滑るなら必ず持っておくべき!バックカントリーのマストアイテム「三種の神器」とは?
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • スキー・スノーボード

    2021.04.06

    滑るなら必ず持っておくべき!バックカントリーのマストアイテム「三種の神器」とは?

    私が書きました!
    山岳指導員(アルパインクライミング)
    ミツル
    山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中。

    写真内の道具は全て著者の私物です。

    バックカントリーをする時には、いろいろ装備が必要になります。その中でも、活躍の機会は少ないですが、万が一の雪崩が発生した時に絶対必要となる、「雪崩対策の三種の神器」ご紹介いたします。

    雪崩対策の三種の神器とは?

    雪崩対策の三種の神器とは、「ビーコン」「プローブ(ゾンデ)」「スコップ」の3つの装備の事を言います。これらを使う機会は頻繁にはありませんが、ひとたび雪崩が発生して自分たちが巻き込まれてしまったり、周辺のパーティが巻き込まれて救出したりするときには必要です。

    ビーコン

    電源をONにするとバッテリー残が表示されるのでしっかりチェックする。

    ビーコンは、埋まってしまった自分の場所を教えたり、雪崩で雪に埋まってしまった人を探し出したりするために使います。通常、入山する際には電源をONにして「送信モード」にして行動を開始します。送信モードとは、常に自分の居場所を教える電波を出すモードです。

    スイッチはシンプルでSEND(送信モード)とSEARCH(捜索モード)のみです。

    入山したら下山して車に戻るまでは、基本的には電源を切ることはしません。例えば、泊りを伴うようなときも終始身に着けて、電源は入れっぱなしの状態にしておきます。

    ビーコンの電池の消費量はとても少なく、電池満タンの状態であれば、電源を入れっぱなしでも数週間近く持ちます。

    また、電池残量が60%を下回った場合は、電池交換をします。その理由として、万が一雪崩に遭って雪に埋まってしまい、悪天候などですぐに捜索できないような状況でも、60%以上の残量があれば数日後天候が回復してからも捜索ができるからです。

    万が一電池がなくなってしまったら、一生見つからなかったり、雪が解けてからの捜索となり、捜索費用も高額になります。万が一のときのためにも、電池残量のチェックは必ずしましょう。

    捜索モードでは埋没者の距離と方向が表示される。

    著者が使用しているMAMMUT(マムート)の「ELEMENT Barruvox」ではデジタルで埋没者の方向と距離を表示します。商品によっては、アナログで方向と距離をランプで表示するものもあります。購入する前に、そのビーコンはどのように表示されるのか、しっかり確認しておくことをオススメします。

    ビーコンの注意点

    ・防水性ではないので、ベースレイヤーの上に装着。
    ・電池の残量は、60%を下回ったら電池交換。
    ・行動を始める前に、しっかり送信ができているかチェックする。
    ・入山してから下山まで電源は絶対に切ってはいけない。

    ビーコンの選び方

    ビーコンは安いものではなく、メーカーやモデルによって、使い方や性能や使い勝手も大幅に変わります。

    ちなみに、発信するビーコンと捜索する側のビーコンのメーカーが違っても捜索に支障はありませんので、メーカーにこだわる必要はありません。比較する点としては「捜索範囲の距離」と「アンテナ数」です。捜索範囲の距離は、40m~70mくらいが主流です。当然広い距離で電波を受信できた方が、迅速な救助に繋がります。アンテナの数は「シングル」「デュアル」「トリプル」とありアンテナ数が増えるほど捜索の精度も上がり、価格もそれに比例して上がります。

    シングルアンテナですと、1万円台というのもありますし、トリプルアンテナになると、10万円近いモデルもありピンキリです。なお、送信機能についてはアンテナ数が違っても変わらず、受信の精度だけが上がります。

    プローブ(ゾンデ)

    プローブには深さを測る目盛りが付いている。

    プローブとは、簡単に言ってしまうと「単なる棒」です。しかし、この棒が捜索活動では大きな役割を果たします。ビーコンで要救者が埋まっていることがわかった場合には、プローブで刺して、埋まっている場所や、深さなどを確認します。プローブの先が要救者に当たると岩や地面とは違う弾力のある感じがして、人が埋まっているということが分かります。

    雪面にプローブを刺して埋没した人を探す。

    ビーコンで、ある程度の場所は特定できますが、やみくもに掘っても時間と体力の無駄になってしまいます。そのため、プローブで実際の場所を確認して、最短距離で掘り出す作業を行ないます。

    ちなみに、プローブは240cm~320cmくらいのものが主流となります。折り畳み式なのでそれほどかさばるものではありません。

    プローブの選び方

    プローブは、どんなものを使ってもさほど違いはありません。選ぶ基準は長さで、長さによって重量も変わってきます。雪深いエリアや新雪が多く積もる時期に行く場合、短いと捜索できない場合もあります。はじめから、ある程度長いものを選んだ方がいいでしょう。

    スコップ

    スコップは、説明するまでもなく雪を掘る道具です。バックカントリー用のスコップは、アルミ素材なので一般的なスコップより軽いです。そして携帯性をよくするために、スコップの柄が延び縮みすることも特徴です。

    また、スコップは救出で雪を掘るだけでなく、雪崩のリスクを調べる弱層テストなどでも使うので使用頻度は高いです。

    弱層テストではスコップを使って雪柱を削り出す。

    スコップの面で力をかけて雪の層の結合具合を調べる。

    スコップの選び方

    スコップは商品によって機能性や使い勝手が大きく変わる、ということはありません。実際に掘り出す作業では大きい方が作業効率は上がりますが、普段常に持ち歩くことを考えれば小さい方が携行しやすいです。

    大きさに比例して重量も変わってきます。ご自身の体力などに応じてサイズを選んでいただければと思います。

    まとめ

    今回紹介してきた、三種の神器の「ビーコン」「プローブ(ゾンデ)」「スコップ」はバックカントリーをするのには必携の装備です。自分自身を守るということもありますが、目の前で雪崩に遭遇した場合には人を助けなければならなくなることもあります。

    仮に、具体的な使い方が分からなかったとしても、有事の際には事故現場周辺にいる人全員で、救助をすることになりますので必ず役立ちます。むしろこの三種の神器を携行しないと、バックカントリーではマナー違反になります。

    プローブとスコップに関しては、正直使えれば何でもいいと思います。しかしビーコンは本当にピンキリです。安いものではありませんが、自分や他人の命を守るものですのでしっかりと使えるものを選ぶようにしてください。

    NEW ARTICLES

    『 スキー・スノーボード 』新着編集部記事

    スノーボード板の選び方とは?形状から人気ブランドまで詳しく紹介

    2024.11.18

    スポーツカーでもキャンプは楽しめる! 最新のキャンプギアなら無理なく積めるぞ

    2024.09.30

    北海道各地に点在する「ローカルゲレンデ」をめぐる旅

    2024.04.02

    スキーツーリングほか、北欧のスキーの楽しみ方をスウェーデンのアウトドアガールが解説!

    2024.03.21

    3月24日まで楽しめます!家族で行くならキッズパークもおすすめの「妙高杉ノ原スキー場」

    2024.03.13

    バックカントリーとはどんなスポーツ?魅力や注意点、持ち物を解説

    2024.03.01

    スノーシューハイクとは?初心者におすすめの理由やギアを紹介

    2024.02.26

    お手頃価格の小物も多数登場!「H&M Move」のスノーウェアコレクション

    2023.12.22