2021年夏も残念ながら、昨年に続く“マスクが欠かせない夏”となることは確実だ。しかし熱中症のリスクもあるので、昨年までは周囲2メートル以内に人がいない炎天下の屋外などではマスクを外すことも必要とされていた。しかし今年の夏はこれまで以上に感染力が強いとされる、デルタ株の脅威もある。ワクチン接種も終わっていない場合、果たして屋外で2メートル以内に人がいなくても、昨年同様マスクを外していいのだろうか?そこでこの夏注目したいのが、マスク内の温度を下げる涼感スプレーだ。
不織布マスクと布マスクで試してみた
「マスク用涼感スプレースースースッ 除菌プラス」は2021年4月に「ビッグバイオ」より発売された、マスク用の涼感スプレー。同社は熊本で独自の天然成分由来による日用品や水質浄化剤などを開発・製造している企業だ。ちなみに多くの人にとって聞き慣れないだろう「スースースッ」という商品名は、九州弁で「肌寒い」「寒い」を意味する方言だそう。
![](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2021/07/DSC02393.jpg)
「マスク用 スースースッ」715円(税込)
もちろん使用条件によって異なるが同社が実験したところによると、こちらの商品をマスクに5回ほど吹きかけると、マイナス8度ほど表面温度が下がったという。果たして本当に同社が言う通りスースースッとなるのか?今回は実際に試してみることにした。
![](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2021/07/DSC02411.jpg)
5~7回と、けっこうしっかり目にスプレーするのがコツ。
まずは不織布マスクで実験。スプレーをよく振り、20cmほど離した状態でマスクの外側にまんべんなく5~7回スプレーする。つい内側にスプレーしそうになるが、外側が正解。実は筆者も最初勘違いしていた。また注意点としては、装着したままスプレーしてはいけないそう。
![](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2021/07/DSC02403.jpg)
炎天下の下でマスクをする際に使用したら、かなり快適そうだった。
さっそく装着してみたところ、たしかにほのかにひんやりと冷たい。そのまましばらく装着したところ、30分くらいはじわじわとした冷たさがキープされた気がした。これは確かに炎天下だと、かなりの威力を発揮するかもしれない。ちなみに間違えて内側にスプレーをしたマスクも装着してみたが、こちらは冷たすぎて「うわぁ」と思わず声を出してしまった。確かに内側だと刺激が強すぎるようだ。
![](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2021/07/DSC02406.jpg)
布マスクの素材によっても感じ方に違いがありそうだ。
続いて試したのは布マスク。素材の違いにもよると思うが、こちらも同様に内側をまんべんなく5~7回スプレーして装着してみると、こちらのほうが冷たく感じる度合いは低く感じた。また不織布マスクの時にはあまりに気にならなかったアルコールのようなニオイも気になる。ただしばらく布マスクを装着したままにしておいたところ、不織布マスクよりも遅れてじわじわと冷たさを感じ、気が付いたらニオイも気にならない。そして冷たいと感じる時間は不織布マスクよりも長く感じた。布マスクに使用する場合は即効性がやや劣るけど、持続性は高いのかもしれない。
![](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2021/07/DSC02381.jpg)
除菌効果もプラスされているのが特徴だ。
ちなみにこの商品を製作しているビッグバイオは熊本のメーカーだが、同社は5年前の熊本地震で被災。工場などが甚大な被害にあい、しばらく大変な生活が続いたそうだ。さらにその当時、熊本県全体でも避難所生活を余儀なくされた人たちが大勢いたが、夏前にもかかわらず避難所には冷房施設がなく、熱中症が問題になっていたという。そこで同社ではもともと製造していた衣類用の涼感スプレー「スースースッ」を支援物資として各避難所に提供。多くの人が避難所を涼しく過ごすことができ、県からは感謝状も贈呈されたそうだ。今回はこのノウハウを生かしてマスク用の涼感スプレーを開発しているが、同社はこの商品について「夏の不快感を減らし、マスク着用率を下げない取り組みに利用してほしい」と語っている。アウトドア時でもぜひ活用して、マスク熱中症を防いでほしい。