山遊びをもっと身近にしたいという思いから、長野県に移住を考える方は少なくありません。しかし、一言に長野県と言っても広く、どんな山遊びをするかによっても、求める環境は異なります。今回は「登山」「スキー・スノーボード(バックカントリー)」「フリークライミング」など、ジャンルごとのオススメの町を、著者自身が実際に長野県で生活をしている視点から紹介していきます。
山遊びの中心が「登山」の方
[caption id="attachment_150647" align="alignnone" width="1500"] 燕岳登山。[/caption]まずは山遊びが「登山」の方へ、オススメの町を紹介していきます。
長野県は「北アルプス」「南アルプス」「中央アルプス」「八ヶ岳連峰」といった、日本を代表するアルプスに隣接しており、どこの山域を中心にするのかによっても、選ぶ町は異なります。
北アルプス
[caption id="attachment_150652" align="alignnone" width="1500"] 安曇野から望む常念岳。[/caption]北アルプスは、一般的には南は乗鞍岳、北は白馬岳周辺までが長野県の山となり、広範囲に渡ります。全体をカバーするとなると、「松本市」「安曇野市」周辺が候補となります。実際に住む場所にもよりますが、例えば松本駅周辺に住んだ場合、北アルプスの南の玄関口の上高地までは約1時間、北の玄関の白馬村までは約1時間半程度で登山口まで辿り着けます。
[caption id="attachment_150653" align="alignnone" width="1500"] 桜満開の松本城。[/caption]もっと具体的な話になると、上高地アクセスの山でなら「松本市」、前山(常念岳、燕岳周辺)なら「安曇野市」、後立山連峰なら、「大町市」といった選択肢がでてきます。上高地へのアクセスは、どうしても遠くなりますが、それ以外では自宅から登山口まで30分以内ということも、十分に可能になります。
南アルプス・中央アルプス
南アルプス、中央アルプスに挟まれる代表の町としては「伊那市」「駒ヶ根市」があります。この周辺では南アルプス・中央アルプスの両方の山々を、贅沢に楽しむことができます。この周辺であれば(山にもよりますが)30分前後で登山口に到着することも、十分に可能になります。
八ヶ岳連峰
関東方面からもアクセスが良く、人気のある八ヶ岳連峰を中心とした場合、「諏訪市」「茅野市」周辺がオススメです。この周辺からであれば南アルプス北部の「甲斐駒ケ岳」「仙丈ケ岳」などの登山口までも1時間以内でアクセスが可能です。
山遊びの中心が「スキー・スノーボード」の方
[caption id="attachment_150648" align="alignnone" width="1500"] 北アルプスでバックカントリースキー。[/caption]白馬のような「スノーエリアに住みたい!」という方は除外されてしまいますが、冬にはスキー・スノーボードを楽しみたいという方には、長野市周辺がオススメです。理由としては長野県の3大スキーエリアの「白馬」「野沢温泉」「志賀高原」へのアクセスが、いずれも1時間前後ということです。
長野市は、県庁所在地ということもあり経済規模も大きく、仕事が豊富にあります。また新幹線が通っているので、関東方面に出るのもとても便利で、1時間強で東京まで出られます。
また夏は登山、冬はスキー・スノーボードをやりたい、という方には安曇野市周辺がオススメです。こちらも長野県第2の都市「松本市」までは通勤圏内。世界を代表する、スノーエリアの白馬までも、1時間強で行くことが可能となります。それに加えて、北アルプスの山々までのアクセスも、1時間圏内とオールシーズンで山を楽しむことができます。
山遊びの中心が「フリークライミング」の方
[caption id="attachment_150650" align="alignnone" width="1500"] 長野でクライミング。[/caption]クライミングと言えば、東日本最大のクライミングエリアの「(通称)小川山」が有名ですが、ここまでのアクセスが1時間強となるのが「諏訪市」「茅野市」周辺です。小川山の他にも「太刀岡山」「甲府幕岩」などの岩場も1時間圏内で行けます。クライミングだけをしたいという方は山梨県の北杜市周辺の方がアクセスは良いですが、山にも登ってクライミングも楽しみたい、という方にはオススメです。
その他では「長野市」もオススメです。小川山までのアクセスは少し遠くなりますが、長野市周辺には小規模の岩場が多数あります。善光寺から10分程度の「物見岩」、長野インターから10分程度の「鳶岩(とびいわ)」、同じく長野インターから20~30分程度で「奇妙山」や「尼飾山」などがあります。
著者も長野市に住んでいたことがありますが、仕事前の「朝練」なども十分に可能でした。
また、長野市街地からは40~50分ほどかかりますが「坊抱岩(ぼこだきいわ)」というルートが50本弱ある中規模の岩場も人気で、この岩場を目当てに県外から来られる方もいるくらいです。
まとめ
今回は山遊び派の方が、長野県に移住を考えた時に著者が独断と偏見でオススメしたい町を紹介してきました。今回紹介できなかった町でも、自然が豊かで住み心地の良い町はたくさんあります。是非、ご自身のライフスタイルを考え、長野県の町を選んでいただければと思います。
また、長野県は首都圏に比べると、少し所得が低いのでこの辺の理解は必要です。その上で、職を探しながら移住を考える場合は、求人数が圧倒的に多いのは経済規模の大きな「長野市」「松本市」です。趣味と生活基盤の双方から選ぶ参考にしていただければ幸いです。