スノーピークは、デザインや品質にこだわったテントを数多くそろえています。商品選びで失敗しないためには、サイズや耐水圧などポイントを押さえることが重要です。テントの正しい選び方や、スノーピークのおすすめテントを紹介します。
スノーピークの魅力とは?
新潟に本社を置くスノーピークは、海外でも人気の高いアウトドアメーカーです。品質へのこだわりやアフターフォローなど、ブランドの主な魅力を紹介します。
徹底した品質へのこだわり
1958年の創業以来、スノーピークは徹底して商品の品質にこだわり続けています。仮説検証による商品開発は、現在まで受け継がれているものづくりのポリシーの一つです。
開発された商品は、すぐにフィールドでテストが行われます。試作品の使いやすさや頑丈さを確かめる際は、厳しい環境下で仮説と検証を繰り返すのが基本です。
商品のフィールドテストは、新潟県三条市のスノーピーク本社で実施されます。「過酷な状況にも耐えうるスペックなら、どのような自然環境にも向き合える」という考えに基づき行われているテストです。
「あったらいいな」が商品に
ユーザー目線で商品を考えることも、創業時から受け継がれているポリシーです。革新的なギアを作り出すために、スノーピークのスタッフは、社員である前に『キャンパー』であることを求められます。
日々のフィールド体験がなければ、ハイレベルな仮説は立てられません。試作品だけでなく、商品のコンセプトや設計にも、現場での仮説検証が反映されています。
スノーピークは『Snow Peak Way』というキャンプイベントを、全国で毎年実施しています。このイベントでは、商品に対する意見や要望をユーザーからヒアリングする場も設けられています。
スタッフもイベントに参加しながら、ユーザーの『あったらいいな』を確認し、これまでにないアイデアの創出に役立てています。
充実したアフターフォロー
スノーピークの商品には保証書が付いていません。スノーピークは「直しながら使い続けることでしか構築できないキャンプギアとの関係を大切にしてもらいたい」と考えており、スノーピーク商品は全製品「永久保証」付きだからです。
製造上の欠陥が原因で機能が損なわれた商品は、無期限で、いつでも修理してもらえます。
修理の受付では、次のキャンプの予定を確認されます。修理が間に合うように最善の努力を尽くすことも、アフターフォローの大きな特徴です。
シュラフが新品同様によみがえる『シュラフクリーニング』や、ぬれたテント・タープ・シェルターを乾燥させる『乾燥サービス』も、有料のアフターサービスとして用意されています。
テントの選び方の基礎知識
テントにはさまざまな種類があるため、どのような基準で選べばよいのか迷いがちです。商品の購入前にチェックすべきポイントを紹介します。
使用人数に合ったサイズ
テントには定員の目安が設定されています。使用人数に1~2人プラスした定員のテントを選べば、ゆったりと快適に過ごせます。
2人で使う場合に、定員が『1~2人』と『2~3人』の商品で迷うなら、2~3人用のテントがおすすめです。4人で使用するテントには、5~6人用の商品が適しています。
大人数でのキャンプでは、寝室とリビングが分かれた『2ルームテント』や『トンネルテント』が便利です。リビングに荷物を置けるため、寝室をより広々と使えます。
設営のしやすさ
テントを選ぶ際には、設営の難易度に注目することも大事です。見た目や機能が魅力的でも、構造が複雑で設営が難しければ、テントを張れない状況にもなりかねません。
設営で苦労したくないなら、円すい型のワンポールテントがおすすめです。中央にポールを1本立てるだけでテントを張れるため、比較的楽に設営できます。
2本のポールを交差させて設営するドームテントも、簡単な構造であれば手間がかかりません。最もポピュラーなタイプのテントであり、キャンプ初心者に最適です。
最初は設営しやすいテントを購入し、慣れてきたら設営の難易度が高いテントにチャレンジするとよいでしょう。
耐水圧は最低1500mm以上を
屋外で使用するテントには、雨水の浸入から内部を守る防水性が求められます。生地の素材によっては、長雨で雨水がテント内にしみ込む可能性があります。
雨に強い生地かどうかを確認する指標が『耐水圧』です。一般的には、傘の耐水圧が約500mm、レインウエアが約2000mmとされています。
テントの耐水圧は商品によりさまざまです。耐水圧が2000mm以上のテントなら、雨量が多くなりやすいゲリラ豪雨の際にも、テント内を守れるでしょう。
山の天気は平地より変化しやすいため、悪天候を想定してテントを選ぶ必要があります。最低でも耐水圧1500mm以上の商品がおすすめです。
テントとシェルターの違いは?
