レザークラフトを始めたいけれど、どんな道具を揃えればいいんだろう?そうお悩みではないでしょうか。
今回は初めての革手縫いをするならぜひ揃えていただきたい道具を4種類と、慣れてきたころ少しずつ買い足していただきたい道具を5種類紹介したいと思います。
初めての革手縫いならこの4つを揃えよう
まずは、まったくの初心者の方にもぜひ揃えていただきたい4つの道具を紹介します!
ひとまずこれだけの道具があれば、簡単なレザークラフトができます。
革
レザークラフトを始めるなら、まず必要なのが革です。革には大きく分けて「タンニンなめし」と「クロムなめし」の2種類のなめし方があり、それぞれ性質が異なります。
タンニンなめしはレザークラフト用として販売されているものに多いなめし方で、使い込むと独特の飴色に変色していくタイプの革です。一方、クロムなめしは市販の革製品でよく使われるなめし方で、変色しにくく、水もある程度弾いてくれるのが特徴の革です。作りたいものに合わせ、お好きな方を選んでください。
革の部位によっても強度や性質が多少異なり、牛の背中側だった部分は比較的丈夫で、腹側だった部分は柔らかく伸びやすいといわれます。筋が入っていたり、焼印があったりもするので、革の状態をよく確認してからの購入をおすすめします。
レザークラフト用品店で扱われるのは牛革が多いですが、お店によっては豚、ワニ、ダチョウ、馬(コードバン)、ウサギなどの革を扱っていることもあります。型押しなど模様が入っているものもあります。
針
レザークラフトには、布用の針ではなく革用の針を使いましょう。
布用の針は先端が鋭く尖っていますが、革用の針は先端が丸くなっています。レザークラフトは目打ちなどであらかじめ穴を開け、そこに針を通すため、革を傷つけないように先端が丸くなっています。
レザークラフトでは糸端に1本ずつ、2本の針を使って縫っていくことが多いため、針も2本以上用意しましょう。途中で針が折れる場合もあるので、多めに用意しておくと安心です。
糸
布を縫う場合は綿の糸を使うことが多いですが、レザークラフトにはロウ引きの麻糸を使います。ロウがついていない場合は、ミツロウに何度かすべらせてロウをつけてから使います。
麻糸は引っ張りに強いため、力一杯引いてもなかなか切れません。レザークラフトで綿の糸を使おうとすると、ちょっと引っ張っただけで切れてしまうことがありますが、麻なら大丈夫です。
また、麻糸は綿の糸に比べて摩擦力が強く、滑りません。強い力がかからない場合は、縫い終わりはわざわざ固結びをしなくても、返し縫いをして糸端にボンドを縫っておけばほつれてきません。
菱目打ち・目打ち
穴を開ける道具、菱目打ち。歯の間隔を揃えて、4本菱目・2本菱目・1本菱目の3種類用意しておくといいでしょう。長い直線の穴あけには4本菱目、カーブには2本菱目、単独で穴を1つ開けたい場合には1本菱目が役に立ちます。1本菱目は目打ちでも代用できます。
菱目の歯の感覚は、広ければステッチが主役のざっくりとした仕上がりに、細かければ上品な仕上がりになります。お好みで選んでください。
菱目打ちで穴を開ける時に使う、木槌とゴム板も一緒に用意しておくといいでしょう。
慣れてきたら揃えたい道具
次は革手縫いに慣れてきて、もう少し道具を揃えたくなった頃にぜひ揃えていただきたい道具を5つ紹介します。
革包丁
慣れてきた頃に揃えたい道具の筆頭が、革包丁です。レザークラフト専用の片刃の包丁で、革を切り出す時に使えます。
革を切るだけならカッターでも代用できるのですが、革を一部分だけ薄くする「革すき」をする場合は、革包丁が必須になります。2枚の革を貼り合わせる場合などでは、革すきができると段差が少なくなり綺麗な仕上がりになります。ほか、革の角を落として手触りをよくする「面取り」などにも使えます。
銀ペン
型紙を革に写すとき使う、茶色や黒など暗い色が多い革でもよく目立つ銀色の線が引けるペンです。線は後から消しゴムで消せます。
最初はボールペンなどで代用してもいいのですが、やはり線が消せないのが作品の見た目を損ねます。ぜひ買い足していただきたいアイテムです。
ロータリーポンチ
革に穴を開けるポンチです。写真に写っているもので、2mm〜4.5mmの6種類の穴が開けられます。手打ちポンチでもいいのですが、ロータリーポンチなら大きな音を出さずに綺麗な穴を開けられるので、便利です。
ベルト用などに使う穴を開けられるほか、金具を使うときにもよく使います。「ただ縫うだけ」の作品制作からワンランクアップして、金具を使った作品を作るときにぜひ購入していただきたいアイテムです。
金具類
2枚の革を束ねるカシメ、穴を補強するハトメ、ベルト金具に使われる尾錠など、レザークラフトではよく金具を使います。作りたいものに応じて少しずつ揃えるといいでしょう。
トコノールと革用ボンド
革のトコ面(裏側)やコバ(側面)が見える作品を作るとき、革の毛羽立ちをおさえて滑らかに整えてくれるトコノール。なくてもいいのですが、あると作品の仕上がりがとても綺麗になります。汚れを弾いてくれたり、水分の侵入を防いで革を長持ちさせてくれる効果もあります。トコノールをすり込むためのヘリ磨きも一緒に用意しておくといいでしょう。
一方、2枚の革を貼り合わせる時に使うのが革専用ボンド。普通ののりや木工用ボンドと異なり、レザークラフト用のボンドは数分間〜数十分間表面を乾燥させた後、貼り合わせるタイプが多いです。説明書に従って使ってください。
道具を揃えてレザークラフトを楽しもう
まずはここに挙げた道具を揃えていただければ、小物から簡単なカバンなど大型のものまで、ほとんどのレザークラフトに対応できるかと思います。ぜひ道具を揃えて、レザークラフトを楽しんでみてください。