草花や樹木の苗の根元を土で覆い、それをコケで包んで固定したものがコケ玉。子供と一緒に小さな苗を一から育て、成長を見守りながら何年も一緒に暮らしていける仲間でもある。
植える植物は好みによるが、長野さんのコケ玉は四部構成が基本。芯となるのは落葉樹や針葉樹の実生の苗。その足元に常緑の野草と季節感のある野草を配し、根元をコケで覆う。
「植物が生えていた森の状況を再現するんです。そうすることで、家にいながら自然の四季の変化を感じられます」と長野さん。
まずは、植物採集からスタートです。
雑木の苗を掘り起こす。根を傷つけないよう、大きめな円を描くように周りに深く溝を掘り、シャベルをグッと持ち上げる。
摘んだ苗は、根を乾燥させないよう、少量の土ごと新聞紙に包む。運ぶときに葉などが傷まないよう、植物全体をそっと包むこと。
コケは根を張っているわけではないので、手でそっと周りをつまんでから持ち上げると剥は がれる。石についているのは剥がれにくい。
採集した植物。雑木はカエデやミズキの仲間など。ほかに常緑のリュウノヒゲ、花を楽しめるニリンソウ、ミズゴケなども採集。
【道具】
右から園芸鋏、土を隙間なく入れるための串、コケを押し込むためのヘラ、ピンセット、掃除用のミニ箒ほうき。左の3つは竹製シャベル。
土はケト土8に対し、赤玉土と桐生砂を各1ずつ配合する。コケを育成し、固定するためには粘土質のケト土が欠かせない。
【コケ玉の作り方】
土をよく混ぜ合わせてボール状に丸める。それを半分に割り、真ん中に植物の根を挟む。
割ったボールを再度合わせてボール状に戻し、手でしっかり押さえて固定させる。
ボール状の土をコケで包む。丈夫で毛足の長いミズゴケやハイゴケが向いている。
コケで覆ったら、ナイロンの糸で巻いて固定する。糸はコケの成長とともに見えなくなる。
水を張った容器に浸けて水を吸わせる。普段はコケが乾燥したら霧吹きで水を与えるとよい。
コケ玉が完成。野外の半日陰で育てるのが理想的。室内なら台所や洗面所など湿度の高いところが向いている。
【教えてくれた人】
長野修平さん
枝、流木などの自然素材を用いたクラフトに定評があるネイチャークラフト作家。料理の腕もプロ級。
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