シェルターとはテントと似た外見のアイテムですが、テントには床があるのに対し、シェルターには床がありません。シェルターはシンプルな構造をしており、テントと比較して設営しやすくかさばりにくい点がメリットです。
シェルターの特徴は使い方の幅広さです。例えば、テーブルやチェアを配置すれば開放的なリビングとして、オプションのインナーテントを組み合わせればベッドが置ける寝室として活用できます。このようにオプションを組み合わせたり、他のテントやシェルターとドッキングさせたりなど、自分好みにカスタマイズできるのがシェルターの魅力です。本記事ではテントと併せてシェルターもご紹介します。
これを選べばひとまず安心?「定番テント」
スノーピークを代表する主な定番テントを紹介します。いずれも多くのキャンパーから支持を集めているロングセラーモデルです。
スノーピーク「アメニティドーム」
エントリーモデルとして人気を集めている、初心者向けの定番テントです。テント高を低めに抑え、シルエットに丸みを持たせた、風に強い構造で設計されています。
高さのあるテントは作業や着替えをしやすいものの、風の影響を受けやすいため、フレームの破損を招く原因にもなりかねません。スノーピークのドームテントは、高さを低くして耐久性を高める設計が施されています。
フレームのエンドパーツが色分けされていることも、アメニティドームの特徴です。迷わずセットできるため、楽に設営できます。
テント生地の耐水圧は1800mmです。平均値を表記している他の多くのテントとは違い、スノーピークの耐水圧は生地のどの部分を計測しても、表記数値以上の耐水圧を保証します。
スノーピーク「ランドロック」
寝室とリビングをまとめた、2ルームテントのロングセラー商品です。タープを設営する手間や時間を大幅に短縮できます。
インナーテントは十分な広さが確保されており、大人2人と子ども3人が並んで横になれます。高さが約190cmあるため、着替える際もストレスを感じにくいでしょう。
日よけや雨よけにもなる前後のパネルを跳ね上げれば、開放的な空間を演出できます。インナーテントを取り除き、大人数用のシェルターとして使用することも可能です。
サイドウォールにはメッシュウィンドウが備わっており、暑い時期も通気性を確保できます。オールシーズンで使える、ファミリー向けのテントです。
- 商品名:スノーピーク「ランドロック」
- 「ランドロック」商品ページ
スノーピーク「エントリーパックTS」
メッシュシェルターとテントがセットになった、お得感のある初心者用モデルです。二つはドッキングさせることができるため、空間をさらに効率的に活用することができます。シェルターには4名、テントは5名まで対応しています。グループでのキャンプでも活躍するでしょう。
いずれもシンプルな設計・パーツの色分け等、初心者でも設営しやすい工夫が施されています。テントのフロントパネルを上げれば、シェルター表面のメッシュパネルと相まって開放的で通気性に優れた空間が完成するでしょう。
- 商品名:スノーピーク「エントリーパックTS」商品ページ
人数別おすすめテント「ソロ編」
スノーピークには、ソロキャンパー向けのテントも用意されています。居住性や軽量化にこだわった、おすすめのソロ用テントを紹介します。
スノーピーク「ヘキサイーズ1」
変形六角形タープを広げれば、キッチンやリビングとして使える広い前室が作れます。タープで雨よけの役割を果たす後室ができるため、後方から出入りすることも可能です。
インナーテントは後方のポールで高さが保たれ、1人で過ごすのに十分なスペースを確保できます。フルパネルとフルメッシュに切り替えられるため、さまざまな天候に対応可能です。
収納サイズをより小さく抑え、コンパクトカーやバイクでも楽に持ち運べます。特徴的なデザインにより、2019年グッドデザイン賞を受賞しているユニークなテントです。
- 商品名:スノーピーク「ヘキサイーズ1」商品ページ
スノーピーク「ファル Pro.air 3」
自然に溶け込むナチュラルカラーのシンプルな山岳用テントです。標高の高い山間部の強風対策として、丸みを帯びたコンパクトなデザインが採用されています。縦150・横210・高さ103㎝と、スペースの狭い環境でも設営しやすい仕様です。重量も2㎏未満(フレームと本体)なので持ち運びの際にかさばりにくく、登山の際に活躍するでしょう。
インナーテントを取り外せば、シェルターとして使用も可能です。最低耐水圧は1500㎜で、雨対策かつ通気性に優れた生地を採用。快適さと軽さを追求したスノーピークこだわりの商品です。
- 商品名:スノーピーク「ファル Pro.air 3」商品ページ
