銀座のビルの屋上を緑化および養蜂し、ミツバチを通じて、都市で環境、共生をテーマに活動しているNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」。2006年にスタートしたときは、銀座で果たして蜜が集まるのだろうかと思いましたが、16年目となる現在では年間1トン以上のはちみつが産出されています。ミツバチは、花粉を集める過程で植物の受粉に貢献し、周辺の生態系に好影響を及ぼすとされていて、持続可能なソーシャルビジネスとしても注目されています。
銀座のはちみつはどこから
銀座という土地柄、ミツバチはいったいどこからはちみつを集めてくるのか。実は、ミツバチは皇居や浜離宮、日比谷公園の他、街の木々を飛び回りながら、甘い蜜を蓄えてきます。銀座周辺は、都心でありながら緑が多いことが改めてわかりますね。ただ、緑が多いからといって養蜂が順調であったわけではないそうです。
「毎年花の状況、天候、ミツバチの状態が同じではないので、毎年毎年勉強です。はちみつがたくさん採れる年もあれば、採れない年もあって、ご利用いただいているお店にご迷惑をおかけしたこともあります」と語るのは、銀座ミツバチプロジェクト養蜂グループリーダーの山本なお子さん。
台風も年々巨大化しているため、フェンスが壊れることもあり脅威だそう。地球環境の変化を、銀座でも実感しているようです。また、銀座という街の名前に恥じないよう銀座にふさわしい活動を発信することを続けており、活動への理解や応援してくれる人も増えているそうです。
スタッフのみで養蜂活動は継続中
コロナ禍により、毎年サポーターのみなさんと一緒に行なっている養蜂活動や、保育園などへの環境教育の出前授業や視察見学もすべて止まってしまいましたが、オンラインなどでイベントを開催しているそう。視察見学も現在は見合わせ中とのことですが、養蜂活動は少人数のサポーターと感染対策をしながら継続しています。今後もミツバチやはちみつを通して、身近な環境問題に興味を持ってもらえる活動を行なっていくそうです。
銀座から始まったといわれるミツバチプロジェクトは、全国各地に広がり、現在100団体以上あるといわれています。各地のプロジェクトとオンラインでつなげた全国ミツバチプロジェクト会議も発足したそうで、今できることを積極的に行なっています。皆さんの住んでいる地域でも、プロジェクトが進行しているかもしれませんね。養蜂活動の参加が再開されたら、体験してみたくなりました。
銀座産のはちみつやスイーツで地産地消
この活動に賛同し、銀座産のはちみつを使った様々なスイーツを販売している松屋銀座では、2007年から社員有志による屋上菜園で蜜源になる植物栽培などを展開する「ギンザグリーンプロジェクト」活動も行なっています。銀座で地産地消ができるとは、このプロジェクト前には、想像できなかったですよね。ちなみに、銀座ミツバチプロジェクトで現在1年間に産出されているはちみつの量は、松屋銀座ラベイユで販売中の「銀座のはちみつ(36g)」で例えると約2万8000個分になるそうです。はちみつとしての販売のほか、さまざまなスイーツにも使われています。
定番スイーツに加え、数量限定や期間限定スイーツも販売中です。はちみつとの相性抜群の4種のチーズを使ったプリンは、6月中旬までの限定販売です。
松屋銀座の屋上菜園では、今年も苗植えを行ない、夏に向けてメンバーで活動しているそうです。コウゾやミツマタを使った紙すきや茶摘み体験などのお客様向けのイベントは現在ストップしていますが、スタート時より活動の幅は広がっているそうです。
銀座産のはちみつを使ったスイーツは、一部オンラインで購入することもできるので、おいしくいただきながら、持続可能な暮らしや取り組みについて考える時間を過ごすのも素敵ですね。
松屋銀座 https://store.matsuya.com/goods/list.html?cid=fs_cat_honey
銀座ミツバチプロジェクト https://gin-pachi.jp/