メスティン「+α」カスタマイズ術vol.4 〜コジーにもなるメスティン専用ケースをつくろう!〜
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    2021.08.13

    メスティン「+α」カスタマイズ術vol.4 〜コジーにもなるメスティン専用ケースをつくろう!〜


    今やソロキャンパーの標準装備になりつつあるtrangiaのメスティン。これを「もっとシステマチックに、そして自分らしくカスタマイズしないなあ…」と思いませんか?

    今回は、ハセベ式「メスティン+αカスタマイズ術」第一弾の木製トレイ、第二弾のカッティングシート、第三弾のレザーミトンにつづき、保温もできて、ランチョンマットにもなるメスティン専用ケースのつくりかたを紹介します。

    メスティン専用ケースの特徴

    今回の一番の特徴は、もちろん「作るのが簡単!」はベースとして、「メスティン専用ケース」と「コジー」の2つの機能を持っていることです。コジーは、要するに保温パックの様なもので、メスティンでご飯を炊いた際の蒸らしの時間もこのコジーに包むことで温かいまま仕上げられます。
    また、少しずつご飯を食べる際もご飯が冷めずにすむのも便利です。素材全てが洗えるため、メスティンが黒くなってしまった際にも気にせず使えるのがいいところ。

    一緒にレトルト食品も乗せて保温すれば、一石二鳥!

    ランチョンマットとしても使えちゃいます!

    材料

    材料は写真の4つだけとシンプルです
    ・帆布生地・・・・・・・・・・サイズ44cm×44cm ※縫いやすいので薄手のもがおすすめ 
    ・アストロフォイル・・・・・・4mm厚:サイズ約45cm×28cm
    ・ナイロンテープ・・・・・・・幅20mm:長さ49cm
    ・サイドリリースバックル・・・幅20mm用×1個 

    サイドリリースバックルは、片側が2つ穴、もう片側が1つ穴のものを使用

    <アストロフォイルって何?>
    航空機や宇宙服の遮熱や放射能遮断のために研究された理論を活用して住宅用建材に使われているのがアストロフォイルです。エアパッキンに高純度アルミ箔溶着してつくられたもので、シンプルなのに「熱を反射する=熱を逃がさない」と高機能です。この機能を活用して、UL系の人達もコジーとして活用しています。

    道具 / 消耗品

    道具は、次の通りです。
    おすすめのアイテムを紹介しますが、家にあるもので代用できるものは活用しましょう。

    ①ミシン・・・・・・・家庭用のものでOK
    ②ミシン糸・・・・・・太さは♯30
    ③ミシン針・・・・・・厚地用
    ④ピンチ・・・・・・・布などを挟んで押さえる道具 ※まち針でもOK
    ⑤チャコペン・・・・・布に線などを描く鉛筆
    ⑥油性マジック・・・・アストロフォイルに線を描くためのペン
    ⑦カッター・・・・・・アストロフォイルを切るための道具 ※小型のタイプでもOK
    ⑧裁ちばさみ・・・・・布用のハサミ
    ⑨差し金・・・・・・・布やアストロフォイルに線を描く際に使用
    ⑩カッターマット・・・机に傷がつかないようにするためのマット

    図面

    trangiaのメスティン用に製作する方は、次の図面を参考に作ってみてくだい。
    ちなみに、ひとまわり程度小さい他社製メスティンでもこの図面通り作っても充分使えます。

    帆布のサイジング、カットは多少斜めになってしまってもOK!!

    十字型が本体パーツ、長方形が上部にのせるパーツになる

    つくりかた

    材料と道具が分かったところで、早速つくってみましょう!作り方はとっても簡単ですが、D.I.Yが苦手な方でも挑戦しやすいようになるべく細かく紹介していきます。もちろん、もっとこうした方が作りやすい!などあるかたは自由につくってみてください。改良大歓迎!!

    ① 帆布とアストロフォイルを図面通りに切り出す

    材料の帆布とアストロフォイルを図面通りに描き出した後、それぞれを切り出す。
    このサイズが多少ズレたり曲がったりしても機能を大きく損ねることはないので、どんどん作業を進めていきましょう。

    友人の分などいくつか製作する場合は、型紙を作っておくとこの工程がとても楽になります!

    帆布を切る際は、裁ちばさみを使用します

    工程中に刃物でカット部分以外のエアパッキンを潰さないように注意して作業を進めよう!

