ナイフに慣れたら、堅いものを切ったり、削ったりしてみよう。ナイフも小さなフォールディングナイフではなく、シースナイフ(ブレードとハンドルが一体構造で、ブレードをシース〈鞘〉にしまうタイプ)を使ってみて! シンプルで頑丈なつくりなので、力を入れた作業がより楽しくなるぞ!
割りばしから串を作りたい。どうやって削る?
ナイフを持った手を体に固定して、割りばしを手前に引く
① ひざに右手を固定する。
② 鉛筆を削る要領で、割りばしを手前に引く。
長い竹串を短く切るにはどうする?
手で折ると、竹の繊維が引きちぎられて裂けてしまう!
竹串の外周に切れ目を入れて手で折る
① 竹串を回しながら、ナイフを前後に動かす。
② このように表面に切れ目が入ればOK!
③ 切れ目を徐々に深くして、最後は手で折る。
こうすると、切り口がきれいになる。
着火しやすいよう薪にささくれを作るには?
このように薪の表面を浅く切り、細かくめくれば火がつきやすい。
薪を地面に立てて、薪の角をエッジに押し当てる
ブレードを浅く斜めに切り入れて作る。不揃いでも大丈夫。
薪から細いたきつけを作るには?
たきつけがあると、薪への着火が楽になる。
剣ナタを体に固定させて、薪を手前に引いて削っていく
① 薪を手前に引く。レザーグローブをはめていると、しっかり握れる。
② 剣ナタをひざに固定。薄く細くそぐと、よく燃える。
竹筒をどうやって半分に割る?
ヒント:もうひとつの竹筒を使ってもOKです。
もうひとつの竹筒で刃の背を叩いて割り込んでいく
① 刃を軽く当てて食い込ませ、竹の繊維へまっすぐに切り込む。
作業中、ブレードを無理にこじるとエッジが欠けるのでやめよう!
② 竹筒で刃の背を叩いて刃を割り込ませる。
③ 刃が割り込んだら竹ごと堅い地面(平らな板や石があればベター)に叩きつければ自然と割れる。
④ 叩きつけずに刃の先端を竹筒で叩いてもOK。
エッジを地面に当てると欠けるので注意しよう。薪も同じ方法で割ることができる。
竹に穴を開けるには?
ブレードの薄いナイフだと刃こぼれする恐れがある。ブレードの厚いナイフか剣ナタで作業しよう。いずれにせよキリがないときの応急策と考えたい。
キリのように先端をねじって開ける
① 刃を立てて、軽い力で剣ナタを何度もねじる。
切り込むというよりも、竹を粉にするように削る。
② 貫通したら裏からも開けると穴を大きくすることができる。
木の枝の余分な小枝をどう落とす?
落ちていた大きな枝。小枝がなければ杖に使えそう……。
無理して1回で切ろうとせずに何度か振り下ろして切り落とす
必ず左手は切るところより上のほうを持つ。足も、ナタの進む方向から離す。
木の皮をはぐには?
ブ皮を剥いできれいにすれば、何か手作り家具の部品に使えそう。
たきつけを削る要領で剥ぐ。無理をせずに少しずつ薄く削っていく
ナタを押し出していく。皮が厚く堅い場合は注意。力を入れて一度に厚く剥ごうとせずに薄く削っていく。
ヤブを刈り払うには?
地面と水平でなく、斜めに断ち切る
切り口
茎(幹)がやわらかい場合は左手で支えたほうが切りやすい。ナタの重さを利用し、茎(幹)に対して斜めに刃を振り下ろす。周囲に人がいないのを確認して行なおう!
自分の爪を使って、切れ味を簡単にチェックする方法は
くれぐれも指などをきらないように注意してください。
親指の爪にエッジを当てて、爪の先のほうにずらしてみる
エッジが爪に吸いつくようにくい込み、矢印方向に動かなければOK。ずれてしまうようなら研いだほうがいい。応急処置的に簡単に切れ味を戻すには市販のタッチアップツールを活用する。しっかり研ぐには砥石を使う。
タッチアップのやり方
棒状のシャープナーにエッジを斜めに当てて滑らせる。エッジの角度に合わせて2~3回。両側のエッジを研ごう。
V字シャープナーもあり、V字部分へブレードを垂直に入れて手前に引く。
監修/鶴田康男 イラスト/Chai 構成/DECO(大塚 真)、大澤竜二