人数別おすすめテント「大人数編」
↑「ヘキサタープのおすすめ大集合!張り方や選び方のコツを紹介」記事より。
仲間同士や家族でキャンプに行くなら、大人数用のテントも確認しておきましょう。大きめサイズのおすすめ商品を紹介します。
スノーピーク「リビングシェルロング Pro」
530㎝の奥行きで広々と使える4~6人用のシェルターです。シェルターの表面にメッシュを施すことで、通気性がよく開放感のあるデザインを実現しました。
メインの生地には「シールド加工」がされており、日差しが強い日中でも直射日光を通しにくく、体感温度を下げて涼しく過ごせる仕様です。オプションでシールドルーフを組み合わせることで、より快適な温度を保つことができるでしょう。
大人数のグループ等でのびのび使いたい際は、フロント部分のドアパネルを上げることで、リビングスペースを最大限に広く活用することが可能です。他にも、スノーピークのテント(一部商品)とのドッキングや、オプションでインナールームが付けられるなど、組み合わせ次第で楽しみ方が広がる製品です。
- 商品名:スノーピーク「リビングシェルロング Pro」商品ページ
スノーピーク「エントリー2ルーム エルフィールド」
リビング・ベッドスペースとして使用できる2ルームシェルターです。広くて開放的なリビングは、6~8人ほどの大人数でも利用できます。インナールームを取り付ければ、あっという間にリビングがベッドスペースに早変わり。寒いシーズンには外側にルーフシートを取り付ければ、防寒と結露防止に役立つでしょう。インナールームとルーフシートはセットで搭載されており、環境や時間帯によってアレンジが利く仕様です。
シンプルな設計でアウトドア初心者におすすめです。リッジボールと4本のアーチを組み立ててシェルターの前後を固定、ペグを地面に打てばシェルターが完成します。パーツの接続部分は色分けがされており、組み立て箇所が判断しやすい仕様です。一般的なテントやタープと比較して短時間で設営できるため、その分アウトドアの時間をより長く楽しむことができるでしょう。
- 商品名:スノーピーク「エントリー2ルーム エルフィールド」商品ページ
テントが破れたら?修理方法を知ろう
テントの生地が破れてしまうと、雨水が浸入したり風や虫が入ったりしやすくなります。破れの程度に応じた修理方法を知っておきましょう。
小さな穴なら補修材で
1cmに満たない小さな穴は、補修材でふさぐ方法がおすすめです。ジェル状の補修材を穴に直接塗布すれば、乾燥した補修材で穴がふさがります。
補修材での修理なら、半永久的に防水できる上、ふさいだ場所が目立ちません。固まった後も柔軟性が残るため、収納に影響を与えない点もメリットです。
キャンプに補修材を持参すれば、穴を見つけた際にその場ですぐ修理できます。ただし、乾燥するまでにある程度の時間がかかるため、雨天時のキャンプ中には使いにくいことは知っておきましょう。
1cm以上の穴にはリペアシート
テント生地の修理には、リペアシートを貼る方法もあります。1cm以上の穴が開いているなら、リペアシートでの修理がおすすめです。
穴の大きさに合わせて切り取り、そのまま穴に貼るだけで簡単に穴がふさがります。カラーの種類も豊富に用意されているため、テントのカラーと同じものを貼れば目立ちません。
ある程度大きい穴も、リペアシートなら修理可能です。テントだけでなく、リュックやウエアなどさまざまなギアにも対応します。
時間が経つとはがれやすくなるため、補修材に比べ耐久力は劣ります。また、テントと違うカラーのリペアシートを貼ると、修理箇所が目立ってしまうのもデメリットです。
スノーピークに修理依頼する
スノーピークのテントに穴が開いてしまった場合は、直接スノーピークに修理依頼するのもおすすめです。修理可能な穴なら、しっかりと直してもらえます。
スノーピーク公式サイトの『オンライン修理受付』から、修理見積りや配送手続きを行うことが可能です。修理品を預ける方法は、アフターサービスへの送付・自宅への集荷・対象店舗への持ち込みから選べます。
スノーピークは、修理などアフターサービスにも力を入れているアウトドアメーカーです。買い替えを検討したくなるほどのダメージでも、スノーピークに相談すれば適切に対応してもらえます。
- スノーピーク「オンライン修理受付」
まとめ
スノーピークは国内外でファンが多い、日本発のアウトドアブランドです。ユーザー目線での商品開発や品質への徹底したこだわり、充実したアフターフォローで人気を集めています。
スノーピークのテントは、品質やデザインの優れた商品が豊富です。設営のしやすさ・サイズ・耐水圧などに注目し、世代を超えて使えるテントを選んでキャンプを楽しみましょう。