煮炊きをしなくても、水やお湯を入れるだけで食べることができるアルファ米。軽量でかさばらないので、登山やバックパッキングを楽しむアウトドア好きの間ではおなじみの携行食です。長期保存がきくので、災害時のための備蓄としても優れています。
このアルファ米を自宅で作ることができるのは、ご存知でしょうか?手間をかけずに誰でもかんたんに作ることができます。作り方とおすすめの食べ方をご紹介いたしますね。
アルファ米とは?
アルファ米とは、古くは糒(ほしいい)と呼ばれ、戦時中に重宝された保存食です。炊いたご飯を水にさらした後、水分をしっかりと除いて乾燥させたものです。水やお湯を入れるだけで食べられる状態になります。
アルファ米の作り方
自宅にあるオーブンを使った作り方をご紹介します。
1.お米を炊く
お米に加える水を普段より少なめにして、気持ち硬めに炊飯してください。アルファ米は水やお湯を注ぐと、炊飯したときよりも柔らかめにもどります。硬めに炊飯することで、ご飯の食感を生かしたアルファ米に仕上げることができます。
2.炊き上がったご飯を水洗いする
炊き上がったご飯をざるに入れ、水洗いします。念入りに洗う必要はありません。ざっと洗いましょう。ご飯のぬめりがとれれば大丈夫です。
3.ご飯をうすく広げる
クッキングシートの上にご飯を広げてください。ご飯粒がまとまっていると、均一に乾燥しません。できるだけご飯を平らに広げましょう。
4.オーブンでご飯を乾燥させる
オーブンを100度C~110度Cの低温に設定し、100分以上加熱してご飯を乾燥させます。
ときどき、オーブンから取り出して、ご飯をほぐし、まぜ返します。オーブンから取り出す時は、やけどをしないようにご注意くださいね。
加熱時間はご飯の量によって調整が必要です。100分以上加熱してもご飯に水分が残っているならば、焦げないように様子を見ながら、加熱時間を延長してください。
5.できあがり
ご飯から水分が抜けてカリカリの状態になったら、できあがりです。水分が残っている部分があると、その部分からカビが発生してしまうので、しっかりと乾燥しているかを確認してくださいね。
粒が固まったまま乾燥したアルファ米が多いと、水やお湯でもどす時に、米の硬さにムラがでてしまいます。指でほぐして、できるだけ細かくしておきましょう。
一粒一粒がバラバラになっていれば、食べる時に、米の硬さを均一にもどすことができますよ。
秋から冬にかけての、乾燥している時期ならば、アルファ米は天日で作ることもできます。天日で作る場合は、炊き上がったご飯を水洗いした後に、ドライネットの上にご飯をなるべく平らに広げ、4~5日湿気を避けて干せばできあがりますよ。
アルファ米のもどしかた
お湯を沸騰させ、アルファ米に注いでください。アルファ米100gに対して、160mlのお湯を注ぎます。
お湯を使ってアルファ米をもどす場合、スープジャーやコジーなどの保温容器があれば、時間の短縮になります。そのまま30分以上放置すれば、柔らかくなって食べることができます。
保温容器を使わずに、お湯を使ってもどす場合は1時間以上。お水でもどす場合は5~6時間以上放置すれば、食べることができる硬さになりますよ。
アルファ米の保存方法
ビンやチャック付きポリ袋などに入れて、空気を遮断し、冷暗所で保存してくださいね。私自身は1年ほど保存したことがありますが、味や食感に大きな変化は見られませんでした。市販のアルファ米の賞味期限は5年ほどです。自分で作ったアルファ米もしっかりと保存すれば、5年ほどもつと言われています。もちろん、臭いや色などに違和感を感じたら、食べるのは避けてくださいね。
おすすめの食べ方
バックパッキングでの食事に便利な、おすすめの食べ方をご紹介します。
混ぜごはんの素を使う
炊き上がったご飯に混ぜるだけで、混ぜご飯になるレトルト食品を使います。
使い方はかんたん。もどしたアルファ米に混ぜるだけです。混ぜるだけでドライカレーや五目飯になるものが販売されているので、気分で色々な味を楽しむことができますよ。
乾物と一緒に食べる
乾物とアルファ米を一緒にもどして食べるのもおすすめです。
乾物のきざみあげとわかめの混ぜご飯が、私のお気に入りです。
アルファ米を戻す場合、アルファ米100gに対して、お湯160mlが目安ですが、乾物とアルファ米を一緒にもどす場合は、少しだけお湯の量をおおくしてくださいね。混ぜる乾物の量にもよりますが、私はアルファ米100gに対して180mlのお湯を使用します。
さいごに
軽量でかさばらないので、バックパッキングの携行食として便利なアルファ米。水やお湯でもどして食べることができるので、火を使えないような災害時の非常食としても優れています。乾物と組み合わせて、即席レシピを開発するのも楽しいですよ。ご飯を乾燥させるだけで、かんたんにできるものなので、災害時のための備蓄として、用意してみてはいかがでしょうか?