戦国時代の携行食、干し飯って?
織田信長や豊臣秀吉が活躍していた時代、戦国武士たちは「干し飯(ほしいい)」というものを携帯していました。干し飯とはその名の通り、一度炊いたお米を干したものです。武士たちはごはんどきになると金属製の兜を鍋がわりにして、干し飯を使って雑炊を作り、食べていたそうです。
そんな干し飯は現代でもサバイバルの強い味方!常温で長期保存できるので、災害時などには貴重なエネルギー源になってくれます。キャンプや日常でも乾燥パスタや乾麺のように使えば、新しい美味しさや時短に繋がります。
今回は干し飯の作り方を紹介します。
作り方
まずは普通に炊いたごはんを用意します。
栄養価を考えて五穀米にしたり、戦国時代のように玄米を使ってみても面白いかもしれません。
お米をざるの上にあげて水洗いし、表面のぬめりを落とします。
お米を干していきます。
寒い季節ならざるの上に広げ、風通しの良い日陰で5日ほど干すと干し飯ができます。干している間は鳥や虫が寄ってこないよう、干し野菜用ネットを使うと便利です。
気温・湿度が高い時期は腐敗する危険があるため、オーブンを使うといいでしょう。今回はオーブンを使って作ります。
110度Cのオーブンで80分加熱します。20分ごとにオーブンを止め、米をひっくり返したり、かたまりをほぐしたりして、均一に乾くよう調整します。
40分の時点では表面は乾いてきているものの、中はまだ柔らかい状態です。
だんだん乾いてきました。でも、まだ米のかたまりの中には水分が残っています。
米のかたまりを砕いたときに「パキッ」と簡単に砕けるようなら、しっかり乾いた証拠です。少し弾力を感じるようなら加熱不足なので、様子を見ながら加熱時間を延長してください。
干し飯、完成です!乾燥剤と一緒にジップロックや瓶に入れて直射日光の当たらない場所に置いておけば、長期保存できます。
あまり美味しくはないですが、このままでも食べられます。
食べ方
食べる時は干し飯の重さの倍の水またはお湯を入れ、待つだけです。今回は干し飯の重さが45gだったため、90gの水を入れました。
お湯を注いで約30分で食べられます。
水なら6時間待ちましょう。3時間ほどで一応食べられる状態になりますが、水分が偏るため、パサパサな部分とべちゃべちゃした部分が入り混じった状態になります。6時間待つと干し飯にムラなく水分が行き渡り、美味しくなります。
水でもどしましたが、ぱっと見た感じは普通の「冷めたごはん」に近いです。お米の表面の粘り気がなくなっているため、少しパサパサとしていますが、十分美味しく食べられるレベルに戻りました。
干飯の美味しい食べ方アイデア
災害時など緊急事態なら水で戻すしかないですが、キャンプや日常で干飯を食べるなら、美味しくアレンジしちゃいましょう!
干し飯は水分を失っていたり、お米表面の粘りが落ちているという特性上、レシピによっては白米よりも美味しくなります。乾燥パスタや乾麺を使うように、干し飯も気軽に使ってみてください。
雑炊・リゾット
乾いた状態の干し飯を水ではなくスープでもどすと、お米の芯まで味がしみた美味しい雑炊やリゾットになります。
チャーハン
普通のごはんを使うと、なかなかパラっとならないチャーハン。干し飯ならお米の表面の粘りがないため、誰が作ってもパラパラになります!お湯でもどした干し飯を使ってみてください。
おこし
浅草の「雷おこし」のようなお菓子にしてしまうレシピです。乾いた状態の干し飯を油でこんがりと揚げ、砂糖・しょうゆ・みりんを煮立たせた餡にからめます。
「干し飯」を上手に活用してみよう
戦国時代の携行食、干し飯。
ぜひ日常やキャンプシーンでも、緊急事態の備えとして、あるいは時短アイテムとして使ってみてください。