テントやタープを張ったり、ランタンや食器を吊り下げたり、自分の体の安全を確保したり、ロープワークはアウトドアのあらゆるシーンで僕らを助けてくれます。今回はキャンプから犬の散歩まで、いろんなことに役立つ基本のロープワーク「もやい結び」の用途と結び方を紹介します。
もやい結びとは
その名のとおり船を「もやう」(舫う=岸につなぎとめる)ときに使われる。英語ではBowline knot(ボーライン・ノット。Bow とは船首のこと)。
すばやく結べて、強度が高く、そのわりにほどくのが簡単なことから「キング・オブ・ノット」と呼ばれる。
結び方
1.輪を作り、末端をそこに通す2. 末端を矢印のほうにまわす
3. 末端を矢印のように輪に通す4.この形になっていれば正解
5.結び目を締めれば完成
「引き解け」にすればほどきやすくなる
手順3 〜4 のときに末端をU字状にして輪に通すと、いわゆる「引き解け」になる。末端を引っ張れば、するりとロープがほどける。
もやい結びの用途
輪を作って杭状のものに引っ掛けるのが基本の使い方だが、モノを対象物に結びつけるときにも使える。
バケツで水を汲む
たとえば、川や池からバケツで水を汲むときに役立つ。また、水の入ったバケツにロープをくくりつけて、ペグが打てないときに張り綱を固定するのにも役に立つ。
犬を木につなぐ
犬を木や杭につなぐときにも、もやい結びで結びたい。
カヌーを岸につなぎとめる
カヌーを岸につなぎとめるときにも役に立つ。「もやい」の語源的な使い方。
もやい結びは、加重がかかったり抜けやすかったりする場合に、巻き結びやふた結びより強度がある。強い力がかかる状況下で絶対にほどけないようにしたい場合は、もやい結びで結ぶべし!
動画はこちら
イラスト/田中斉、長谷川弘 構成/DOCO(大塚真)、大澤竜二
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