パックラフトはコスパ最高の水遊びだ!
チャレンジした人
ブッシュハヤサカ(右)
最近、ブッシュクラフトにハマったBE-PAL編集部員。パックラフトは湖オンリーで、すべて自己流。泳ぎは苦手だが、浮くのは得意。
教えてくれた人
しょこたん先生(左)
カヌースラローム競技の三重国体代表選手で、パックラフトインストラクター。滋賀県の瀬田川で技術を磨いたことから、"瀬田川クリステル"の別名も。
キホン
パックラフトってこんな乗り物!
パックラフト
1 軽くてコンパクトにたためる
2 電車でもバスでも持ち運べる
上流まで公共交通機関で行って、川を下ってそのまま帰る。クルマを取りに戻る必要もない。
3 組み立ては驚くほど簡単
専用の袋を使ってパックラフトに空気を入れていく。上手い人は8回前後で(ハヤサカは15回)。
4 静水・流水用が選べる
水抜き用の穴、セルフベイラーが付いたモデルは流水向け。穴がないものは、湖などの静水向け。
装備
ライフジャケットは一番大事!
水遊びのマストアイテムがライフジャケット。海や川、湖など、すべてのシーンで大人も子供も付けるべき。川ではヘルメットも大事。
ポイント
ライフジャケットはしっかり締める!
落水時に水面からしっかり頭部が出るように、ぎゅっとキツめに締める。
折りたたむと背負えるぐらいに小さくなるパックラフト。取り扱いが簡単で、それでいてダウンリバーもいける。さらに7万円台から手に入るなど、はじめての艇として人気だ。
よく湖畔キャンプでパックラフトを楽しんでいるが、漕ぎ方は我流。ちょっとステップアップしたいと自ら今企画に手を挙げた。向かった先は東京都青梅市御岳にある、みたけレースラフティングクラブ。リバー&レイクアクティビティーをサポートする、ツアーガイドカンパニーだ。
「はじめましてー! パックラフトお持ちなんですね。今日は一緒に楽しみましょう!」
と、元気いっぱい、しょこたん先生。午前中は湖で基本を学び、午後に川を下る、1日コースで挑戦することに。経験者なので湖での操舵には自信あり。しょこたん先生のアドバイスを受けながら、湖面をスイスイ進む。
「いい感じ! そのまま足を出してリラックスしてみましょう」
プカプカ湖面を浮かんでいると、ここは極楽かと思うほど気持ちがいい~。しかも丁寧なレクチャーのおかげで、自己流だったパドルワークは推進力もコントロールも向上。気分はすっかり玄人パドラーだ。
基本をマスターした(つもりの)ハヤサカは、意気揚々と午後の川下りに挑戦したが、ここで湖と川とは全然違うことを知る。まず怖い。ビビってパドルが全然漕げない。そんなハヤサカを尻目に、
「だいじょうぶですよー。怖がらずに、そーれー」
と、妙に笑顔のしょこたん先生。決心していざ流れに乗ってみると、ハヤサカ艇は岩へと一直線に向かっていった。見事、最初のポイントで沈没。岩へのぶつかり方、ひっくり返ったときの対処方法を聞いておいて、心の底からよかったと思う。湖での自信は完全に崩壊したが、それでも徐々に怖いから楽しい! へと気持ちが変化していき、最後にはもっともっと川下りしたい! と思うほどに。
パックラフトをはじめるなら、スクールは大事。流れのなかでも慌てず基本テクニックが出せるよう、ステップアップしていこう。買っていきなりひとりで川下りは無謀すぎるゾ。
STEP 1
初心者は湖静水で慣れるべし
緩やかな湖は、基本を覚えるのに最適。お尻をシートの奥まで入れて、いざ出航~。パドルはできるだけ前から長く漕ぐのがポイント。水をしっかり捕らえることで、ひと漕ぎで大きく進む。前に進む、方向を変える(回転する)動作が基本のキだ。と、ここまではさほど難しくないので、ビギナーでもけっこういける。湖の真ん中でリラックスタイムも最高だ!
前に進むのが
フォワードストローク
パドルの先、ブレードを水面に入れて、水をキャッチするように手前に引く。バシャバシャだと漕げてはいない。スーッと水を感じるべし。
回転するのが
スイープとバックスイープ
回転する方向に腰をしっかり捻り、水面を掃くように水で円を掻く。反対側は後ろから同じ動きをすることで、その場で回転することができる。
STEP 2
川下り流水デビューは経験者と一緒に!
いよいよ川下り! なのだが、川には見えない危険がいっぱい。実際に挑戦する前にテキストを使って、転覆したときの対処方法や流れについて学ぶ。それでもいざ本番となると湖で覚えた基本技も、教えてもらったコース取りも、スコーンと頭から抜けてしまう。「まず落ち着いて」というしょこたん先生の声で、我に返るハヤサカであった。
スカウティングでコースを下見
コースを下見する、スカウティングはとても大事。岩を避けるためにどう漕いでいくか、スイープテクニックを思い出しながらイメージする。
先手、先手で岩を避ける
ぶつからないように、だいぶ手前から進行方向を決めて漕ぎだすのだが、これが難しい。どうしても岩を見てしまって、結果引き込まれる。
HELP!
パックラフトの豆知識
川は法律上、道路と一緒。
でも、入る場所は私有地の可能性あり。
マナーとルールは大事!
川下りの許可は必要ないが、乗り降りする場所が私有地だったり、釣り人とのトラブルも。その点からも、地元のリバーガイドさんにツアーをお願いするべき。
※構成/早坂英之 撮影/小倉雄一郎 協力/みたけレースラフティングクラブ https://mitakerc.net/
(BE-PAL 2021年8月号より)