カトマイ国立公園は、米国アラスカ州の南部にある、関東平野に匹敵する広さを持つ国立公園です。手つかずの自然が残るこの場所には、巨大な体躯のブラウンベア(ヒグマ)をはじめ、多数の野生動物が生息しています。
カトマイ国立公園を訪れるには、キングサーモンという小さな町から水上飛行機に乗り、ナクネク湖畔にあるこの地の観光拠点、ブルックス・ロッジまで飛ぶ必要があります。
ブルックス・ロッジに到着すると、まず最初に、専任のレンジャーからブラウンベアに関する注意点と対処方法について、細かいレクチャーを受けます。食べ物や匂いのするものを外で持ち歩かない、ブラウンベアに遭遇してもけっしてパニックにならず、叫んだり走って逃げたりしてはいけない、などなど。というのも、このあたりのブラウンベアは、ロッジの敷地内でもお構いなしに悠々と歩き回っているからです。日本では到底考えられない環境ですね……。
このロッジを訪れる客のほとんどは、釣り目的か、ブラウンベアの写真を撮るのが目的かのどちらかだそうです。現在までに世の中に出回っているブラウンベアの写真は、この場所で撮影されたものが非常に多いのです。
ブルックス湖とナクネク湖をつなぐブルックス川は、途中にブルックス滝という滝が一つある程度の、とても短い川です。この川の近辺では、60頭前後の野生のブラウンベアの生息が確認されています。
ブルックス川には、頑丈な柵で守られた観察用のデッキが2カ所にあり、その上からは安心してブラウンベアたちを観察することができます。デッキから間近で見たブラウンベアは、想像以上に大きな動物でした。