サイズがコンパクトでリーズナブルな軽自動車は、キャンピングカーとしても便利に利用できます。ベース車両や装備にこだわれば、多機能でおしゃれなキャンピングカーにアレンジすることも可能です。自作する方法やおすすめの車種を紹介します。
軽自動車キャンピングカーのメリット
軽自動車キャンピングカーには、大きなキャンピングカーにはない様々なメリットがあります。利便性の高いコンパクトなサイズや、リーズナブルな価格が主な魅力です。
コンパクトだから運転、車中泊に便利
大型キャンピングカーはサイズが大きいため、走行できる道幅や停められる駐車場が制限されます。軽自動車キャンピングカーは駐車に広いスペースを必要とせず、停める場所に困らないので車中泊にも最適です。地方によっては車庫証明が不要である点も、メリットの一つといえます。
キャンプは、目的地に向かうまでに山道や未舗装の道を走行するケースが多いものです。コンパクトな軽自動車キャンピングカーであれば、運転がしやすく移動でも活躍するでしょう。
比較的低価格で購入できる
リーズナブルな価格で購入できることも、軽自動車キャンピングカーの大きなメリットです。基本的に普通車のキャンピングカーは500万円以上と高額ですが、軽自動車キャンピングカーは200~300万円ほどで購入できます。余った予算で装備を充実させることも可能です。
普通車よりも高速道路の料金や維持費が安いため、ランニングコスト面でも経済的な魅力があります。税金や車検の費用も抑えられますが、軽自動車キャンピングカーの自動車税は軽4ナンバーと軽8ナンバーで異なります。購入してから後悔しないためにも、事前に確認しておくのがおすすめです。
おすすめ軽自動車キャンピングカー3
[caption id="attachment_157674" align="aligncenter" width="1500"] 写真:MORIX[/caption]様々なメーカーから多機能でデザイン性の高い軽自動車が販売されていますが、今回は特にキャンピングカーにおすすめの車両を紹介します。今後のキャンピングカー購入に役立てましょう。
ダイハツクラフト「ATRAI楽旅」
キャンピングカー初心者でも、手軽に車中泊が楽しめるモデルです。ダイハツの『アトレー』をベース車両とし、ベッドやテーブルなどキャンピングカーに必要な機能を後付けしています。
クッション性と奥行きがあるベッドは、リアシートを折り畳んでベッドフレームを引き出すだけで組み立てが可能です。
ベッド下や天井のスペースだけでなく、サイドキャビネットや上下可変式収納棚など、キャンピングカーにとって重要な大容量の収納も搭載しています。後方にはスライド式テーブルも備えているので、食事や休憩にも便利です。
このほかにも、機能を拡大させる『断熱材・防音材』『セパレータカーテン』といったオプションも充実しています。
快適装備ながら外見は変わらないので、4人乗りの軽自動車として普段使いも可能です。
- 商品名:ダイハツクラフト「ATRAI楽旅」
- 公式サイト:商品ページ
ホワイトハウス キャンパー「N-VAN COMPO」
『自由気ままに過ごす趣味の秘密基地』をコンセプトに、軽自動車キャンピングカーを愛用するユーザーたちの意見を集めて開発されたモデルです。
助手席側が開口部の広いピラーレス空間になるので、車内での作業が楽になり、キャンプ場で開放感を味わえます。室内高が1800mm以上になるポップアップルーフも搭載しており、スペースが必要な着替えや調理も快適です。
微量のガソリンでサブバッテリーを作動させることで、エンジンの停止中でも車内を暖められるエアヒーターは、冬場のキャンプシーンで活躍するでしょう。
カラーバリエーションやグレードが豊富なのも特徴の一つです。車体の後部とルーフ周辺に収納などを配置した『スタイル・ワン』や、自由度の高い空間アレンジが特徴の『キャビン』など、自分好みのレイアウトを選択できます。
- 商品名:ホワイトハウス キャンパー「N-VAN COMPO」
- 公式サイト:商品ページ
ミスティックプランニング「J-cabin Mini W」
グッドデザイン賞を受賞している、スタンダードな軽トラックキャンパーシェルです。軽トラックの荷台に積載するタイプなので、キャンパーシェルを外せば、普段使いや荷物の運搬といった用途にも対応できます。軽トラックをベース車両にするため、経済的な負担も軽微です。
木材調クロスを使った山小屋を連想させる内装が、軽トラックを非日常空間に変身させます。さらにデザイン性を高めるために、機能優先で箱形が一般的なルーフサイドにあえて弧を付け遊び心を加えています。
