ジェットボイル「スタッシュ」とソト「フュージョントレック」 、ガスストーブの2機をVersus!
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  • バーナー・燃焼器具

    2021.08.02

    ジェットボイル「スタッシュ」とソト「フュージョントレック」 、ガスストーブの2機をVersus!

    最近、ストーブ専門ブランドから興味深い新作が続々登場している。今回はこの2機をVersus!

    シリーズ史上最軽量!

    JETBOIL
    ジェットボイル/スタッシュ

    image

    2月27日に世界同時発売されたニューモデル。高い熱効率はそのままに、シングルバーナーならではの軽量性を生かし、独自のスタッキング方法を実現。同社史上最軽量・超コンパクト収納を実現している。
    ¥17,500
    問い合わせ先 モンベル・カスタマー・サービス 06(6536)5740
    SPEC
    ●サイズ=φ130×高さ112mm(収納時)
    ●重量=200g(0.8Lのクッカー含む)
    ●出力=1,134kcal/h
    ●スタビライザー、バーナースタッフバッグ、小物入れ缶付き

    ここがスゴい!

    チタン製ヘッドで重量わずか60g

    素材は火口がチタン、ゴトクが硬化処理されたアルミで非常に軽量。高所での使用やトラブル回避を優先し、電子式着火装置は備えない。

    ポットとゴトクがぴったりハマる

    お馴染みのフラックスリング(吸熱板)で熱効率がよい。ゴトクの切り欠きがポットの縁にはまり込むので、少々傾いてもズレない。

    収納方法に工夫したオールインワン設計

    フタに110サイズのガス缶をパチンとはめ込む。こうすることでバーナーやスタビライザーと干渉せずにコンパクトに収納できる。

    非一体型デザインを採用し、シリーズ史上最軽量を達成

    沸騰スピードの速さと燃費の良さで人気のジェットボイルシリーズに、衝撃の新型が登場した。バーナーとポット(鍋)を徹底的にシンプルにすることでセット重量200gを達成。バーナーヘッドは単品でわずか60gしかなく、これは小型シングルバーナーとしても世界1~2位を争う超軽量である。

    軽さと並び、非一体型になったことでどんな鍋でも使えるようになったことも魅力。これまで純正以外の鍋を使うには、別途ゴトクを装着しなければならず面倒だった。しかし本作は手持ちのコッヘルが使えるし、シーンや人数に合わせて自在に組み替えられるのがいい。

    もちろん高効率と省燃費はこれまでどおり。500ccの沸騰タイムを計ってみたが、気温12度C、水温10度Cで2分30秒~3分程度。また氷点下10度Cの厳寒地でも6~8分と時間がかかるものの、しっかりとお湯が沸かせた。出力を1134kcal/hに抑えているので同社の『フラッシュ』ほど爆速ではないが、必要十分だと僕は思う。

    これまでジェットボイルのスピードや省燃費に惹かれながらも、重量がネックで導入を諦めていた人にぜひお勧めしたい。

    V S

    山でも使える分離型!

    SOTO
    ソト/フュージョントレック

    image

    新開発の分離型ストーブ。マイクロレギュレーターを搭載しているので連続使用時や低温時のボンベ内の圧力低下に影響されにくく、安定した火力を発揮。風に強いすり鉢状火口や不整地で安定する三脚を備える。
    ¥9,000
    問い合わせ先 新富士バーナー 0533(75)5000
    SPEC
    ●サイズ=110×60×高さ100mm(収納時)
    ●重量=182g
    ●出力=2,800kcal/h
    ●収納ポーチ付き

    ここがスゴい!

    すり鉢状ヘッドで横風に強い

    約300個の火口をぐるりと取り囲むすり鉢型ヘッド。同社の『フュージョン』ストーブでも採用されていたタイプで横風に強い。

    トリプルジェットで常に燃焼が安定

    LPG(液化ガス)を噴出するジェット(孔)が3つあるため、風や気温などの外部環境に左右されにくく、常に燃焼が安定している。

    重心が低く不整地でも安定

    凸凹のある地面や岩の上でも配置レイアウトの自由度が高いので使いやすい。また重心が低いので大きな鍋も安心して使用できる。

    低温に強いフュージョンに、
    待望の分離型タイプが登場

    SOTO製品の魅力は「マイクロレギュレーター」の装備だろう。このおかげで低温下で連続使用しても、気化熱による出力低下や不良燃焼が起こりにくい。またすり鉢のような凹型ヘッドは横風に非常に強く、弱火にしても立ち消えしにくい。このふたつの特徴を兼ね備えた分離型モデルがコイツである。

    分離型の魅力は不整地でもセッティングがしやすく、大きな鍋を乗せても安定感が高いことだ。火力調整の際も鍋や炎の下に手を入れなくてよいので安心感が高いし、ウインドスクリーンでバーナーを完全に囲えるから強風下での使い勝手もいい。

    僕は1年近く愛用しているが、とても満足している。約300個もの火口から出る火足の短い炎とすり鉢ヘッドは、どんな環境でもしっかり燃焼し、マイクロレギュレーターと3つの噴出ノズルを持つトリプルジェットのおかげで荒天や低温下でも安定した燃焼が確保できる。冬キャンプ(気温12度C、水温5度C)で500ccの沸騰タイムを計測したが、平均2分20秒と非常に早かった。

    パワー、使いやすさ、そしてシビアな環境での信頼性。その3つを備えた名作だと思う。

    ※撮影/中村文隆

    私が書きました!
    ホーボージュン
    大海原から6,000m峰まで世界中の大自然を旅する全天候型アウトドアライター。Twitterアカウントは「@hobojun」。

    (BE-PAL 2021年4月号より)

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