初心者でも簡単に燻製が楽しめるスターターキット3選
本格的な燻製用調理グッズを持っていなくても、すぐに燻製が楽しめるスターターキットが各メーカーから販売されています。
各メーカーのキットにそれぞれ個性があります。3つのキットを使い、同じ食材をスモークして仕上がりを比べてみましたので、それぞれの特性についてご紹介いたします。
マルカ/かんいスモーくん
アルミ製の本体深皿、アルミ製のふた、スモークチップ(サクラ)、チップ皿、コンロ台網、料理網が入っています。深皿とチップ皿、ふたはそれぞれ2個入り。熱燻(ねっくん)タイプの簡単燻製器で、価格は1,430円です。
別に準備をする必要があるのは熱源と食材のみ。お好みで、芳ばしさの増すスモークパウダーも用意すると、味わいに深みが増す仕上がりになります。
3.5KWのカセットコンロを使用し、弱火から中火くらいで熱しました。スモークチップが熱されて煙が立つまで10分程度かかります。その時間を含めて40分程度で完成しました。
熱燻は100度Cの高温で一気に燻煙処理する方法なので、短時間で仕上がります。脱水され、ほどよく歯ごたえが出ました。
サクラチップの風味とスモークパウダーの芳ばしさが鼻を抜けていき、燻製の醍醐味を味わうことができます。
強風のなかで燻煙すると、アルミ製のふたが風にあおられて飛んでしまう可能性がありますので、注意しながら楽しんでください。
SOTO/おつまみ香房
温燻(おんくん)タイプの簡単燻製器。セット内容は段ボールのスモーカー本体、スモークウッドミニ1本、金網を支える金棒、スモークウッドを入れるアルミ皿です。価格は1,430円です。
別に用意するものは食材と着火器具。
この製品は購入時、スモーカーが折りたたまれた状態で袋に入っています。現地までかさばらずに持ち運びできて優秀。スモーカー本体の横に組立についての説明書がプリントされており、ごみを最小限に抑えたいキャンパーのことを考えて作られている印象を受けます。
説明書を見なくても、折り目に沿って組み立てることができるほど簡単なので、初心者にもおすすめです。
燻製する際は、50~80度Cの温燻で30分~2時間程度燻煙します。私は1時間程度で仕上げました。仕上がった燻製は適度に柔らかく、素材本来の歯ざわりが残っている印象でした。芳ばしさもちゃんと楽しめます。
リクシルビバ/簡単組み立て スモークBOX小
温燻タイプの簡単燻製器。セット内容は段ボールのスモーカー本体、金網を支える金棒、スモークウッドを入れるアルミ皿です。価格は657円です。
キットとは別に食材とスモークウッド、着火するための器具を用意してください。
今回の3製品のなかで簡単組立スモークBOXの網が一番大きいです。スモークウッドは別途購入する必要がありますが、こだわりたい人には逆に嬉しいポイントです。好きなサイズや香りのスモークウッドを購入して、燻煙の時間を微調整してみると違った味わいが楽しめます。
歯ごたえはやわらかめ、表面は芳ばしくて絶妙な味わいでした。
燻製を作る際に便利なグッズ
以下で紹介するのは、燻製する際に便利なグッズです。
SOTO/燻製用脱水シート
燻製を作る前には、食材を乾燥させる工程があります。作る前に乾燥させる理由は、水分を抜いて乾かすことで保存性を高め、燻煙後の色味の仕上がりをきれいにするためです。
塩漬けをして水分を抜き、屋外に干して乾燥させる方法と、冷蔵庫のなかで乾燥させる方法が主流です。
屋外の風にさらすタイプの乾燥法は、1~2時間ほどで完成します。冷蔵庫での乾燥法は、半日~1日です。ただ、屋外干しの場合は虫や害獣の被害、ほこりや排気ガスなどの問題があり、冷蔵庫乾燥では風味が落ちてしまうことも。
まったくの初心者の場合、燻製を作る工程のなかで一番、手間と時間がかかるのが乾燥といえるかもしれません。そこで、衛生面の不安もなく、簡単、そして風味を落とさずに水分を脱水してくれる「燻製用脱水シート」を使うと失敗なく燻製の下地を作ることができるのでおすすめ。価格は4枚入りで748円です。
ゲル状の成分が含まれている保存料・添加物なしのシートで、風味を損なわず、臭みと水分だけを吸収してくれます。使う前のシートはさらさらした手触りで、薄いシートのなかに少しのゲルが入っていてぷにゅっとします。
シートは25cm×35cmサイズで裏表はありません。食材に密着させるように包むのがコツです。食材を脱水シートに包み、冷蔵庫に入れて待ちます。
具材によりますが、通常は半日から1日置くと説明書に表記されています。
SOTO/ピートスモークパウダー
スモークパウダーを燻製を作る際に利用するのもおすすめです。今回私が使用したのは、SOTOの「ピートスモークパウダー」という商品。価格は1,010円です。
使い方は簡単。スモークウッドやスモークチップに直接振りかけるだけで風味が増します。植物が自然のなかで堆積し炭化した粉で作られているそう。
実際に使用してみたところ、風味の豊かさが格段にアップしました。ひと手間加えるとまた違った味わいが楽しめるという、燻製の奥深さをあらためて感じました。
パウダーがウッドに乗りきらない場合、ウッドの下にパウダーを敷きます。チップの場合は10~20%のパウダーを混ぜてください。はじめは説明書通りに行うといいでしょう。使っていくなかで好みの分量がわかってくると思います。
今回紹介しているグッズを使えば、初心者でも大満足の燻製が楽しめること間違いなし。ぜひ、アウトドアで燻製づくりにトライしてみてくださいね。