほう上手を塗る場所をマスキングテープで囲んでおくと、はみ出す心配がなく、綺麗に仕上がります。
まんべんなく裁ほう上手を塗ったら、布どうしを貼りあわせてアイロンで圧着。ここがほかの接着剤とちがうところです。
アイロンを利用することで接着力がより強くなり、そしてまるで瞬間接着剤のように素早く固まってくれます。
アイロンを使用しなくても接着は可能ですが、熱が加わることで強い負荷にも耐えられるようになるのが裁ほう上手の最大の特徴です。
続いて、メスティンケースの底の部分が長方形になるようにフチを接着します。
裏返して内側と外側を逆転させると、長方形の底ができています。
あとはメスティンケースの口の部分にカラーひもを通すためのループを作り、カラーひもを通してコードストッパーを取りつければ完成です。
メスティンがちょうどおさまるサイズのケースができあがりました。メスティンで炊飯をするとき、保温するための道具としても役立つはずです。
帆布生地を素材にしたダイソーメスティンのインナーケース
次はダイソーメスティンのインナーケースを、帆布生地と綾テープの2つで作ります。
型紙はインナーケースの底と壁の2つが必要です。底の型紙はダイソーメスティンを工作用紙にあて、フチをペンでなぞると簡単に作れます。
そして型紙どおりに生地をカットします。
続いて、底のパーツと壁のパーツのフチに裁ほう上手を塗り広げて接着。強い負荷がかかるような使い方はしないので、接着の幅は5mmほどで大丈夫です。
カーブの部分は壁のパーツを折ったりせず、底のパーツのカーブに沿って少しずつ接着していきます。
壁のパーツが1周したら、接着面を1cmほど残して余っている部分をカット。そして壁のパーツの端どうしを接着します。
ここまでできたら、接着した場所すべてをアイロンで圧着。
裏表をひっくり返し、上部のフチに綾テープを接着。綾テープは幅2cmのものを使用しているので、表側と裏側に1cmずつ見えるように接着しました。これで完成です。
この作り方ではダイソーメスティンそのものを利用して型紙を作ったので、非常に簡単かつ短時間でできあがりました。
トランギアのメスティンでも同様の作り方でOKです。
デニム生地で作るペグケース
最後はデニム生地とバネ口金を使用して、ペグケースを作ります。バネ口金とは、両サイドから押すとパカっと口をひらくパーツのことです。
ファスナーやボタンよりも、簡単に中身を取り出すことができます。
ここでは型紙を作らず、生地をそのままカットしました。生地から切り出したのは、幅13cm×長さ38cmの帯状のパーツが2枚。
これはスノーピークの「ソリッドステーク 30cm」が収納できるように計算したサイズです。
ペグケースの内側を縫っているように作りたいので、デニム生地の表側のフチに裁ほう上手を塗布。
このときに一番上まで塗布・接着してしまうとバネ口金を入れることができなくなるので、上から5cmは塗らずにおきます。
2枚のパーツを接着したら表と裏をひっくり返し、サイドのまだくっついていない部分を接着。
続いて上部を折り返して、バネ口金を入れるためのループを作ります。
ループの片側からバネ口金を挿入し、飛び出てきた反対側の金具にピンを圧入。ピンはハンマーで軽く叩くだけで圧入できます。
ここまでできたら完成です。ダイソーメスティンのインナーケースと同様に、とても簡単に作れます。
誰でも手軽にキャンプグッズを作ることができる便利アイテム
布用接着剤の裁ほう上手で作れるキャンプグッズというと、やはりケース類やカバー類がメインとなるでしょう。
今回製作した3つのほか、ランタンケース・カトラリーケース・ナイフケース・焚き火台ケースなど、さまざまなものが裁ほう上手と100均の商品だけでできてしまいます。そしてひとつあたりのコストは、ほんの数百円です。
切って、塗って、貼るの3ステップで理想的なキャンプグッズを作ることができる裁ほう上手は、新たな趣味を切りひらくのにうってつけのアイテム。
冬は寒くてキャンプにいけないというキャンパーの方が、家にいながらもキャンプ気分を味わうためのツールとしてもおすすめです。