夏のスイスの人気ドリンク!古来から伝わる万能ハーブを使った”ホルンダーブリューテンシロップ”を作ろう!
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    2021.06.29

    夏のスイスの人気ドリンク!古来から伝わる万能ハーブを使った”ホルンダーブリューテンシロップ”を作ろう!

    癒される香りのシロップを手作り! (マッターホルン写真:藤巻 翔)

    昔から万能薬とされたホルンダー

    5月後半から6月に乳白色の花を咲かせる「ホルンダー」(ドイツ語名)。夏から秋にかけては赤黒い実がなる。スイカズラ科のホルンダーはスイスのいたる所で咲き誇り、昔から薬用植物としても知られている。英語名は「エーデルフラワー」、日本語名は「西洋ニワトコ」。

    日本にも分布しており、よく庭に植えられていたことから「庭常」または「接骨木」と書いて「ニワトコ」と読む。かつて枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の湿布剤に用いたためそう名付けられたとか。

    「ハリーポッターシリーズ」では主人公が持つ最強の杖の材料として選ばれている。ヨーロッパの多くの国ではこの木に精霊が宿り、切ると不幸や祟りがあるとも伝えられている。

    乳白色の白い華やかな花が印象的。

    花には抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンAとCを含んでおり、老化や風邪の予防、咳、免疫力アップ、健康維持、美肌・美白などの効果が期待できる。

    ヨーロッパでは古来より抗炎症作用があると伝えられており、インフルエンザの予防として飲むことが多い。春は白樺やヘーゼルナッツなどの花粉症に悩まされる人が多く、鼻の通りをよくするために薬局で自然療法としてホルンダーのお茶をおすすめされることもある。

    乾燥させると香りがより強くなる。

    手作りシロップに挑戦!

    マスカットやライチのような香りの成分には、緊張や興奮を和らげるリラックス効果が期待できる。筆者は寝る前にカモミールのお茶の代わりにホルンダーのお茶を飲むと、香りに癒され安眠につながる気がしている。花を乾燥させてお茶にするだけでなく、葉や枝もお茶や入浴剤にできるそうだ。

    花言葉は、「熱中」「思いやり」「苦しみを癒す人」。スイスに嫁ぎ生活に慣れず日本が恋しかったころ、よくこのシロップを飲んでいたことを思い出した。そのときは花言葉の意味を知らなかったが、爽やかな香りに気分が落ち着きとても癒されていた。

    スイスのスーパーや薬局では、ホルンダーのシロップやハーブティー、フレーバーウォーター、キャンディやヨーグルト、シャンプーやハンドクリームなど様々な商品が販売されている。

    初夏には自家製の花のシロップを作る家庭が多いスイス。今回は義母と一緒にシロップ作りに挑戦!まずは摘んだお花を風通しの良い場所で2~3日乾燥させる。

    作り方はとてもシンプルで簡単。

    【材料】

    (1)ホルンダーの花 10束(ミントを代用する場合は約60g)
    (2)砂糖 500g
    (3)レモン 半分
    (4)クエン酸 10g
    (5)水 500ml

    【ホルンダーブリューテンシロップの作り方】

    ホルンダーが手に入らない場合は、ミント(約60g)で代用することをすすめする。クエン酸は薬局にて購入。

    ゆらゆらと揺らす程度。

    ボウルに水を入れ、軽く花を洗う。

    いい香りが広がる。

    花の先端を摘んでボウルに貯める。

    レモンと花の香りが混ざっていい感じ。

    摘んだホルンダーの花の上に、カットしたレモンをのせる。

    砂糖たっぷりで少々驚く…。

    お鍋に水500mlと砂糖500gを入れ、火をつけてゆっくりと溶かす。

    トロトロになった砂糖水。

    砂糖が溶けたら、クエン酸を投入。

    レモン砂糖水は見た目も華やか!

    花とレモンのボウルに、砂糖とクエン酸が溶けたシロップを流し込む。

    できあがりが楽しみだ!

    粗熱が取れたら、冷蔵庫で3日ほど寝かす。

    香りが熟成している!

    冷蔵庫から出し、ザルで花とレモンをこす。

    こすときは、清潔な布で行なう。

    さらに布で細かい花をこす。

    はちみつのようにトロトロに!

    布できちんとこされて出てくるか気になったが、パーフェクト!

    いい感じにできあがりそう!

    泡が出てくる程度、約80度くらいまで煮る。

    できあがり!

    煮沸した瓶に詰める。保存は約1年可能。秋に実がなったら、同じ手順で実のシロップも作ってみたい。

    花瓶の花は、ホルンダー、アルペンアスター、フウロソウ、フタマタタンポポ。

    暑い日にぴったりのドリンク!

    冷えた炭酸水とシロップをお好みで割っていただく。氷はお好みで。フルーティーな香りで心身ともに癒され、リラックス効果が高いなぁと再確認!かき氷やパンケーキに使ったり、リンゴを一緒に煮るのもおすすめ。

    夏のバーやカフェレストランでは、ホルンダーブリューテンシロップとプロセッコ(イタリアのスパークリングワイン)&ミント&ライム&氷を混ぜた「Hugo(フーゴ)」が流行っている。プロセッコの代わりにシャンパンを使うと、さらに豪華で贅沢な気分に。女性に人気が高い、大人のためのお洒落なシロップの楽しみ方だ。

    ミントでシロップを作った方は、ぜひモヒートに!
    モヒートは、ラム酒&ミント&ライム&炭酸水&氷&ガムシロップや砂糖で作る。ガムシロップの代わりにミントで作ったシロップを入れるだけ。

    キャンプでは、大人も子供も美味しく楽しめるホルンダーブリューテンシロップ。登山では疲れた体と心を癒してくれるはず。この夏は、シロップのさまざまな味わい方を楽しんでいただきたい!

    私が書きました!
    日本山岳ガイド協会認定登山ガイド&スキーガイド・ヨガ講師
    西村志津
    スイス在住、2児の母。スイスの山岳観光地やアクティビティ、ギア、トレンド、文化をお伝えします!ヨガを通して心と体のメンテナンス方法もお届けし、より快適な山行のお手伝いができれば嬉しいです。美味しいものとカフェ巡りが好き。スイスと日本の架け橋となる活動に努める。オンラインにて「スイスツアー」や「登山者のためのヨガ」を発信中! instagram@seas_yoga_hiking_skiing

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