“焚き火で中華鍋”で話題の『おやじキャンプ飯』。再現レシピも掲載
2020年秋、第1話の公開から、わずか1か月足らずで100万回再生を達成したYouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」。主演の近藤芳正さんが、静かなキャンプ場で焚き火と対峙し、見事な中華鍋さばきを演じる映像に魅了された方も多いのでは?
人気ドラマの監督が描くキャンプ本とは?
全6話の公開を終えてもなお、番組オリジナルの中華鍋販売など話題にこと欠かないこのドラマ。今度は、この作品の馬杉雅喜監督が初の著書を完成させた。タイトルは、「おやじキャンプ飯 レシピ&ソロキャンプ術」。
美しい写真とともにドラマの世界へ引き寄せられる
じつは、「おやじキャンプ飯」というドラマには、公式サイトがなく、これまで主人公の設定や登場人物の背景などが闇に包まれていた。本書では、このドラマの背景や登場人物のことについても、しっかりと紹介されている。そう、今、ようやく謎が解き明かされるのだ。フォトグラファーのタイナカジュンペイ氏によるドラマの名シーンの写真もふんだんに使われていて、ページをめくるほどにドラマの世界へと引き込まれていく。
キャンプ飯のレパートリーが増やせるレシピもたっぷり
そして、劇中に登場した料理の再現レシピもズラリ。シンプルな炒飯にはじまり、回鍋肉、シーフードヌードルのチョイ足しレシピ、主人公・明夫のお湯割りスタイルまで、全10の再現レシピが紹介されている。さらに、ドラマで料理監修を担当した岡山恒太郎氏による「もうひとつのおやじキャンプ飯」レシピまで。次のキャンプで即、役立ちそうなメニューも満載だ。
そのほか、近藤芳正さんのロングインタビューや、馬杉監督による制作秘話など、ファンブックとしての読み物も充実。これからキャンプを始める方のためには、馬杉監督によるソロキャン道具の選び方と使いこなし術、焚き火の楽しみ方などが紹介されている。馬杉監督愛用の道具とドラマとの関連性についての知られざるエピソードもちらほら。
著者・馬杉監督インタビュー
続いて、馬杉監督に本書執筆の狙いなどを聞いてみた
「この本のテーマは、『普遍的なキャンプの楽しみ方』です。流行りのスタイルを追うような形ではなく、時代に関係なく長い間本屋さんに並んで、いつもキャンプに連れ出す相棒になれるようなイメージで書きました。本の世界観を作る表紙や、キャンプの様子はタイナカジュンペイ氏の写真を多数使いました。紙質や色味まで細部にこだわっています。レシピはおやキャンの料理監修を務めてもらった岡山先生に劇中の料理を完全再現+アウトドアで使える新メニューを多数収録しました。本の撮影時に全部食べさせてもらいましたが、本当に美味しいです。もう、正直このレシピだけで本を買う価値があるってくらい自信を持ってオススメします!そして皆さんが大好きなギア紹介があり、(ここもキレイなままのギアが1つも出てきません、よごれ具合まで楽しんでいただきたい!)さまざまなキャンプスタイルの紹介へと進みます。初心者の方でも安心できるようにソロキャンプ安心完全ガイドと題して、初めてのソロキャンでも不安にならないよう、細かな解説ページも用意しています。そしておやキャンファンの方には、ここだけの製作秘話、主演近藤芳正のロングインタビュー『ひとりぼっちの世界』を収録。えっそんなことがあったの!?という赤裸々な部分まで収録しています。そんなこだわりを詰め込んだ144ページ。他のアウトドア本と比べてもどっしりとした厚みを感じてもらえると思います」
ターゲットとして想定した層は?
「最初本を書き出したときは、おやじキャンプ飯を好きな40~60代男性を考えていましたが、いや、もっと広い層、老若男女、キャンプをしたことが無い人にも『おやじ(らしさ)』は潜在していて、そういう人達の『おやじ』を呼び起こしたいと思って書きました。僕の中で『おやじ』というのは『kawaii』みたいなもので、形容詞に近いイメージを持っています」
本書を通して一番伝えたいこと、思い入れなどがあれば
「『もっと自由に、自分勝手に生きていい時代』。作品からも一貫しているところですが、不自由な時代だからこそ、もっと自由に生きればいいんじゃないかといいたいです。そう僕に思わせてくれたのが『キャンプ』です。この本がキャンプをしたいと思うきっかけになればいいと思うし、野に出る背中を後押しできればいいと思っています」
馬杉監督ありがとうございました。
待望のドラマ続編があるのかないのか?そんなことにも本書では触れられている。発売は、2021年6月10日。日常生活のなかでキャンプの魅力を感じられる本書をゆっくりと楽しもう。
おやじキャンプ飯
レシピ&ソロキャンプ術
馬杉雅喜著
定価:1,650円(本体1,500円+税)
A5判:144P
ISBN:978-4-04-605283-4
発行:株式会社KADOKAWA
お問い合わせ:KADOKAWAカスタマーサポートhttps://www.kadokawa.co.jp/
構成/山本修二