ベースが軽トラックなので乗車定員は2名ですが、ダイネットのソファーベッドと上部スライド式ベッドが搭載されているので、3名まで就寝可能な余裕のあるスペースを確保できます。
キャンパーシェルを積載するので走行が不安定になることも懸念されますが、車両重量の増加による悪影響を最小限に抑えています。安心して運転できるので、初心者にもおすすめのキャンパーシェルです。
- 商品名:ミスティックプランニング「J-cabin Mini W」
- 公式サイト:商品ページ
軽自動車キャンピングカーを自作する方法
軽自動車キャンピングカーは、ベース車両を選んで装備を充実させていくのも楽しみの一つです。自分好みのキャンピングカーに仕上げるために、基本的な自作方法を紹介します。
ベース車両を用意する
自作といっても限界があるので、本格的な設備や技術が必要ないベース車両を選ぶことが重要といえます。バンやワゴンタイプの車内を改装し必要な装備を追加する方法や、人気上昇中の軽トラックに自作キャンピングシェルを積載する『モバイルハウス』が、比較的手軽に自作できるスタイルです。
特に軽トラックのカーゴタイプは風や寒さに強く、防犯対策にも問題ない強度なのでおすすめです。
中古キャンピングカーを改造するという方法もあるので、最終的にどんなキャンピングカーに仕上げたいのかをイメージして、予算と相談しながらベース車両を決めましょう。
内装、外装を決めて取り掛かる
ベース車両が決定したら、作業に取り掛かります。
- 内装と外装のデザインを決める
- 長時間家電を使用したい場合はサブバッテリーを搭載する
- 軽自動車用のベッドキットやベッドマットを据え付ける
- テーブルや照明を取り付ける
- 収納スペースを確保する
- ガスコンロやバーナーなどキャンプ用の調理器具を装備する
- 内装の寒さ対策や防犯対策をして仕上げる
- 室内ミラーから後方が見えなくなった場合はバックセンサー・カメラを取り付ける
車検が通らない可能性や、作りが甘いと走行中に破損する場合もあるので、自作は慎重に行いましょう。
内装キットの利用もおすすめ
内装キットは特別な工具を使用する必要がありません。改造も不要なので荷物扱いとなり、8ナンバー登録や構造変更申請も不要です。
新車と中古車の両方に対応していて、順番通りに各パーツを組み立てるだけで取り付けが可能です。車検時には内装キットを取り外すことで、通常の軽自動車扱いとなります。
キャンピングカーに必要な機能と装備が全て搭載されている内装キットや、ベッドマットのみの就寝用キットなど、種類も豊富です。
本格的な自作の時間や自信がない場合は、内装キットの利用がおすすめです。
軽自動車キャンピングカーのQ&A
[caption id="attachment_157675" align="aligncenter" width="1125"] 写真:MORIX[/caption]最後に、軽自動車キャンピングカーに関するよくある疑問を見てみましょう。
維持費は高くなるの?
普通車のキャンピングカーよりは維持費がかかりませんが、通常の軽自動車と比べると軽自動車キャンピングカーは重量が増えるので、ガソリン代は高くなります。内装の構造も複雑になるので車検費用も上がり、初回も通常の3年後から2年後に変更となってしまいます。
また保険会社によっては、軽自動車キャンピングカーを保険の対象外とする場合があります。
しかし、自動車税は軽自動車キャンピングカーの8ナンバーが年間4000円なのに対し、軽自動車の5ナンバーが7200円です。自賠責保険料も、8ナンバーの方が年間で1万円ほど安く設定されています。
軽自動車キャンピングカーはレンタル可能?
軽自動車キャンピングカーはレンタルが可能です。予約するシーズンやタイミングによっては、料金が高くなる可能性があります。
テントや寝袋の必要がなく、通常のキャンプグッズを用意するだけなので手軽です。ただし、アメニティグッズまで揃えているレンタカーは少ないので注意しましょう。
軽自動車キャンピングカーには、普通車にはないスイッチや機能が多々あります。使い勝手が分からずトラブルになる可能性があるので、出発前にスタッフと入念に確認しましょう。
レンタル後は付属のお掃除セットなどを使用し、きれいにしてから返却するのがエチケットです。
まとめ
軽自動車キャンピングカーはコンパクトサイズで利便性が高く、初心者でも低価格でキャンピングカーデビューができます。
完成車を購入するだけでなく自作することも可能なので、時間や手間などを考慮して自分好みの方法で軽自動車キャンピングカーを楽しみましょう。