私達が作ろうとしている山形ロングトレイル(YLT)のルートは、大部分が蔵王国定公園内にあります。
調査と並行して行わなければならないのが、ルートとして利用する道の土地所有者が一体誰なのか?
また、管理するのは誰なのか?を探し出す作業です。
当然ですが、許可なく勝手にトレイルを作る事は出来ないのです。
遠くに見える山も、隣の空き地も、町中にある公園も日本国内の土地には必ず持ち主がいるのです。
問題:皆さんは、国定公園が誰の所有になるかわかりますか?
答え:色々な方が所有者です。
さて、ややこしい事になってきましたね。
国定公園に限らず、国立公園にも民有地(民間が所有する土地)があります。国定公園だから国が持
ち主とは限らないのです。
そして、国定公園・国立公園は、自然公園法という法律によって守られています。
国立公園の管理は、国で、国定公園の管理は都道府県になります。
また、蔵王国定公園は山形県・周辺市町村が3つ。宮城県・周辺市町村が6つ合計13地区で登山道を
それぞれ管理している事になっています。その中には林野庁が所有する国有林もあります。
なんだか、相当難しい話になってきますね。
更にルートが、林道・市道・県道・国道の何処を通るかによっても管理者が変わってしまいます。
なんだか、書いていても頭が痛くなってきます。
これらの問題を簡単にしていく為に、予めここに作りますよといったルート計画が必要になるのです。
計画を元にルートの土地の持ち主を探し出したり、管理者を探し出したりといった作業が始まり、許可を
頂き、整備してようやくトレイルを開通する事が出来るのです。
YLTが現在取り組んでいるのは、このルートをどこに決めるのかという作業です。
昨年度は、蔵王国定公園の南端七ヶ宿町エリアから、山寺エリア付近までの登山道や林道・古道を歩き
調査をしました。なぜかというと、このエリアはどの道を選ぶかによって大きく通過する場所が変わるエリアですし、林道や登山道・県道のどれを選ぶかという選択肢が多いエリアだったからです。
これは、全体の予定ルートの8割に当たります。
今年度は、山寺エリアから北の起点である天童高原までの調査と、調査済みのルートの中で候補を2つに
絞り込んだエリアを歩き、予定ルートの完成を考えています。
今年取り組む山寺エリアから天童高原までは、登山ルートしかありません。持ち主や管理者の特定も簡単に
行えます。
ルート予定図は、YLTのパンフレットに載っています。
そうです、今年度用のYLTのパンフレットが出来ました!