絶景トレイルを歩いた3日間をレポート!
鳥取、兵庫、京都にまたがる山陰海岸国立公園を貫くように延びる日本屈指の海岸線トレイル、山陰海岸ジオパークトレイル。230km全線開通を記念して、その魅力に迫るフォーラム&ハイクイベントが11月に開催された。フォーラムで歩き旅の素晴らしさを再認識し、絶景トレイルを歩いた3日間をレポート!
山陰海岸ジオパークトレイル総延長230kmの全線開通を記念して、3日間にわたるフォーラム&ハイクイベントが11月下旬に開催された。初日11月21日は、鳥取県立博物館にて山陰海岸ジオパークトレイルの魅力を再認識するフォーラムを開催。
全行程を訪れたアウトドアライター森山伸也さんと本誌編集長沢木拓也が見所を紹介すれば、ヤンニ・オルソンさんが母国スウェーデンのトレッキング事情を絡めて歩き旅の魅力を語った。
大トリは、シェルパ斉藤さん。写真を交えて国内外のロングトレイルを紹介すると、会場のムードは最高潮に! 早く歩きたい!
DAY 1 山陰海岸ジオパークトレイル全線開通記念フォーラム
DAY2 絶景ハイク in兵庫 約11.1km(コース17)しおかぜ香苑~今子浦~柴山駅
2日目、いよいよフィールドへ飛び出し絶景ハイキングへ。兵庫県香美町しおかぜ香苑から約11km先の柴山駅をめざす。奇岩が乱立する岸から漁村を通り、岬を乗り越す森歩きへ。シカやイノシシの足跡が森の豊かさを教えてくれた。村と村をつなぐかつての生活の道は、釣り人とハイカーによって育まれていた。
「ゴツゴツした岩からふくよかな森まで。厳しさと優しさがあるトレイルですね。北欧にはないです。気持ちいい」ヤンニさんはそういうと潮風を美味しそうに吸い込んだ。
DAY3 絶景ハイク in兵庫 約11.5km(コース8・9・10)東浜駅~大羽尾~田後港~城原海岸~網代港
絶景ハイク2日目は、鳥取県岩美町が舞台。朝から冷たい雨の中、東浜駅に集合。「トレイルは天候、季節、メンバーによって違う顔を見せてくれます。だから僕は今日非常に楽しみにしています」朝の挨拶でシェルパ斉藤さんがみんなの背中を押した。その言葉どおり、うつむき加減に歩く参加者をトレイルは足元から楽しませてくれた。
東浜の木道、浦富(うらどめ)海水浴場の白浜、漁村のマンホール、城原海岸の玉砂利、鴨ヶ磯のビーチグラス、網代埼(あじろさき)灯台の落ち葉。晴天だったら足元の変
化に敏感になることはなかっただろう。
それにしてもこれほど足元を賑やかに飾るトレイルが日本にあるだろうか。荒れ狂う日本海の大波が、幾度となく押し寄せ、海岸侵食をまざまざと見せつけてくれた。参加者のひとりが口にした言葉が、印象的だった。
「寒風と白波が、この絶景を作り上げている。だとしたらこれこそ山陰海岸ジオパークトレイルのホントの顔じゃないですか?」
雨雲の切れ間に西日を受けて輝く鳥取砂丘が見えた。歩いた数、交わした言葉の数だけ、さまざまな顔が頭に浮かぶ。ここは日本が世界に誇れるコーストトレイルだ。
バックパッカー・作家 シェルパ斉藤さん
スウェーデンのアウトドアガール ヤン二・オルソンさん
山陰海岸ジオパークトレイルの情報はこちらから。絶景動画も見られます!
https://sanin-geo.jp/play/geotrail/