【キャンプの疑問1】炭は土に還(かえ)る?
BBQに欠かせない木炭。なにから出来ているか、ご存じですか?
ええそうです、植物から出来ていますよね。炭は自然から生まれたものなのだから、使い終わったら自然に還すのが一番。キャンパーさんたちに話を聞いてみると、そう考えている方がわりといらっしゃるようです。
私もキャンプ場で、炭を土に埋めている方に出くわしたことがあります。理由を聞いてみたところ、こんな回答をいただきました。
「人が通らないところに埋めておけば、とくに迷惑にならないかと思って。もちろん、そのままにしておくと見た目が悪いから、しっかり埋めて帰るつもりだよ。土に還るし、植物にもいいよね」
炭の捨て場がサイトから遠かった、というのもひとつの理由だったようです。
なるほど。一見、あとから来るキャンパーさんにも、自然にも配慮している行動のように思えます。この方と同じように考えられた方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
でもちょっと待って下さい。炭は本当に「自然に還る」のでしょうか?
炭素から出来ている炭は分解されない
実は炭は、自然の中で生分解されません。山や川に捨てたり、土に埋めたりすると、そのままの形でずっと残ってしまうのです。豆炭や竹炭などの種類でも、BBQでよく使用する木炭でも同じです。
理由は炭の成分にあります。焚き火をして残った燃えかすの木と違い、炭は空気の少ない環境で、蒸し焼きにして作られます。そうすると木は炭化して、ほとんどが炭素になります。
炭素はさまざまなものを構成する基本元素ですので、分解しても別のものに変化しません。それが、私たちの使う炭です。
炭素だけで出来ている有名なものに、ダイヤモンドがありますね。見た目は全く違いますが、炭も、ダイヤモンドも、どれだけ土に埋めても分解されることはありません。
使い終わった残り炭を自然の中に放置してしまうと、キャンプ場も自然そのものも、処理に困ってしまうのです。
石炭をイメージしていただくと分かりやすいでしょうか。炭素が濃集して生まれた、大昔の植物が石炭です。数千万年前~数億年前の炭が残っているのですから、BBQの炭も、分解されて土になることはありません。
使い終わった炭は必ず、指定の炭捨て場(もしくは灰捨て場)に捨てましょう。
野外で炭の捨て場が見つからないときは、火消しツボで持ち帰ったり、完全に消火した上で、使用したアルミホイルなどに包み、ゴミ袋に入れて持ち帰ったりするといいですね。
家庭用の燃えるゴミとして捨てられますし、保管しておいて、次のBBQで着火剤として使うこともできます。ただし、実際に家庭で捨てる際は各自治体のルールに従って捨てるようにしましょう。
【キャンプの疑問2】消灯時間を過ぎたキャンプ場の夜。生活音はOK?
飲食するときの、食器がカチャカチャ言う音。音響機器から流れる音楽。テントを出入りする音。話し声もそうですね。生活音は人の活動にともなって発生します。
キャンプ場は普段住んでいる家の中とは違います。昼間は騒音を立てない限り、生活音程度は問題ないでしょう。しかし消灯時間を過ぎた夜、静けさが心地良い時間帯には、ささいな物音でも響いてしまうことがあります。
消灯時間を過ぎて起きている場合、周りへの配慮はどれだけあってもOK
キャンパーさんたちに聞いてみたところ、気になる夜間の音は圧倒的に「人の話し声」や「音楽」でした。そしてもうひとつ多かったのが、人がテントや車に出入りする音です。
特に車のドアの開け閉めは、「一瞬のことでも、かなり気になる。寝ていて目が覚めてしまうことがあった」「まわりが静かだから、すごくびっくりする」という意見もありました。
どうしても仕方のない用事がない限り、サイトに近い車の場合は、夜間の開け閉めを控えたほうがよさそうですね。
消灯時間を過ぎたら寝てしまうのが一番ですが、起きている場合も十分な配慮が必要でしょう。灯りを手元だけを照らすごく小さいものに変えたり、話し声を可能な限り小さくするなど、心がけたいですね。
アウトドアのマナーを身につけて、スマートキャンパーを目指そう
どこへ行っても気持ち良くキャンプしたい!そう思う気持ちはみんな同じ。キャンパーとして身につけたいキャンプでのマナーは、人や自然への「思いやり」から生まれます。
一期一会のおとなりさんでも、笑顔であいさつを交わし、助け合えたら素敵ですね。面倒見のいい先輩キャンパーさんには、分からないことを聞いてしまいましょう。きっと気持ち良く教えてくれるはずです。
キャンプのマナーの極意、それは「正しく知って、人への思いやりを忘れない」こと。
それだけ出来たなら、もうあなたは立派なスマートキャンパーです。