はじめてのシングルバーナーといえば、真っ先におすすめしたいのがSOTO。
中でもレギュレーターストーブ「ST-310」と「ST-330」は、キャンプ初心者から中上級者にまで、根強い人気があります。
どちらも満足度の高い仕様でありながら、良心的な価格の優秀バーナー。
今回はふたつのシングルバーナーの違いと魅力を、比較レビューしたいと思います。
5つの比較ポイント
その1.重量
・「ST-310」330g(本体のみ)
・「ST-330」250g(本体のみ)
ST-330のほうが80g軽いですね。
登山など、荷物をザックで運搬する場合は、たった80gでも大きな違いになります。
車で行くキャンプでしたら、気にするほどの差ではないでしょう。
その2.サイズ
・「ST-310」幅166×奥行142×高さ110(使用時・本体のみ)
・「ST-330」幅350×奥行120×高さ90(使用時・本体のみ)
使用時の幅に違いがあります。写真のとおり、ST-310のほうがコンパクトに設置できますね。
逆に、収納サイズはST-330のほうが小さくまとまります。
使用時にどれくらい場所をとるのかは、大きなチェックポイントです。
いつもの装備を思い浮かべて、どこで使うのか、どこに収納するのかを考えてみましょう。
なお、ST-310には収納袋がついていますが、ST-330にはついていません。
ST-330を収納する際には、別途、収納袋やケースを用意する必要があるでしょう(※1)。
※1……純正品で、FUSIONポーチ(ST-3301)が発売されています。
その3.バーナーヘッド
バーナーにはどちらもマイクロレギュレーターを内蔵しており、連続使用の際や、低温時にも安定した火力が供給されます。
バーナーヘッドの大きな違いは、その形状です。
ST-310に対し、ST-330のバーナーヘッドはすり鉢状をしています。炎口の数も多いですね。
火足も短く、耐風性能に優れた構造となっているため、より風に強いのは、ST-330といえるでしょう。
その4.発熱量
シングルバーナーの燃料には大きく分けて、「LPガス」と「ホワイトガソリン」があります。
ST-310とST-330は、どちらも「LPガス」のCB缶(※2)を燃料として使用します。
※2……SOTOパワーガスST-760、またはST-700を使用してください。
経済的なCB缶を使うシングルバーナー、という点では同じですが、発熱量に少し違いがあります。
・「ST-310」発熱量/2.9kW(2,500kcal/h)※3
・「ST-330」発熱量/2.6kW(2,200kcal/h)※3
※3……気温25度C無風状態で、点火後から5分間の燃焼データより算出(パッケージ記載より)。
実際の調理にどのくらい差があるのかといえば、私の体感ではほとんど分からない程度です。
後ほど、簡単にデータを取って比較してみたいと思います。
その5.一体型or分離型
ST-310は、ゴトクとCB缶が一体型。ST-330は、ゴトク部分からCB缶が離れる分離型です。
ゴトク一体型はコンパクトにまとまるため、狭いテーブルでも使いやすい、というメリットがあります。
しかし、バーナーと燃料が近い点には注意が必要です。
輻射熱(放射熱)を発生させる調理器具、たとえば鋳鉄製のダッチオーブンなどは、近くのCB缶を加熱してしまう可能性があります。
爆発を引き起こす恐れもあるため、使用方法にはくれぐれも注意しましょう。
目いっぱい調理をしたい方は、CB缶とゴトクの距離が遠い、分離型がおすすめです。
150mlの水を沸かしてみよう
仕様上の使用時間は、どちらも「ST-760を1本使用時約1.5時間」とあります。
しかし発熱量に違いがあるのなら、火力にも違いがあるのでは?
気になったので、同じ条件下で同じ量のお湯を沸かしてみました。
火力MAXで150mlの水をのせたとき、大きい泡が立ち始めるまでの時間は下記の通り。
・「ST-310」 1分8秒
・「ST-330」 1分2秒
結果、ほほ差がありませんでした。むしろ、発熱量の低いST-330のほうが数秒早いという結果に(誤差の範囲ですので、参考程度に留めてください)。
発熱量の違いだけでは、目に見えて湯沸かしに影響が出るようなことはありませんでした。
調理の際の安定感
細めながら、どちらも安定した4本ゴトクです。
ゴトクを開いた際の外径はST-310が130mm、ST-330が165mm。
高さは少しだけ、ST-330のほうが低いですね。重心が低いことで、より安定感があります。
ST-330に直径20cmのスキレット、ST-310に直径14cmのシェラカップをのせてみました。
分離型のST-330は、ステンレスのダッチオーブンをのせた写真がパッケージにのっています。大きな鍋も使えることが分かりますね。
ファミリーキャンプなどの大人数にも、もってこいではないでしょうか。
まとめ
メーカー希望販売価格はST-310が6,380円、ST-330が9,900円。
より安価で手が出しやすい一体型を買うか、本格的な調理をするために分離型を買うか。
そのあたりを考慮しながら比較検討すると、間違いのない買い物ができるでしょう。
最終的に迷ったら「デザインで選ぶ!」のも悪くないと、個人的には思います。