    ② 十字型のアストロフォイルに折り癖をつける

    折り癖をつけると、完成後の使用感が上がります

    十字にカットされたアストロフォイルを箱形に折り込み、折り癖をつけておく。さらに、+αでレトルト食品を乗せてもいいように高めに設定されているので、立ち上がった部分もメスティンの高さに合わせて折り癖を付けておく。

    ③ 帆布の四面を2回折りしてピンチでとめる

    ピンチの代わりに、まち針でもOK

    帆布の図面、1cmのところで2回折り、ピンチでとめる。四面全てを行ってもいいが、次の③の作業と行き来しながら一面ずつ進めていくと綺麗に仕上がります。

    ④ 2回折りした部分をミシンで縫う

    「②」で2回折りしてピンチでとめた部分を、折り目の端から2mm程度の場所を直線縫いで縫う。縫い始めと縫い終わりは数往復して糸のほつれを防ぐ「返し縫い」を必ずしておく。一辺が終わったら、「③」の作業に戻り、もう一辺を2回折りしたらまたまた縫う。これの作業を四辺行います。

    角の部分は布の重なりが多いので、ゆっくり針が折れないように縫い進んでいくのがコツ

    ⑤ ナイロンテープパーツをつくる〜カット面の処理〜

    ライターの火を直接当てずに熱で溶かすようなイメージで作業をします

    ナイロンテープを49cmにカットした後、カット面両サイドをライターで炙っておく。こうすることで、あとからカット面がほつれてこない。

    ⑥ ナイロンテープパーツをつくる〜片端の加工〜

    長さは目安なので、好みでOK

    ナイロンテープの片端を、サイドリリースバックルの1つ穴の方に通して折り返す。この時、折り返したテープの端は3.5cm程度の長さに調整し、サイドリリースバックルの”裏面”から出てくるようにします。
    この作業の後、ミシンでナイロンテープの切り端から約5mm程度の所で直線縫いを何度も繰り返すようなイメージでしっかり抜いとめておきます。

    ここは負荷がかかるのでしっかりと縫いとめておく

    ⑦ナイロンテープパーツをつくる〜反対端の加工〜

    この折った部分がプロスチックパーツからの抜け防止、そして引きやすさになる

    縫う際は返し縫いも忘れずに!

    ナイロンテープ反対側を、サイドリリースバックルの2つ穴の方に通した後で、切り端を1.5cm程度の所で折り縫いとめる。この時、サイロリリースバックルの裏表に注意しながら、折り目はサイドリリースバックルの裏側に出るようにする。

    これが完成形

    ⑧ 帆布にナイロンテープを縫い付ける〜ナイロンテープの配置と縫い付け〜

    写真の様に、ナイロンテープをサイドリリースバックルを外した際に大きい方を左に向ける。その後、帆布の角からナイロンテープが10.5cm内側に入るように配置し、ピンチでとめる。これを帆布の角から1.5cmのラインでナイロンテープを縫いとめたら完成!
    ※ナイロンテープの配置は、メスティンを入れて包んだ際の絶妙な位置にサイドリリースバックルがくるようになっているので慎重に作業をしましょう。

    ナイロンテープの向きに注意

    これが縫い終わった状態 ※左側の縫い跡は⑥のもの

    ●コジーケースの使い方

    完成したコジーケースの使い方を紹介します。

    ①メスティンを配置する

    写真の様に、ナイロンテープが左右どちらかになるように本体を配置し、十字型に切ったアストロフォイルも縦長になるように配置する。この上に保温待ちのメスティンを乗せます。

    ②メスティンの上に”蓋”を乗せる

    メスティンの上にも、熱のロスが無いように長方形に切ったアストロフォイルを乗せます。もしもレトルト食品の簡易温め、保温がしたい場合は、メスティンの上にレトルト食品を置いた後”蓋”を乗せます。

    ③上下方向を包む

    メスティンがアストロフォイルでしっかりと包まれるように、本体の上下を軽く引きながらメスティンを包みます。

    ④メスティンの左右を包む

    「③」の作業と同様に、本体左右でメスティンを包みます。この時、ナイロンテープがついていない方から包みます。

    ⑤ナイロンテープでとめる

    ナイロンテープを本体に一周巻き付け、サイドリリースバックルを留め、きつくなるように引いたら完了!ただ保温したいときは、軽くとめておくだけでもOKです。

    保温、ランチョンマットの機能を持ったメスティン専用ケース。お弁当箱を包むような感じが少し懐かしくないですか?作り方は簡単ですので、是非つくって活用してみてくださいね。

    私が書きました!
    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
    長谷部雅一
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    1977年4月5日生まれ。有限会社ビーネイチャー取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊なネイチャー系会社の役員。仕事の範囲は広く、プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

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