最初に押さえておきたい”自転車工具”7選
ロードバイクやクロスバイクなど、スポーツバイクを購入した際、併せて用意しておきたいのが整備用の工具だ。サドルの高さを調整したり、パンク修理やチューブ交換をするなど、初心者でも手が出しやすい作業はいくつか存在する。もちろん、整備することそのものが趣味になり、徐々に使える工具が増えていくのも自転車の楽しみ方のひとつといえる。
今回はそれらのきっかけとして、新たに自転車を購入する際に一緒に用意しておきたい工具やアイテムを7つピックアップしよう。
1.六角レンチ
まずは工具入れの中に必ず入れておきたい工具を4つピックアップしよう。「これがあれば自転車を半分以上分解することができる」といっても過言ではないのが「六角レンチ」だ。”ヘキサゴンレンチ”とも呼ばれる頭が六角形のもので、大きく分けて「携帯用のもの」「取っ手が付いているもの」「ソケットタイプのもの」などがある。
自転車用なら、L字型のもの数本が束になっているセットを買えば間違いない。3・4・5・6・8mmの合計5サイズがあれば大体の整備は賄えるが、市販されているものには、1.5・2・2.5・10mmが加わった9本タイプのものが多い。目安として、9本セットで2,000円以上のものを選びたい。安価すぎるものは6角の精度が悪く、最悪ネジを舐めてしまうケースもあるので注意が必要だ。
2.プラス / マイナスドライバー
使わないようでいて、意外と細かいところで使用頻度の高い工具が「プラス / マイナスのドライバー」だ。例えば、完成車に最初から装備されているベルや反射板などは、プラスドライバーで取り付けられていることが多い。
ドライバーに関していえば精度というよりも、ネジの形状にあったサイズを買うと良いだろう。サイズは、プラス / マイナスで3種類ずつあれば心強い。おまけで千枚通しのような先端の尖った工具がついてくることもあるが、これはこれで使い勝手がよく重宝する。
3.タイヤレバー
パンクしたチューブの修理、タイヤ交換などで使う「タイヤレバー」。特にロードバイクなどは、タイヤレバーがないとタイヤの脱着が困難な硬いものもある。各メーカーが様々な形状のものを発売しているが、できるだけ樹脂製のものを選びたい。金属製のものは、チューブやリムを傷つけ、最悪パンクさせる可能性がある。
ポイントとしては、ホイールのスポーク(ホイールを放射線状に走る金属の棒)に引っ掛けられるものを”多めに”用意しておくと良い。少ない本数で工夫するより、多い本数をたっぷり使って取り外す方が簡単にタイヤの脱着ができるからだ。また、最近はタイヤをはめる専用の工具なども登場していて、手を痛めず簡単にホイールにタイヤを装着することができる。
4.ワイヤーカッター
4番目は、少し悩んだが「ワイヤーカッター」を推したい。自転車を購入して自分で整備を覚えていく中で、比較的簡単にできるのがワイヤー交換だ。ブレーキであったり、変速機は多くの場合、金属のワイヤーで作動させている。これが、長く使っていると油切れを起こしたり、ち切れたりしてしまう。また、外側のカバー(アウターケーブル)を好きな色に変更すれば気分も変わって良い。
ワイヤーカッターは、その金属のケーブルを切ることができる専用工具だが、ワイヤーを切断するほかにも、ワイヤーのキャップをかしめることもできる。ワイヤーカッターのほかに、カッターと六角レンチさえ用意すれば、自分でワイヤー交換ができるようになるのでオススメだ。
5.メカニックグローブ
工具入れの中、もちろん外でも良いが、整備をするうえで必ず準備したいアイテムが「メカニックグローブ」だ。初心者が整備をすると、勝手がわからずハンマーで手を打ったり、力任せにネジを回したりして、尖った部分に手をぶつけることも少なくない。怪我防止のため、手のサイズにピッタリあったグローブを、工具と同時に必ず手に入れておきたい。
6.ウエス
グローブと合わせて用意したいのがこちらの「ウエス」。専用品などを用意する必要はなく、使い古したTシャツなどをカットして畳んでおけば十分だ。例えば汚れた自転車を拭きあげるとき、チェーンの油を落とすとき、グリスで汚れた手を拭くとき、外した部品を置いておくとき、などなど用途がとにかく広い。これは、たくさん用意しておいて、バンバン使っていくと良いだろう。
7.空気入れ
タイヤに空気を圧送する「空気入れ」は、様々な商品が販売されていて、どれを選んで良いか判断が難しい。携帯用と自宅用は完全に分ける方が良いが、それでも種類が多い。
確認すべきポイントは、自分の自転車のバルブ形状に合ったアタッチメントが付属していること。そして、空気圧ゲージが装備されていて、それが見やすいこと。私が使っている”Panaracer”のフロアポンプは、仏式、米式のバルブに差し込むだけで使える、便利なワンタッチアタッチメントが標準でついている。フロアに近い部分にあることが多い空気圧のゲージ(空気圧計)も、ポンプ上部の見やすい位置に備わっている。もちろん圧送される空気の量も多いので、少ないポンピングですぐに必要な圧まで到達するのも魅力だ。
工具を揃えて少しずつ自転車いじりを覚えていこう
自転車に関する工具やアイテムは、ここで紹介したもの以外にも沢山の種類が存在している。チェーンを交換したり、ホイールを組んだり、その幅はとても広い。これからスポーツバイクに乗り始める方が、自転車整備という楽しみに触れる機会として、工具の選択にも着目いただければ幸いだ。