BE-PALの公式YouTubeチャンネルで配信されている「BE-PAL 創刊40周年記念特別企画 アウトドアズマン列伝」は、これまで本誌に携わり日本のアウトドアシーンを牽引してきたキーパーソンに、沢木編集長が会いにいくインタビュー・リレーである。そこには彼らのメッセージはもちろん、表情や声のトーン、インタビュー現場の背景など、動画でしか分からないことがつまっている。
作家・イラストレーター 遠藤ケイさん特別インタビュー(2020年12月9日配信)
遠藤さんの代表作といえば、1985年に発売された人気シリーズ『男の民俗学』(小学館文庫)。失われつつある日本の民俗を緻密な絵と骨太の文で記録した名作で、鷹匠やマタギ、木地師、炭焼き、漆掻きなど、野や山を生業の場としてきた男たちの記録が記されている。
そんな遠藤さんは29歳のころ東京への暮らしをやめて、身1つで千葉・房総へと移住。現在は「もっと自然の厳しいところへ行って鍛えなおす」との決意で、雪国の新潟県下田村へ再移住している。地方移住の先駆者としてのリアルな言葉は、若い世代にも刺さりそうだ。
エイアンドエフ(A&F)赤津孝夫会長特別インタビュー(2021年1月8日配信)
「エイアンドエフ」は、質実剛健なプロ仕様のアウトドア道具を扱うことで知られる。1977年の創業当時、海外の輸入で1000ドル以上持ち出すのに日本銀行の許可が必要だった時代。創業者の赤津孝夫会長はその時の苦労話を「ワクワクしたし、楽しかった」と語っている。
本誌創刊の頃は「当時の登山はヨーロッパ文化だった」というが、本誌などでアメリカのギアを多数紹介していたことから、エイアンドエフにもアメリカの道具に関する問い合わせが多数あったという。そんな赤木会長は日本のアウトドアギアの変遷をどのように捉えているのか。
小説家 夢枕獏さん特別インタビュー(2021年2月8日配信)
小説家・夢枕獏さんといえば、自他ともに認める“文豪一の釣りバカ”。本誌との出会いは、作家・カヌーイストの野田知佑さんとの対談だが、それ以来野田さんとの交流は30年以上にも及ぶという。インタビュー中では野田さんと行ったユーコン川などでの想い出を楽しそうに語る姿が印象的だ。
夢枕獏さんが作家を目指したキッカケや、描写で心掛けていること。そして小説を書くうえで大切にしていることを伺うと、そこにはアウトドアで大切なこととの共通点もみえてくる。さらに終盤には、本誌編集部への提言もいただいた。
環境マンガ家 本田亮さん特別インタビュー(2021年3月8日配信)
創刊前夜から本誌と併走してきた環境マンガ家の本田亮さん。最初はCMプランナーとして本誌にアウトドア企画を提案していたが、1988年にカヌーチーム「サラリーマン転覆隊」を結成。以来カヌーに限らずさまざまなアウトドア活動を続けており、その模様は本誌の連載でも詳しい。
そんな本田さんがいかにして環境マンガ家として活躍するようになったのか?根底にあるのは“地球をクリエイティブする”という考え。アイデアをもとに地球のためになることをする手段が、本田さんの場合は一コマ漫画であり、葉っぱアートだったのだ。