暮らしのかご・ざる・み
市川籠店
東京都・荒川区
竹かご・竹ざる製造の店として明治時代に創業した市川籠店。しかし、プラスチックや段ボールの登場で、1970年半ばには、「市川商店」と店名を変え、製造業をやめ、扱う商品も増やさざるをえなかった。
「四代目の父の代は、竹のものを売りたくても売れない、苦しい時代でした」。そう語るのは、五代目店主の市川伴武さん。
「父が病に倒れ、店内の膨大な商品を整理していたら、キラリと光るかごが残っていた。当時、素人だった私の目にも、力の入ったものだというのが伝わってきて、本気でやってみよう、と」
店を継いだ伴武・彩さん夫妻は、再び竹や自然素材のかご・ざる中心の店づくりに注力。全国の産地や作り手のもとを訪ね、交流を深めていった。
店内には所狭しと各地からの品が並んでいる。「多岐にわたる素材や作品の背景についても、お気軽にお尋ねください」と伴武さん。実物を触って、その土地ならではのかごやざるの風合いをぜひ、味わってほしい。
深さがあるので
さまざまな用途に使える
富山県の丸そうけ(小)¥2,300
竹製品ビギナーにオススメなのが深さのあるざる。野菜の水切りはもちろん、麺類などを盛るときにも重宝する。
作りが頑丈で、
ハードユースにも耐える
茨城県の三本手角籠(大・足つき)¥15,000
市川籠店に残されていた古い角籠を参考に、茨城県の職人さんに復刻してもらったもの。野菜類のストック箱にも◎。
野菜を洗うときなどにも重宝する
宮城県の目かご ¥4,000
地域に自生する篠竹を使ったかご。規則的に並ぶ六角形の目が美しい。目のサイズは小豆洗い向き。
仕上がりの美しさが
特徴のネマガリタケを使用
長野県のそばざる ¥8,000
堅くて、粘り気があるのにコシがあるネマガリタケを使用。耐久性があり丈夫。そば処、長野県戸隠で製作。
おにぎりやサンドイッチを入れてピクニック!
鹿児島県の手付弁当かご(一段・中)¥15,000
真竹を天日干し、または熱処理を施した「白竹」を使った、上品な印象のかご。キャンプ小物の収納にもよさげ。
●暮らしのかご・ざる・み 市川籠店
住所:東京都荒川区南千住2-28-8
電話:03(3801)5898
営業:木・金・土曜日の11:00~16:00
(月1回、日曜日も営業)
https://takekagoya.com/
※構成/松村由美子 撮影/田川哲也(市川籠店)
(BE-PAL 2021年1月号より)