サバイバルの感覚を楽しめるブッシュクラフト
ブッシュクラフトとは自然のなかで手に入るもの、おもに木を活用して道具を作るスキルのことです。
使用する素材は基本的に現地調達。最初から道具がそろっている普通のキャンプより、サバイバルに近い感覚を楽しめます。
そしてブッシュクラフトは1人で黙々と打ち込めるので、話し相手がいないソロキャンプでの過ごし方としてもおすすめです。
今回ご紹介するブッシュクラフトの作品3つは、ナイフ1本で簡単に製作できるもの。
ブッシュクラフト未経験の方はここから挑戦してみて、ナイフの扱いに慣れていきましょう。
フェザースティック
火起こしの場面で重宝するフェザースティック。
フェザースティック作りはブッシュクラフトにおける初歩的なスキルとして、多くの人が実践しています。
フェザースティックを作るには、木の枝や細く割った薪にナイフをあて、表面を削るようにスライドさせます。
すると削った部分が細長くささくれ立ち、クルンと反ります。
このささくれを切り落としてしまわないようにナイフを止めて、端の部分は残したままの状態に。
これを何度も繰り返していくのが基本的な作り方です。
切り落としてしまった木のクズも、火起こしに使用できます。捨ててしまわないように注意しましょう。
フェザースティック作りは、自宅でも練習しやすいブッシュクラフトのスキルです。
ペグ
テントを固定するためのペグも、ナイフ1本で製作できます。
人差し指ほどの太さの丈夫な枝を見つけ、長さ20cmほどにカット。
枝の端から5cmほどの位置に、ロープを引っかけるための溝を彫ります。
ポイントはカタカナの「レ」の形に彫ること。ロープのすっぽ抜けを防げます。
最後に先端部を削って尖らせます。手で地面に突き立てられるくらいまで尖らせたら完成です。
この要領で、必要な本数のペグを作りましょう。
ただし、自作したペグは強度不足によって折れる可能性があります。大型のテントやタープなどへの使用はおすすめできません。
その場合は、既製品の頑丈なペグを使用しましょう。
ランタンスタンド
テントの前に自作のランタンスタンドがあるだけで、気分はすっかりブッシュクラフターです。
このランタンスタンドは、支柱となるパーツと、ランタンを引っかけるハンガーの2つを合体させて作ります。
支柱となる枝は、太さ3cm以上のものを用意しましょう。長さはお好みで構いませんが、長いほど不安定になりやすいため要注意。
地面に打ち込む部分も含めて、長くても1.5mほどにとどめておきましょう。
ハンガーの長さは30cm程度。ハンガーに関しても、必要以上に長くしないことが大切です。
支柱に三角形に近い形の溝を彫ります。溝の深さは1.5cmほど。
ナイフの扱いが少し難しい作業ですが、フェザースティックやペグをすでに作っていれば、なんとかこなせるはず。
くれぐれも怪我をしないように注意してください。
続いてハンガーの根もとを削ります。支柱に彫った溝にピッタリとはまるように、慎重に形を整えていきましょう。
ハンガーの根もとを削り終わったら、支柱と合体させます。そして簡単に外れないことを確認。
問題がなければ支柱の下部を削って尖らせ、地面に突き立てます。
その状態でランタンを吊り下げてみて、ランタンのフック、または持ち手が当たる部分に溝を彫ったら完成です。
ランタンスタンドに関しては、これと決まった作り方はありません。
その場で手に入った枝の形状を考慮しつつ、ランタンを吊り下げてもバランスが崩れないように作りましょう。
ただしランタンスタンドもペグと同様に、強度不足による破損のリスクがあります。
そのため吊り下げるランタンは、あまり重くないLEDランタンを選びましょう。
100均のLEDランタンであれば、万が一破損しても精神的ダメージが小さく済みます。
ブッシュクラフトはナイフ選びと手袋の着用が重要
ブッシュクラフトを始めるためには、それに適したナイフが必要です。ブッシュクラフトに適したナイフとは、しっかり握れて、頑丈なナイフ。
それに当てはまらないナイフをハードに扱うと、ナイフの破損や怪我につながります。ナイフもまた、適材適所な選択が大切です。
そして手袋の装着も忘れずに。軍手よりも保護性能にすぐれた、革製の厚い手袋が最適です。勢い余ってナイフで手を切ったり、木のささくれで怪我をするのを防げます。
ブッシュクラフトに適したナイフと、手をしっかり守ってくれる手袋。
この2つを準備して、安全に注意を払いつつブッシュクラフトを楽しんでください。